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花嫁

花嫁(18)繁華街で 星野ひかり

2025年1月23日14時53分 コラムニスト : 星野ひかり
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花嫁(18)繁華街で 星野ひかり+

私は17歳で病気を持った身ながらに家を出たが、30歳のころまでは、繁華街を渡り歩いて働いてきた。たくさんの薬を飲んでいる、酩酊しかけた体で働ける場所は、他にはないように思われた。主にバーといわれるお酒を出すお店だったが、お客さんの隣に座って接客をするようなこともあった。

バーでの仕事は楽しかった思い出もあるが、たいてい酷なものであった。体型や女性らしさに気を使い、人に気に入られようと着飾り、化粧をする。そして、自分の価値とは人に気に入られた分量と比例するのだ。

神様とも呼んでいた「私の宇宙」に守られている・・・そんな統合失調症の独特な感受性は、時に面白がられ、時に気味悪がられた。私の自尊心は、働くほどに削られてゆくようであった。

自尊心のなかった私には、人の評価だけが自尊心の尺度となった。私はどうにか人に好かれようと、うそやおべっかを使い出した。人間関係の築き方も分からずに、本当の愛や優しさに触れることもまれであった。

飲めないお酒を無理やり飲まされ、都会の路上で倒れたことも、トイレで眠りこけたこともある。私の精神病は、年を経るごとにひどくなり、心はガラガラと音を立てるように壊れていき、20代の終わりのころは声の出ない失声症も患って、自殺未遂を企てた覚えもある。都会の真ん中の、家賃だけは立派な部屋で人並みの暮らしもできず、福祉の存在が私のような者のためにあることも知らず、一人で生きられないのなら死ぬばかりだと思っていた。

金色のライター。シャンソンを聴きながら悲しい生きざまを嘆いては、7センチのヒールを打ち鳴らしてバーに向かう。頭はいつもお酒と薬でくらくらで、泣き笑いながら自分の感情のつかみどころも知らず、自分自身の価値さえ分からず、わずかに与えられた若さだけが誇りだった。

年を重ね、それさえ失ったら死ねばいい、そんなふうに投げやりに自分の命を捉えていた。なぜ生きているのか、いつまで生きればいいのかを「私の宇宙」に問いながら、ただ ‘今’ の限りを生きていた。今あの頃のことを思い出すと、まるで淡いシャボン玉の中にある幻のようである。

「あなたはわが目に尊く高価である」と、イエス様がこの私のために十字架にかかってくださったことの意味を今も、今も、さらに深く知っていく。イエス様が神である己(おの)が命を引き換えに、私を救ってくださったことを。

今では、素晴らしい信仰者である夫に愛され、安心して毎日家事やせっけん作りをして暮らしている。温かな家族のもとで暮らし、日曜日は大好きな教会で礼拝、水曜日は祈祷会、あとは病院通いという、単調ではあるがイエス様の愛に守られた日々を生きている。

この日本に生きる人の中では、苦労が多かった方かもしれないが、その苦労の故に、この世にあふれる苦しみを知れる者になれたならうれしいものだ。こんなに破れだらけの文章しか書けなくとも、どこかで傷んでいる人に寄り添える心を持てたらと、切に願って書いている。

私の苦しみは、私だけの苦しみではなく、私の悲しみは、私だけの悲しみではなく、神様がおっしゃる通り、その試練を通して人を慰められる良き隣人になるために・・・。それは私の生きる意味(使命)ともなり得、また生きる幸せともなろう。

いつか、孤独感に打ちひしがれて睡眠薬をかみ砕き、毛布の中に逃げていた夜は、誰かのため、そして世界のために祈る夜へと変えられた。夜の静寂が金属音を奏でて砕け散り、結晶となって光り出すような、御光あふれる夜を過ごしている。

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◇

星野ひかり(ほしの・ひかり)

千葉県在住。2013年、友人の導きで信仰を持つ。2018年4月1日イースターにバプテスマを受け、バプテスト教会に通っている。

■ 星野ひかりフェイスブックページ

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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