教会の「世代交代」をいかにスムーズに行うか ヒルソング教会の教育担当牧師が講演

2020年8月26日13時55分 印刷
+教会の「世代交代」をいかにスムーズに行うか ヒルソング教会の教育担当牧師が講演
ワーシップ&リーダーシップ・カンファレンスの分科会3で講演したロバート・ファーガソン牧師(画像:Zoomのスクリーンショット)

「ワーシップ&リーダーシップ・カンファレンス」(12~14日、ライブチャーチ寸座=静岡県浜松市)の2日目に行われた分科会3では、ヒルソング教会で30年以上奉仕しているロバート・ファーガソン牧師が教会の世代交代について語った。ファーガソン牧師は、同教会が生み出してきた数多くのワーシップソングの歌詞を神学的に監修するなど、教育担当牧師として同教会の神学的な側面を長年にわたって支えてきた。この日は、モーセとヨシュアの話から、世代交代におけるメンタリングの5つのポイントと、世代交代における5つのステップについて語った。

世代交代におけるメンタリングの5つのポイント

「世代間の変化は必ず起こるものです。しかし、世代交代におけるメンタリングは意図的に行うものです。私たちは次世代に対し、意図的にバトンを渡していかなければならないのです」。代々聖職者を輩出してきた家系に生まれたファーガソン牧師は、自身の信仰も祖先から受け継がれてきたものであると言い、詩編105編8節など、旧約聖書のさまざまな箇所から、神は「世代をまたぐ神」であることを説明した。

その上で「神様が皆さんに与えたものを次の世代に渡していかなければ、教会はなくなってしまいます。神様との約束を次世代に渡していくことは、皆さんの責任です」と強調。バビロン捕囚の出来事を継承がうまくいかなかった教訓として示し、世代交代をリレー競技にたとえながら、「いくらそれぞれが速くても、バトンを落とすとレースに負けてしまいます」と世代交代の大切さを語った。

ファーガソン牧師が世代交代におけるメンタリングの1つ目のポイントとして挙げたのは、「可能性を見いだす」。出エジプト記17章に記されたアマレクとの戦いでは、モーセは神の杖を持って丘の頂に立ち、戦いの間中手を上げ続けた。一方、自身の側に置いたのはアロンとフルで、弟子であるヨシュアは戦場に送った。ヨシュアに戦士としての優秀さを見いだしたからだ。神の杖を持って手を上げ続けたモーセと、戦場で戦ったヨシュアの姿は非常に対称的でもある。ファーガソン牧師は、信仰を継承する次世代は「皆さんと似た人ではありません。違う人です」と述べ、世代交代においてはまったくタイプの異なる人にバトンを渡していく場合もあることを説明した。

2つ目は「扉を開く」。イスラエルの民が荒野をさまよっていたとき、モーセは宿営の外に幕屋を張り、神の声を聞く場とした。一方、出エジプト記33章11節の記述からは、モーセがヨシュアを従者として幕屋に連れて行ったことが分かる。ファーガソン牧師はこの記述から、自分の弟子をさまざまな人に、また神の言葉へと取り次いでいくことを語った。

3つ目は「変化をリードする」。民数記11章には、70人の長老に霊がとどまり預言を語るようになった場面が記されている。この時、ヨシュアはモーセに「やめさせてください」と願うが、モーセは「わたしは、主が霊を授けて、主の民のすべてが預言者になればよいと切望しているのだ」と答える。これ以前はモーセのみを通して預言が語られており、これはイスラエルの民にとって大きな変化の時だったが、モーセがその変化を率先して導いていたことが分かる。

4つ目は「自分のものとするよう励ます」。モーセは、自身は入ることが許されていない約束の地カナンに、ヨシュアを含め各部族の代表12人を偵察に行かせている(民数記13章)。さらに、イスラエルの民全員の前でヨシュアに手を置いて祈り、後継者とする。ファーガソン牧師は、これらはカナンを手に入れるよう励ます行為であり、また神の祝福を与える行為だと説明。自身の経験などは与えることはできないが、手を置いて祈り、次世代に神の祝福を与えていかなければならないと語った。

