銃弾くい止めた聖書、命つないだ第1次世界大戦の兵士は宣教師に

2018年11月18日07時52分 印刷
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英国人兵士ジョージ・バイナル氏の写真と、同氏が家族に、聖書と銃弾と共に送った手紙(写真:英国聖書協会)
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第1次世界大戦で戦った兵士たちにとって、聖書は装備の中でも重要な役割を担っていた。死が間近に迫って来たとき、聖書は大きな意味を帯びた。

民間人を含め千数百万人の死者を出したとされる第1次世界大戦は今月11日、終結100周年を迎えた。英国聖書協会はその記念日に合わせ、聖書が前線部隊の兵士たちにとってどれほど大きな意味を持っていたかを紹介している。

第1次世界大戦では、欧州各地で大規模な塹壕(ざんごう)戦が展開され、ベルギー南部からフランス北東部にかけて構築された「西部戦線」は、大戦期間中、4年にわたる膠着(こうちゃく)が続いた。その西部戦線の塹壕で敵の戦火にさらされた英国人兵士ジョージ・バイナル氏は、間近に迫る死を経験した兵士の一人だ。バイナル氏が休息を取ろうと兵舎に入ると、一人の友人が近づいて来るのが見えた。バイナル氏が友人に声を掛けようと戸口に向かったその瞬間、兵舎に向かって数発の銃弾が打ち込まれ、バイナル氏は塹壕に向かって逃げ走った。

バイナル氏が兵舎に戻ってくると、10人ほどの兵士が負傷しており、そのうち2人は後に死亡した。バイナル氏は家族に1冊の小型聖書と3つの銃弾を送った。聖書は彼が上着のポケットに入れていたものだった。バイナル氏は手紙にこうしたためた。

「私たちが調べた限りでは、4発の銃弾が兵舎に打ち込まれた。1発は私が枕代わりにしていた装備の中に打ち込まれていた。もし友人が来ていなかったら、その1発は私の頭に命中していただろう。もう1発は床に打ち込まれていた。もし友人が来ていなければ、私はそこで横になっていただろう。3発目は見れば分かる通り、上着のポケットに打ち込まれていたが、聖書が(弾丸を)受け止めていた。4発目はギブソンの雨合羽を貫通していた。その雨合羽は、私の寝床の隣にある彼の寝床に掛けられていた。もし数秒前に彼が馬に乗ろうと立ち去っていなかったら、彼は寝床にいたはずだ。

分かると思うが、私たちが無事でいられたのはほんの数秒の違いからだ。前の手紙に『御手の内の守り』と書いたが、そのことの確かさを一刻も早く証明したかった。私がかすり傷一つ負わずに無事でいられるのは、そういう確かさのおかげなのだ」

弾弾くい止めた聖書、命つないだ第1次世界大戦の兵士は宣教師に
銃弾は旧約聖書のイザヤ書49章8節の箇所で止まっていた。(写真:同上)

バイナル氏の上着を貫通した銃弾は、旧約聖書のイザヤ書49章8節の箇所で止まっていた。そこには「わたしは恵みの時にあなたに答え、救いの日にあなたを助けた」と書かれていた。

手紙に「あなたたちに再会する日まで、主の真実がこれからもありますように。これが私の心からの祈りだ」と続けたバイナル氏は、その後も戦火を生き抜き、兵役を終えた後には宣教師となった。

英国聖書協会は、第1次世界大戦の間、80以上の言語で900万冊余りの聖書を英軍兵士や、至る所にいた捕虜たちに配布した。

塹壕の中では聖書が広く読まれた。特に兵士が負傷したり、死にかけたりしたときはそうだった。ダラム大学神学部のマイケル・スネイプ教授は次のように話す。

「兵士たちは重傷を負うと、胸のポケットから新約聖書を取り出して読むのが常でした。『ソンムの戦い』(第1次世界大戦最大の戦闘)の初日1916年7月1日に殺された兵士たちは、後に発見された際、その多くが(旧新約)聖書や新約聖書を手にしたまま死んでいました」

※この記事は英国クリスチャントゥデイの記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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