中東ヨルダンで短期宣教、千葉の教会から11人 確かに芽生えた福音の種

2020年3月6日23時56分 記者 : 井手北斗 印刷
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ヨルダン現地の子どもたちと。右が豊田幹夫さん、左が村上則貴さん。「現地の子どもは明るく人なつっこい」という。

千葉栄光教会(千葉市中央区院内)の信徒ら11人が今年初め、中東のヨルダンを短期宣教で訪れた。まだ福音が伝えられていない地域の宣教に力を入れる超教派の宣教団体「インターコープ」が行っている活動の一貫で、日本人と韓国人によるチームが7日間にわたって宣教した。現地の言葉も分からず、何をするにも手探りの宣教旅行だったが、出会った現地人の中には、すでに信仰に導かれ救われた人も出ているという。

「海外宣教に行ったことで、何もできない自分を知った」 豊田幹夫さん

「最初は、海外に行くつもりはありませんでした。お金と時間がかかりますし、私には両方ありませんでした」。そう話すのは、宣教旅行の参加者の一人である豊田幹夫さん。50代後半でクリスチャンになった豊田さんは、建設現場の監督をしており、宣教旅行の日程はちょうど千葉県庁の改修工事の期間とかぶっていた。しかし第1期の工事が早く終わったことで、第2期の工事開始まで思わぬ時間ができた。経済的な必要も道が開かれ、障壁となっていた「お金と時間」の両方が解決されたことで、「神様に行きなさいと言われているように感じました」と言う。

「大きな恵みでした。純粋に宣教旅行に行きたいと願っただけで、神様は時に合わせて行かせてくださったのです」

ヨルダン現地では、千葉栄光教会に通う村上則貴さん夫妻と共に3人のグループになって活動した。滞在した7日間のうち、最初の2日間はホテル近辺で、次の3日間は比較的遠方にまで行き、福音を伝える機会を探した。6日目は、それまでに出会った人々の中で反応が良かった人を再度訪問。そして最終日は、イスラエルの民がエジプト脱出後に40年間さまよったとされるヨルダンの荒野を訪問した。

到着してすぐに、まずはインターコープのスタッフからアラビア語や地理に関する説明を受けた。そして、まるでイエスが12弟子を杖1本だけ持たせて宣教に派遣したように、必要最低限の所持金で町に出た。ホテルから出て向かった道路は、片道3車線の幅のある道路だったが、各車線を分ける白線や横断歩道はなく、信号もほとんど見当たらなかった。バス停があると言われていたが、どこにあるのか分からない。するとバスが一台走ってきて、運転手が、乗るのか乗らないのか尋ねるようなジェスチャーをしているのが見えた。手を上げてバスに乗り、ある場所で降りようと運賃を尋ねると、いらないと言われた。豊田さんたちが乗ったのはスクールバスだったのだ。

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難民学校も訪問しギターを教えた。

到着した場所は小さな市場。「商店街で宣教するといっても難しいのです。3人で誰かに会わせてくださいと祈りました」。大通りを通り過ぎて住宅街まで歩くと、日本に来たことがあるという老人に出会うことができた。老人はコーヒーを勧めてくれ、豊田さんたちは一緒にコーヒーを飲みながら、いろいろな話をすることができた。

別の日には、アッラーさんという若い母親と子どもが住む家を訪れた。水を飲みたいと言うと、家に入れてくれ、トイレも貸してくれた。差し出されたコップはみんなバラバラで、貧しい家庭であることは一目瞭然だったが、それでも外国からの突然の客に、親切に水を差し出してくれた。英語ができる村上さんがアッラーさんと話し、英語ができない豊田さんは、アッラーさんの子どもに折り紙を教えた。それほど長い時間いたわけではなかったが、帰り際には、まだ幼いアッラーさんの子どもが名残惜しむように3人を引き止めようとしたという。その翌日には、子どものためにお菓子を買い、インターコープのスタッフと共にアッラーさんの家を再び訪れた。この時も、アッラーさんの子どもは帰り際に大粒の涙を流して別れを悲しんだという。

