Skip to main content
2025年11月11日10時20分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
花嫁

花嫁(17)生き難く 星野ひかり

2025年1月9日21時55分 コラムニスト : 星野ひかり
  • ツイート
印刷
花嫁(17)生き難く 星野ひかり+

何不自由ないというのに、生き難く、張り裂けるような心の痛みにうずくまって、薬を頬張る朝もある。夫はひざまずいて私を抱きすくめ、「大丈夫だ、大丈夫だ」と頭をなで続けてくれる。生育環境で与えられた心の傷は、いまだに私の人生に暗い影を落としている。

今の何不自由のない暮らしが、まるで借りてきた猫がぽつりと置かれているかのように居心地悪く思うときもある。昨日まで、風の強い日も雨の降りしきる日も、毛を逆立てて野良猫暮らしをしていたのに、急にお上品な飼い猫になってしまったような気分なのだ。

どうにか幸せになりたいと、安心して眠る暮らしをしてみたいと、あれほどに望んでいたはずなのに、実際にそれが手に入っても、まだ生き難い。蹴り飛ばされたお腹の鈍痛、喉が枯れるまで泣き叫んだ日、そんな暮らしが妙に懐かしく思ったりもする。父も母も、私の育った家では誰もがいっぱいいっぱいだった。

そんな父母もいまや教会に通い、片付けることのできなかった荒れ果てた家も、きれいに整えられ、家じゅうに花を飾るようになっている。母はずっと弾けず、物置場と化していたピアノを毎日弾いて、賛美をしている。イエス様の御救いはあれほどに深い闇の中にあったわが家をも照らしてくれた。

時に昔の暮らしが懐かしくなったりもする。痛みが、叫びが、絞り出したしょっぱい涙と血が原故郷のように懐かしいのだ。

あんな家庭であっても、愛がなかったとはいえなかった。誰もかれも余裕がなく、子どもでも親でも当たり散らし合って、傷つけ合いののしり合い、小さな家のどこにも助けを求められず、出口なく、それでも家族は愛し合ってもいた。そんな暮らしの中でも母はドーナツを揚げてくれた日があり、父も一生懸命サンタクロースを演じてくれたクリスマスがあった。

今でも兄と妹はイエス様に出会っておらず、私と同じく傷を抱え、無知なままで早くに家を出たために、生きづらい人生を歩んでいるのではあるまいか。

そしてこの社会には、どれほどに荒んだ家庭があることだろう。そこで親も子も悲鳴を上げているのではあるまいか。どんなに福祉が充実し、どんなに社会が整備されようと、人間に罪のある限り、この世界から痛みがなくなることはない。そこにイエス様の十字架だけが、たたずんでいるのだ。唯一なる御救い、逃れの岩が。

イエス様を知り、劇的に幸せになったかのように私を見る人もいよう。しかし、それであってもこの心の痛みがなくなることはない。それでもイエス様は「あなたに与えている恵みは十分である」とおっしゃり、また、「あなたの遭っている試練はこの世の常であるのだ」とおっしゃるのだ。

私は救われた。しかし、今なお生活の不安、孤立や貧困、暴力の中にいる人たちがどれほどにいようか。それは人間の歴史の分だけおろう。私のいまだに残る生き難さは、そういう現実を忘れることのないように残されているのかもしれない。この心の痛みを、神様は完全には癒やされない。それは決して、同じ苦しみにある人たちを忘れないように、と神様が刻印のように残されているのではあるまいか。

私の心はまだ張り裂けるほどに痛む日も多い。取り去ってくださいと何度お願いしたか分からない。しかし今夜、御心のままにしてください、と祈る。この世界に痛みがあることを忘れることのないように、御心のままにしてください、と。

<<前回へ     次回へ>>

◇

星野ひかり

星野ひかり

(ほしの・ひかり)

千葉県在住。2013年、友人の導きで信仰を持つ。2018年4月1日イースターにバプテスマを受け、バプテスト教会に通っている。

■ 星野ひかりフェイスブックページ
■「花嫁(9)白百合の願い」で取り上げた星野ひかりの石鹸はこちら

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
  • ツイート

関連記事

  • 花嫁(16)祝福なる結婚 星野ひかり

  • 花嫁(15)ユダという弟子 星野ひかり

  • 花嫁(14)御霊に燃えて 星野ひかり

  • 花嫁(13)全ての人が御救いに 星野ひかり

  • 花嫁(12)ゲツセマネの弟子のごとく 星野ひかり

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 日本キリスト教団出版局、事業を整理・縮小へ 5月に債務超過

  • メル・ギブソン監督「パッション」続編がクランクイン、キャスト一新でイエス役も新俳優

  • 神の見えざる御手 佐々木満男

  • ワールド・ビジョンがクリスマスキャンペーン、教会で酒井美紀さん登場のコンサートも

  • ローマ教皇レオ14世に聖書協会共同訳のミニチュアバイブルなど献呈

  • 世界福音同盟(WEA)「ソウル宣言」全文和訳

  • 新総主事が就任、国際理事会が新体制に WEA第14回総会「ソウル宣言」採択し閉幕

  • ワールドミッションレポート(11月11日):ブラジル 世界最大のカトリック国で起きている劇的な地殻変動(3)

  • 聖書のイエス(21)「自分のいのちを捨てる」 さとうまさこ

  • 迷い出た者を捜し出してくださる主 万代栄嗣

  • 日本キリスト教団出版局、事業を整理・縮小へ 5月に債務超過

  • ローマ教皇レオ14世に聖書協会共同訳のミニチュアバイブルなど献呈

  • メル・ギブソン監督「パッション」続編がクランクイン、キャスト一新でイエス役も新俳優

  • ワールド・ビジョンがクリスマスキャンペーン、教会で酒井美紀さん登場のコンサートも

  • 世界福音同盟(WEA)「ソウル宣言」全文和訳

  • 神の見えざる御手 佐々木満男

  • 世界62カ国で宗教的「迫害」や「差別」 2年に1度の「世界信教の自由報告書」発表

  • ワールドミッションレポート(11月9日):ブラジル 世界最大のカトリック国で起きている劇的な地殻変動(2)

  • 主は生きておられる(241)カレンダーあと1枚 平林けい子

  • ワールドミッションレポート(11月8日):ブラジル 世界最大のカトリック国で起きている劇的な地殻変動(1)

  • カンタベリー大聖堂の「落書き」プロジェクトに批判の声

  • 「電波宣教師」の尾崎一夫氏死去、短波ラジオ・HCJB日本語放送に60年以上従事

  • 日本キリスト教団出版局、事業を整理・縮小へ 5月に債務超過

  • 【書評】加藤喜之著『福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会』

  • 聖書アプリ「ユーバージョン」が間もなく10億インストール 11月に「聖書月間」開催

  • やなせたかしさんの妻・小松暢さんはクリスチャン、朝ドラ「あんぱん」きっかけに判明

  • 全ての人に福音伝えるための「イエスのモデル」 WEA総会でリック・ウォレン氏が講演

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(234)神様の思い(計画)が分からないのはありがたい 広田信也

  • 世界福音同盟(WEA)「ソウル宣言」全文和訳

  • ワールド・ビジョンがクリスマスキャンペーン、教会で酒井美紀さん登場のコンサートも

編集部のおすすめ

  • 「神の言葉を全ての人に」 日本の聖書普及事業150年で記念式典・レセプション

  • 教団・教派超えて神の平和求める 戦後80年で「日本国際朝餐祈祷会」初開催

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.