Skip to main content
2025年6月15日20時35分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
ルカ福音書を読む

ルカ福音書を読む(46)「最後の晩餐」―ユダにサタンが入る― 臼田宣弘

2023年2月22日13時31分 コラムニスト : 臼田宣弘
  • ツイート
印刷
関連タグ:ルカによる福音書レント(四旬節、大斎節、受難節)

本日2月22日は、2023年の灰の水曜日です。本日からレント(受難節)に入ります。教会暦で、イエス様の十字架への道をしのぶ季節です。当コラムでも本日から、イエス様の受難について伝えている22~23章を読みます。今回はその内、22章1~23節を読みます。

イスカリオテのユダにサタンが入る

サンセバスチャン教会(フランス)の壁画として描かれたフレスコ画
サンセバスチャン教会(フランス)の壁画として描かれたフレスコ画。イエスを裏切ったユダに銀貨が支払われている様子が描かれている。

1 さて、過越祭と言われている除酵祭が近づいていた。2 祭司長たちや律法学者たちは、イエスを殺すにはどうしたらよいかと考えていた。彼らは民衆を恐れていたのである。3 しかし、十二人の中の一人で、イスカリオテと呼ばれるユダの中に、サタンが入った。4 ユダは祭司長たちや神殿守衛長たちのもとに行き、どのようにしてイエスを引き渡そうかと相談をもちかけた。5 彼らは喜び、ユダに金を与えることに決めた。6 ユダは承諾して、群衆のいないときにイエスを引き渡そうと、良い機会をねらっていた。

イスラエルの人たちは、モーセを指導者としてなされた、出エジプトの出来事を大切にしています。神様がエジプトに対する最後の罰として、エジプト人の初子(ういご)を撃たれたときに、イスラエルの人たちは家の鴨居(かもい)に羊の血を塗っていたため、災いを免れました。それを記念して、1年に1度、夜に子羊の肉を食べるのが過越祭です。

イスラエルの人たちは、神様がエジプト人の初子を撃たれた夜にエジプトを脱出しました。脱出するときは、時間がなくて酵母を用意することができず、練り粉だけであったため、彼らは酵母の入っていないパンを焼きました。それを記念して、過越祭の日から7日間、酵母の入ったパンを食べずに、酵母の入っていないパンを食べるのが除酵祭です。除酵祭は本来、過越祭に続く1週間ですが、「過越祭と言われている除酵祭」とあるように、互いに組み込まれて一つの祭りとなっています。

イエス様がエルサレム神殿で教えられていたときに、除酵祭が近づいていました。この時、祭司長たちや律法学者たちは、イエス様を殺すにはどうしたらよいかを考えていました。一方、時を同じくして、イエス様の12弟子の1人のイスカリオテのユダの中にサタンが入りました。これは、ルカ福音書だけが伝えていることです。

このことは、イエス様が荒野で悪魔から誘惑を受けた後で、「悪魔はあらゆる誘惑を終えて、時が来るまでイエスを離れた」(4:13)とされていることを受けています。悪魔の誘惑の話は3つの共観福音書いずれにもありますが、悪魔が「時が来るまで」イエス様を離れたということは、ルカ福音書だけが伝えています。

20世紀のドイツの新約聖書学者ハンス・コンツェルマンは、悪魔がイエス様を離れた時からユダに再び入るまでのこの時を、「律法とイスラエルの時と、霊と教会の時との間の中間の時である」(コンツェルマン著『時の中心―ルカ神学の研究』49ページ)としています。この「中間の時」は、ルカだけが伝えている独自の概念です。

ユダに悪魔が入ったことは、イエス様や弟子たちが守られていた時間が過ぎ行き、現実の時間が戻ってきたことを意味しています。イエス様は宣教活動において、しばしば悪霊に取りつかれていた人から悪霊を追い出しました。それがそのままなされるのであれば、ユダからもサタンを追い出すことができたはずです。しかし、守られていた「中間の時」は終わりました。

ユダは、イエス様を殺害することを計画していた人たちに、どうやってイエス様を引き渡すかを相談に行きます。彼らはユダに金を渡す約束をし、ユダはイエス様を引き渡す機会をねらうことになります。

馬小屋へ、そして十字架へ

7 過越の小羊を屠(ほふ)るべき除酵祭の日が来た。8 イエスはペトロとヨハネとを使いに出そうとして、「行って過越の食事ができるように準備しなさい」と言われた。9 二人が、「どこに用意いたしましょうか」と言うと、10 イエスは言われた。「都に入ると、水がめを運んでいる男に出会う。その人が入る家までついて行き、11 家の主人にはこう言いなさい。『先生が、「弟子たちと一緒に過越の食事をする部屋はどこか」とあなたに言っています。』 12 すると、席の整った二階の広間を見せてくれるから、そこに準備をしておきなさい。」 13 二人が行ってみると、イエスが言われたとおりだったので、過越の食事を準備した。

イエス様が産まれた場所は、馬小屋といわれています。ルカ福音書2章7節に、「(赤子のイエス様を)布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである」とあることから、馬で旅をしていたであろうヨセフとマリアが、馬の中継所に宿泊したのではないかなどともされています。

このことは、パウロのフィリピ書の記述「キリストは、神の身分でありながら、神と等しい者であることに固執しようとは思わず、かえって自分を無にして、僕(しもべ)の身分になり、人間と同じ者になられました。人間の姿で現れ、へりくだって、死に至るまで、それも十字架の死に至るまで従順でした」(2:6~8)に一致すると思います。僕の身分になられたことの象徴が、馬小屋での誕生であったのです。