5つ目は「退いて明け渡す」。ヨシュア記1章2節には、モーセが死んだ後に、神がヨシュアにヨルダン川を渡ってカナンに入るよう命じることが記されている。ファーガソン牧師は、自身は退き次世代に任せることは「非常に難しいこと」と言いつつも、「皆さんが明け渡さなければ、次の世代は遺産を受け継ぐことができないのです」と強調した。

教会の「世代交代」をいかにスムーズに行うか ヒルソング教会の教育担当牧師が講演
ファーガソン牧師が語った分科会3の様子=13日、ライブチャーチ寸座で

世代交代における5つのステップ

次にファーガソン牧師は、世代交代の5つのステップについて語った。

1つ目は「いずれ死ぬことを認める」。今年66歳だというファーガソン牧師。最近新車を購入したが、「これが最後の車になるかもしれない」と家族に話したという。家族はそのようなことを話すことは望まなかったが、「しかし、そう話すべきなのです。自分がいずれ死ぬことを認めなければならないのです」と言う。

2つ目は「チームを準備する」。次世代のために備えをしていく必要があるとし、英国のある教会を例に挙げた。その教会は、才能ある牧師により多くのクリスチャンが生まれ、非常に成長した。数千人が入れる大きな会堂も建てたが、ある時牧師が急死。次世代の育成をしていなかったため、牧師の死とともに教会は急激に縮小してしまったという。

3つ目は「残すものを計画する」。モーセは、カナンを受け継がせるためヨシュアたちに予め偵察に行かせるなど「未来に対する計画」を持っていた。ファーガソン牧師自身は、今後は講演活動などをできる限り控え、代わりに執筆活動に力を入れる計画だという。90歳まで生きながらえれば、70歳からの20年間で1年に1冊ずつ計20冊の書籍を出版する計画を持っていることを明かした。

4つ目は「清め直す」。ヨシュア記3章5節には、ヨルダン川を渡りカナンに入る前、ヨシュアがイスラエルの民に「自分自身を聖別せよ」と命じたことが記されている。ヨルダン川を渡ることは、それまで約40年にわたり荒野をさまよってきたイスラエルの民にとって、新しい未来に入る瞬間。「バトンを渡すとき、神様の御心を理解していないといけません」とファーガソン牧師は言い、世代が交代するとき「私たちはもう一度清め直さないといけないのです」と語った。

5つ目は「態度を変える」。荒野で約40年過ごした間、神は常に雲の柱、火の柱として見える形を取ってイスラエルの民を導き、日々の食糧として毎日マナを与えた。しかしヨルダン川を渡った後、雲の柱、火の柱として神が現れることはなくなり、マナも途絶えた。ファーガソン牧師は、このように世代間には必ず違いがあることを話し、「私たちが過去にしがみついていると、神様の働き方を見逃してしまいます。しかし神様はいずれの世代においても変わらずにおられ、働いている方なのです」と語った。

ヨシュア記5章13~15節には、ヨルダン川を渡った後、ヨシュアの前に剣を持った一人の男が現れたことが記されている。男は「わたしは主の軍の将軍である」と言い、ヨシュアに履き物を脱ぐように命じる。ヨシュアはそれに従い、そのとおりにした。ファーガソン牧師は、「良い知らせは、世代の移行期の向こう側にも神様がおられるということです」と説明。また、ヨシュアがモーセと同じく、主の前で履き物を脱いだ行為から、「彼は忠実な弟子だったのです」と強調。「しかし彼はモーセとはまったく違いました。だから世代間の変化はとても重要なのです」と述べ、世代間には違いがあることを繰り返し語った。

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■ ワーシップ&リーダーシップ・カンファレンス:(1)(2)(3)(4)

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