宣教旅行の期間中は毎晩、各グループが経験したことを分かち合ったが、7日間の短い期間でありながら、こうした現地の人たちとの心触れ合う出会いを、他のグループもたくさん経験したという。

帰国後、豊田さんたちは奇跡のような話を耳にした。アッラーさんが、友達と教会に行く夢を見たことで実際に教会に行くようになり、イエスを信じるようになったのだ。さらに、アッラーさんを通して他にも人々が集まるようになってきているという。

中東ヨルダンで短期宣教、千葉の教会から11人 確かに芽生えた福音の種
難民学校では日本のうちわ作りも。

豊田さんは、別れ際に泣いたアッラーさんの子どものことを思い出しながら、7日間の宣教旅行を次のように振り返った。

「あの子は私に主の愛を感じさせてくれました。私に言えるのは、宣教旅行中、主が共におられたということです。海外宣教に行ったことで、自分が何もできないことを分からせていただきました。裸になるしかありません。準備していた期間にはいろいろな困難もありましたが、その中で神様は『私があなたをつくった』と言われました。私が生まれる前から、神様は私の創造を計画され、そして命を与えてくださったのです。そうであるなら、仕事も何も神様がひょいと取ったら全部なくなってしまいます。すべては神様の御手の中にあるのです」

「海外宣教とは、あえてポケットを空にして行く機会」 村上則貴さん

豊田さんと同じグループで活動した村上則貴さんは、5、6年前から妻と共に教会に通うようになった。千葉栄光教会は、韓国のメソジスト系教会が20年前に開拓して始まった教会で、今も海外から宣教師が多く来るという。「そういう人たちから海外宣教の話を聞いていると、自分の『網』を捨てて宣教し、神様に仕えなさいと言われているように思えました」。村上さんは、さまざまな仕事を経験してきたが、いずれの仕事にもやりがいを見いだせずにいたため、海外宣教への関心がますます高まっていったという。

しかし、海外宣教に行くにはまず経済的な問題がある。短期間ヨルダンに行くとしても、20万円は必要だった。またその間、会社も休まなければいけない。いろいろな壁が立ちはだかった。一人の宣教師からは「お金のことはとりあえず考えないでください。まずは宣教の働きに召されているという声を直接、神様から聞いてください」と言われた。そのような中、ある出来事がきっかけで、5、6年続けた仕事を辞めることになり、時間はできた。そして経済的な必要も、豊田さんと同じく何とか道が開かれ、用意することができた。

期待して向かったヨルダンではあったが、言葉も通じない異国の地であるため、思うようにいかないことも多かった。バス代や食事代などに使えるお金は予め決まっていたが、値段が分からないまま食べた昼食は想像以上に高く、タクシー代も割高で、3人で言い争いになってしまったという。そうしたとき、イエスの弟子たちが、誰が偉いかで論争していたことを思い出した。「私たちは食べ物のことで言い争い、まるで聖霊に満たされる前の使徒たちのようでした。しかし、そんな者でも神様は用いてくださるのです」

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現在のヨルダン川の洗礼場所。撮影はヨルダン側からで、対岸はイスラエルになる。

他にも所々で大なり小なりのトラブルがあったり、弱気になったりする場面もあったが、祈る度に神様はすぐにその祈りに応えてくださった。海外宣教の経験者からは、「行くなら、現地でイエス様に出会ってください。5感でイエス様を感じ、味わってください」と言われていたが、まさにそんな体験があった。

「その辺に自動販売機がある日本で飲み物を飲むために祈りますか? 道が分からなければ、祈るのではなく、スマホを出して調べるでしょう? お金や道具が悪いわけではないですが、神様よりも自分の力を優先することにもなり得ます。海外宣教とは、日本の暮らしの中では難しいこと、あえてポケットを空にして行く機会だと思うのです。すべての『網』を下ろし自分が無力になったとき、初めて導いてくださっている神様の力強い恵みを感じられます」

最後に村上さんは、祈りの課題を分かち合った。「アラブの人々が救われれば、それがイスラエルの人々の救いのために用いられます。だからこそアラブで多くの人が救われ、そして多くの宣教者が生まれるようお祈りください」

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