上記の聖句は、「十字架の死に至るまで」で結ばれています。つまり、馬小屋と十字架がセットになっているのが、この聖句なのです。私は、このこととルカ福音書の伝える事柄に、興味深い関係を見ています。それは、イエス様が馬小屋と十字架へ、同じ場所から向かわされているということです。

7~11節では、イエス様と弟子たちが過越の食事をするための部屋を、ペトロとヨハネが準備することが伝えられていますが、イエス様は2人に対して水がめを持った人に、「弟子たちと一緒に過越の食事をする部屋はどこか」と聞かせています。

この「部屋」という言葉のギリシャ語は、カタリューマといいます。一方、「布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである」の「宿屋」もカタリューマなのです。ルカ福音書では、この言葉はこの2箇所にのみ見られます。

片方で、そこから十字架へと向かわされることになる最後の晩餐を行った場所を伝えているカタリューマ(部屋)が、もう片方ではそこに泊まることができなかったために馬小屋へと向かわされたカタリューマ(宿屋)として伝えられているのです。このことを、フィリピ書の上記の言葉と並列させると、興味深く読ませられます。カタリューマは、イエス様が謙遜な姿へと向かわせられる場所なのです。

ペトロとヨハネは、水がめを持った人に連れられて行った場所で過越の食事の準備をしました。

最後の晩餐

ヤコポ・ティントレット「最後の晩餐」(イタリア・サントロバソ教会所蔵)
ヤコポ・ティントレット「最後の晩餐」(イタリア・サントロバソ教会所蔵)

14 時刻になったので、イエスは食事の席に着かれたが、使徒たちも一緒だった。15 イエスは言われた。「苦しみを受ける前に、あなたがたと共にこの過越の食事をしたいと、わたしは切に願っていた。16 言っておくが、神の国で過越が成し遂げられるまで、わたしは決してこの過越の食事をとることはない。」

17 そして、イエスは杯を取り上げ、感謝の祈りを唱えてから言われた。「これを取り、互いに回して飲みなさい。18 言っておくが、神の国が来るまで、わたしは今後ぶどうの実から作ったものを飲むことは決してあるまい。」

19 それから、イエスはパンを取り、感謝の祈りを唱えて、それを裂き、使徒たちに与えて言われた。「これは、あなたがたのために与えられるわたしの体である。わたしの記念としてこのように行いなさい。」 20 食事を終えてから、杯も同じようにして言われた。「この杯は、あなたがたのために流される、わたしの血による新しい契約である。

イエス様は、弟子たちとの「最後の晩餐」となる過越の食事をされます。そこでのイエス様の言葉が、その後のキリスト教の礼拝、すなわち聖餐式のもととなっています。ルカ福音書だけが、ぶどう酒について「わたしの血による『新しい契約』」としています。これには、旧約聖書のエレミヤ書31章31~34節にある「新しい契約」を想起させられます。

ユダを友とするイエス様

レオナルド・ダビンチ「最後の晩餐」(伊サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院所蔵)
レオナルド・ダビンチ「最後の晩餐」(伊サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院所蔵)。左から5番目に座っているのがイスカリオテのユダ。右手に銀貨30枚が入った袋が握られている。


21 しかし、見よ、わたしを裏切る者が、わたしと一緒に手を食卓に置いている。22 人の子は、定められたとおり去って行く。だが、人の子を裏切るその者は不幸だ。」 23 そこで使徒たちは、自分たちのうち、いったいだれが、そんなことをしようとしているのかと互いに議論をし始めた。

上掲のレオナルド・ダビンチの「最後の晩餐」には、銀貨の入った袋を手に持っているイスカリオテのユダが描かれています。この時にユダが既に銀貨を手にしていたのかどうかは聖書からは明らかではありませんが、ダビンチの描き方は秀逸だと思います。

イエス様は、ユダがご自分を裏切ることを知っていました。しかしそのユダに対して、「わたしと一緒に手を食卓に置いている」と言われています。ユダをご自身の友と見なしているのです。ヨハネ福音書は、イエス様が最後の晩餐の時、ユダに対して「しかし、『わたしのパンを食べている者が、わたしに逆らった』という聖書の言葉は実現しなければならない」(13:18)と言われたと伝えており、「わたしのパンを食べている者」と、やはりユダを仲間と見なしています。

こういったことが、聖書では伝えられているのです。それは、ユダの最後の裏切りの場面でもそのようになされます。(続く)

<<前回へ     次回へ>>

◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:ルカによる福音書レント(四旬節、大斎節、受難節)
  • ツイート

関連記事

  • ルカ福音書を読む(45)「復活についての問答」―サドカイ派の人々と― 臼田宣弘

  • ルカ福音書を読む(44)「エルサレム神殿において」―反対者たちとの対論― 臼田宣弘

  • ルカ福音書を読む(43)「エルサレム入場」―平和の王であるイエス様― 臼田宣弘

  • ルカ福音書を読む(42)「ムナの例え」―王の位を受けた主人とは誰か― 臼田宣弘

  • ルカ福音書を読む(41)「2人の徴税人の招き」―レビとザアカイ― 臼田宣弘

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(224)音楽が支える聖霊による祈り 広田信也

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 花嫁(27)絶えず喜んでいなさい 星野ひかり

  • ワールドミッションレポート(6月12日):ベルギーのために祈ろう

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.