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平安を与える計画 穂森幸一(156)

2020年5月4日21時32分 コラムニスト : 穂森幸一
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関連タグ:穂森幸一新型コロナウイルス

わたしはあなたがたのために立てている計画をよく知っているからだ。――主の御告げ――それはわざわいではなくて、平安を与える計画であり、あなたがたに将来と希望を与えるためのものだ。(エレミヤ書29:11)

今、世の中のニュースは新型コロナウイルスに明け暮れています。非常事態宣言が出され、都市封鎖に近い現状で生活の不便を生じ、将来に不安を感じてしまい、心が重くなるのは当然です。この災いにより確実に世界は変わると思います。疫病のまん延を防ぐためにほとんどの国が鎖国政策をとっています。つい最近までグローバリゼーションが提唱され、ボーダーレス化が叫ばれていたのがうそのようです。この疫病が収束したら確実に世界は変わります。以前のような状態に戻ることはないかもしれないといわれます。それぞれの国が自国の安全と利益を最優先するようになり、ボーダーレス化にストップがかかると思います。

この疫病のために、子どもたちは学校へ行けなくなり、親たちは在宅ワークを強いられています。ストレスからコロナ離婚に至るケースもあるようです。しかし、この災いのおかげで親子の会話が増え、外食ではなく、家庭で食卓を囲むことで家族のだんらんを取り戻しているところもあります。在宅ワークが思ったよりもスムーズに進んだおかげで、ラッシュの中、電車通勤しなくてもいいのではないか、事務所は必要ないのではないかという考えに至り、不動産価格も下落するかもしれないという意見もあります。教会の礼拝に出席できないのは苦痛だという方もありますが、個人礼拝、家庭礼拝の原点に帰り、「ふたりでも三人でも、わたしの名において集まる所には、わたしもその中にいるからです」というキリストの言葉をかみしめる必要があります。

実は、この世界的な疫病は100年単位で発生しています。2020年の新型コロナウイルス(武漢肺炎)、1920年のスペイン風邪、1820年のコレラ、1720年のペストです。1820年にコレラが世界中にまん延したときは、鎖国をしていたはずの日本でも猛威をふるい江戸の町が悲惨な状況になっています。

この世界的疫病の終焉のあとは必ず復興特需が起こり、経済的にも復興しています。だから現状の重苦しさにとらわれるのではなく、アフターコロナに向けて前向きに取り組もうとする動きがあります。ある観光会社の社長は特需に向けて用意するときと捉えて、観光バスの点検と旅行コースの再設定に余念がありません。また、あるレストラン経営者は、客が少ないこの時期でなければできないからと新メニューの開発に挑戦しています。

この災いは物質文明のもろさを教えているのではないかと思います。もう一度心の問題に向き合うときであり、霊的に目覚めるときでもあります。米国では大統領が国民に祈るように訴え、多くの人々が道端でひざまずいて祈っています。

私はこのコロナショックを機に、神様が日本人に与えられている使命について考えてみてもいいのではないかと思います。

今から4千年前に神様はメソポタミア(シュメール)のウルにいたアブラハムをタガーマ州ハランまで導かれました。ハランで神様はアブラハムに直接語り掛け、召し出されました。そして、アブラハムを祝福し、大いなる国民とすることを約束されました。そして「地上のすべての民族は、あなたによって祝福される」(創世記12:3)という預言が示されました。アブラハムの子孫がヘブル人であり、イスラエルであり、ユダヤ人です。これらの人々が世界の祝福に関わっていきます。

アブラハムから千年の後、ダビデ王が登場し、堅固なイスラエルが築かれます。その息子、ソロモン王の時に繁栄を極めます。ソロモン王はアカバ湾で大船団を仕立て、インドやアジアの国々と交易をしていました。この頃から南インドにユダヤ人の町が出来ていたのは間違いないといわれています。インドの神話の中に旧約聖書と同じような物語があるのは当然のことだと思います。キリストの使徒トマスとバルテマイがインド宣教を目指したのは、そこに同胞がいたからに違いありません。

ソロモン王の死後、北王国イスラエルと南王国ユダに分裂します。まず紀元前722年に北王国がアッシリアに滅ぼされます。その時、10部族はアッシリア捕囚となりますが、後に東の島を目指して逃れていきます。その時に一部はソロモン時代から用いられていた交易船でインドを目指し、台湾、沖縄、鹿児島の笠沙、淡路島というルートで日本に到達したのではないでしょうか。また一部はシルクロードの民となり、中国、百済経由で東の国、日本を目指しました。南王国が紀元前598年にバビロニア捕囚となりますが、その時にも一部の人々はシルクロード沿いに逃れていきます。彼らは東の島国に渡り、理想の国家の建国を目指したといわれます。

こういう話をしますと眉唾ものとか、トンデモ説と主張される方がいらっしゃるのも承知しています。しかし、日本語の中に見られるヘブル語の痕跡や古墳から出土する遺跡を見るたびに、古代ユダヤ人の影響を考えてしまいます。AD70年にエルサレムが陥落した後、多くのユダヤ人原始キリスト教も東の島国を目指します。この時はシルクロード沿いに福音を宣教し、後の東方教会や景教の基礎となります。後に秦氏として大挙日本に訪れ、日本に技術革新をもたらしたとの説もあります。

実はDNAの研究をしている人の話では、日本人の40パーセントは古代ユダヤ人の血統の影響を受けているといわれます。現在イスラエルにいるスファラディ・ユダヤ人でも28パーセントの影響だといわれますから、かなり濃密な関係と見ることができるのではないかと思います。神道で行われている儀式や作法は北王国イスラエルで行われていたことと共通性があり、お祭りや社(やしろ)の建築にも類似性があります。日本の文化の中に見事に同化吸収されていますので、客観的な証拠はそろえにくいのですが、アブラハムの血が受け継がれていることは間違いなさそうです。

神様は一度選ばれた人々を決して見捨てたりなさることはありません。古代ユダヤ人が日本にたどり着き、同化したとするなら、その理由は東の果てに住む民族が祝福にあずかるためです。日本人に与えられている使命の一つは、国際的な機関の要職に就き、平安を与える計画に積極的に参与していくことだと思います。日本人として生まれた誇りを持って国際的な貢献をしていかなければなりません。

※古代日本とユダヤ人との関係に関する本コラムの内容は、あくまでも筆者の個人的な見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。

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◇

穂森幸一

穂森幸一

(ほもり・こういち)

1973年、大阪聖書学院卒業。75年から96年まで鹿児島キリストの教会牧師。88年から鹿児島県内のホテル、結婚式場でチャペル結婚式の司式に従事する。2007年、株式会社カナルファを設立。09年には鹿児島県知事より、「花と音楽に包まれて故人を送り出すキリスト教葬儀の企画、施工」というテーマにより経営革新計画の承認を受ける。著書に『備えてくださる神さま』(1975年、いのちのことば社)、『よりよい夫婦関係を築くために―聖書に学ぶ結婚カウンセリング』(2002年、イーグレープ)。

株式会社カナルファホームページ
穂森幸一牧師のFacebook

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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