Skip to main content
2025年6月15日20時35分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
ルカ福音書を読む

ルカ福音書を読む(41)「2人の徴税人の招き」―レビとザアカイ― 臼田宣弘

2023年1月18日10時57分 コラムニスト : 臼田宣弘
  • ツイート
印刷
関連タグ:ルカによる福音書臼田宣弘

今回は、5章27~32節と19章1~10節を読みます。ここでは、徴税人のレビとザアカイをイエス様が招いたお話が伝えられています。徴税人とは住民から税を徴収する人のことですが、当時は不正な取り立てが横行していたようです。そのため彼らは罪人と見なされ、ファリサイ派の人々や律法学者たちからは敬遠されていました。

徴税人レビが招かれる

5:27 その後、イエスは出て行って、レビという徴税人が収税所に座っているのを見て、「わたしに従いなさい」と言われた。28 彼は何もかも捨てて立ち上がり、イエスに従った。29 そして、自分の家でイエスのために盛大な宴会を催した。そこには徴税人やほかの人々が大勢いて、一緒に席に着いていた。30 ファリサイ派の人々やその派の律法学者たちはつぶやいて、イエスの弟子たちに言った。「なぜ、あなたたちは、徴税人や罪人などと一緒に飲んだり食べたりするのか。」 31 イエスはお答えになった。「医者を必要とするのは、健康な人ではなく病人である。32 わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招いて悔い改めさせるためである。」

フアン・デ・パレーハ「聖マタイの召命」(スペイン・ブラド美術館所蔵)
フアン・デ・パレーハ「聖マタイの召命」(スペイン・ブラド美術館所蔵)

イエス様がガリラヤにおられたときに戻って、このお話をお伝えします。マタイ福音書の並行箇所では、レビはマタイと呼ばれています。このマタイとは、ペトロやヤコブ、ヨハネと同じイエス様の12弟子の1人であるマタイです。したがってこのお話は、5章1~11節の、漁師であったペトロ、ヤコブ、ヨハネが、イエス様に招かれて弟子となったお話と同様の質を持っていると考えてもよいでしょう。

レビは収税所に座っていたとありますから、通行税を取る徴税人であったのでしょう。イエス様がレビを、「わたしに従いなさい」と招かれると、彼は何もかも捨てて立ち上がってイエス様に従いました。これは、ペトロたちが「彼らは舟を陸に引き上げ、すべてを捨ててイエスに従った」(5:11)とされ、それまでの漁師というアイデンティティーを捨てたのと同様に、レビが徴税人というアイデンティティーを捨ててイエス様に従ったことを意味するのだと思います。

レビは自分の家に、イエス様と他の徴税人たちを招き入れ、盛大な宴会を催します。イエス様はその後も徴税人や罪人たちと食事をされますが、レビの家での宴会はその最初のものとなります。レビは12弟子という、伝道者として召されたわけですが、他の徴税人たちをイエス様の元に連れてくるという、最初の伝道をここで行っているわけです。

しかし、それを見ていたファリサイ派の人々や律法学者たちは、弟子たちに対し「なぜ、あなたたちは、徴税人や罪人などと一緒に飲んだり食べたりするのか」と言います。こうした考えは、彼らが律法から導き出していた解釈であったのかもしれません。

しかし、イエス様はこれらの言い分を肯定されませんでした。彼らに、「わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招いて悔い改めさせるためである」とお答えになりました。「正しい人」とは、「自分を正しいとしている人」のことであろうと思います。

イエス様はファリサイ派の人々や律法学者たちの論理に否を唱え、その後も徴税人たちを自分の食卓に招きます。それは「神の国への招き」でもあります。

徴税人ザアカイが招かれる

19:1 イエスはエリコに入り、町を通っておられた。2 そこにザアカイという人がいた。この人は徴税人の頭(かしら)で、金持ちであった。3 イエスがどんな人か見ようとしたが、背が低かったので、群衆に遮られて見ることができなかった。4 それで、イエスを見るために、走って先回りし、いちじく桑の木に登った。そこを通り過ぎようとしておられたからである。5 イエスはその場所に来ると、上を見上げて言われた。「ザアカイ、急いで降りて来なさい。今日は、ぜひあなたの家に泊まりたい。」 6 ザアカイは急いで降りて来て、喜んでイエスを迎えた。7 これを見た人たちは皆つぶやいた。「あの人は罪深い男のところに行って宿をとった。」 8 しかし、ザアカイは立ち上がって、主に言った。「主よ、わたしは財産の半分を貧しい人々に施します。また、だれかから何かだまし取っていたら、それを四倍にして返します。」 9 イエスは言われた。「今日、救いがこの家を訪れた。この人もアブラハムの子なのだから。10 人の子は、失われたものを捜して救うために来たのである。」

