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花嫁

花嫁(17)生き難く 星野ひかり

2025年1月9日21時55分 コラムニスト : 星野ひかり
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花嫁(17)生き難く 星野ひかり+

何不自由ないというのに、生き難く、張り裂けるような心の痛みにうずくまって、薬を頬張る朝もある。夫はひざまずいて私を抱きすくめ、「大丈夫だ、大丈夫だ」と頭をなで続けてくれる。生育環境で与えられた心の傷は、いまだに私の人生に暗い影を落としている。

今の何不自由のない暮らしが、まるで借りてきた猫がぽつりと置かれているかのように居心地悪く思うときもある。昨日まで、風の強い日も雨の降りしきる日も、毛を逆立てて野良猫暮らしをしていたのに、急にお上品な飼い猫になってしまったような気分なのだ。

どうにか幸せになりたいと、安心して眠る暮らしをしてみたいと、あれほどに望んでいたはずなのに、実際にそれが手に入っても、まだ生き難い。蹴り飛ばされたお腹の鈍痛、喉が枯れるまで泣き叫んだ日、そんな暮らしが妙に懐かしく思ったりもする。父も母も、私の育った家では誰もがいっぱいいっぱいだった。

そんな父母もいまや教会に通い、片付けることのできなかった荒れ果てた家も、きれいに整えられ、家じゅうに花を飾るようになっている。母はずっと弾けず、物置場と化していたピアノを毎日弾いて、賛美をしている。イエス様の御救いはあれほどに深い闇の中にあったわが家をも照らしてくれた。

時に昔の暮らしが懐かしくなったりもする。痛みが、叫びが、絞り出したしょっぱい涙と血が原故郷のように懐かしいのだ。

あんな家庭であっても、愛がなかったとはいえなかった。誰もかれも余裕がなく、子どもでも親でも当たり散らし合って、傷つけ合いののしり合い、小さな家のどこにも助けを求められず、出口なく、それでも家族は愛し合ってもいた。そんな暮らしの中でも母はドーナツを揚げてくれた日があり、父も一生懸命サンタクロースを演じてくれたクリスマスがあった。

今でも兄と妹はイエス様に出会っておらず、私と同じく傷を抱え、無知なままで早くに家を出たために、生きづらい人生を歩んでいるのではあるまいか。

そしてこの社会には、どれほどに荒んだ家庭があることだろう。そこで親も子も悲鳴を上げているのではあるまいか。どんなに福祉が充実し、どんなに社会が整備されようと、人間に罪のある限り、この世界から痛みがなくなることはない。そこにイエス様の十字架だけが、たたずんでいるのだ。唯一なる御救い、逃れの岩が。

イエス様を知り、劇的に幸せになったかのように私を見る人もいよう。しかし、それであってもこの心の痛みがなくなることはない。それでもイエス様は「あなたに与えている恵みは十分である」とおっしゃり、また、「あなたの遭っている試練はこの世の常であるのだ」とおっしゃるのだ。

私は救われた。しかし、今なお生活の不安、孤立や貧困、暴力の中にいる人たちがどれほどにいようか。それは人間の歴史の分だけおろう。私のいまだに残る生き難さは、そういう現実を忘れることのないように残されているのかもしれない。この心の痛みを、神様は完全には癒やされない。それは決して、同じ苦しみにある人たちを忘れないように、と神様が刻印のように残されているのではあるまいか。

私の心はまだ張り裂けるほどに痛む日も多い。取り去ってくださいと何度お願いしたか分からない。しかし今夜、御心のままにしてください、と祈る。この世界に痛みがあることを忘れることのないように、御心のままにしてください、と。

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◇

星野ひかり(ほしの・ひかり)

千葉県在住。2013年、友人の導きで信仰を持つ。2018年4月1日イースターにバプテスマを受け、バプテスト教会に通っている。

■ 星野ひかりフェイスブックページ

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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