ニルス・ラーセン・スティーブンス「キリストとザアカイ」(デンマーク・ランダース美術館所蔵)
ニルス・ラーセン・スティーブンス「キリストとザアカイ」(デンマーク・ランダース美術館所蔵)

このお話はルカ福音書に固有なものです。「善いサマリア人の例え」や「放蕩息子と兄と父の例え」など、ルカ福音書に固有なお話は、子どもたちが関心を寄せるものが多いと思います。ザアカイのこのお話も、子どもたちに喜ばれるものであり、紙芝居や絵本の題材にもなっています。

前述したレビの招きは、ガリラヤでの出来事でしたが、このザアカイの招きは、ルカ福音書に記されているエルサレムへの旅の中でも、最後の方に位置しています。エルサレムからそれほど遠くない、エリコという町での出来事です。この町にザアカイという、レビと同じ徴税人がいました。彼は「徴税人の頭」とあるように、徴税人の中でもリーダー格の存在だったようです。

冒頭で、徴税人の間では当時「不正な取り立てが横行していた」とお伝えしましたが、ザアカイはそんな徴税人たちの中でも、不正な取り立てを最も行っていた人ではなかったでしょうか。それ故に彼は、金持ちではありました。そのザアカイがイエス様に招かれたのです。

ザアカイの住むエリコに、イエス様がやって来ました。イエス様の周りには、たくさんの人が集まっていました。ザアカイは背が低かったので、群集の向こう側にいるイエス様を見ることができなかったのです。しかし、彼はイエス様を見たかったのでいちじく桑の木に上り、そこからイエス様を見ようとしました。

イエス様は木の上のザアカイを見つけます。ここを読むと、食べてはいけない実を食べてしまったアダムとエバが、木の陰に隠れたときに、神様が「どこにいるのか」と呼びかけられたことを連想します。神様の独り子であるイエス様は、私たちを捜し出そうとされるお方なのです。

ザアカイを見つけたイエス様は、「急いで降りて来なさい。今日は、ぜひあなたの家に泊まりたい」と言われました。ザアカイの置かれている立場を想像するとき、お金持ちではあったけれども、不正な取り立てをしていたが故に、町の人たちとの関係は良いものではなかったと思います。きっと寂しさを抱えていたことでしょう。

イエス様はそのザアカイに、「降りて来なさい」と言って招かれ、彼の家に泊まったのです。イエス様には弟子たちが一緒についていましたから、さぞかしにぎやかな一夜となったことでしょう。レビの家と同じように、宴会のようなひとときが持たれたのだと思います。イエス様がザアカイに対してなさったことは、レビに対するものと同じように、「神の国への招き」であったのだと思います。

しかし、それを見ていた人たちは、「あの人は罪深い男のところに行って宿をとった」とつぶやきます。イエス様は、レビの家で宴会に参加したときと同じようなことを、人々からつぶやかれたわけです。イエス様はそれに対して、「人の子は、失われたものを捜して救うために来たのである」と言われました。これは、レビの家で言われた「わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招いて悔い改めさせるためである」という言葉とよく似ています。

ルカ福音書における2人の徴税人の招きの出来事は、いろいろな面で共通していると思います。その招きが、今も私たちになされているのです。そして、「今日、救いがこの家を訪れた」というザアカイへ告げられたイエス様の言葉は、私たちへの言葉でもあるのです。(続く)

<<前回へ     次回へ>>

◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:ルカによる福音書臼田宣弘
  • ツイート

関連記事

  • ルカ福音書を読む(40)「イエス様に従った見えるようになった人」―エルサレムへの途上で― 臼田宣弘

  • ルカ福音書を読む(39)「富める議員」―永遠の命を受けるためには― 臼田宣弘

  • ルカ福音書を読む(38)「祈りについての2つの例え」―低みからの祈り― 臼田宣弘

  • ルカ福音書を読む(37)「クリスマスの出来事」―全ての人たちへの知らせ― 臼田宣弘

  • ルカ福音書を読む(36)「再び来たるイエス様を待ち望む」―アドベントの時に― 臼田宣弘

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(224)音楽が支える聖霊による祈り 広田信也

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • 花嫁(27)絶えず喜んでいなさい 星野ひかり

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • ワールドミッションレポート(6月12日):ベルギーのために祈ろう

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.