Skip to main content
2025年9月15日21時19分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 社会

元外交官の孫崎享氏「軍事で安全は確保できない」 日本友和会全国大会

2019年8月23日19時58分
  • ツイート
印刷
関連タグ:日本友和会(JFOR)ルーテル市ヶ谷センター
元外交官の孫崎享氏「軍事で安全は確保できない」 日本友和会全国大会+
講演する孫崎享氏=21日、ルーテル市ヶ谷センター(東京都新宿区)で

日本友和会の第69回全国大会が21~22日、ルーテル市ヶ谷センター(東京都新宿区)で開催された。初日には公開講演会が行われ、元外交官の孫崎享(まごさき・うける)氏が「軍事で安全は確保できない」と題して語った。孫崎氏は、外務省国際情報局長、駐イラン大使、防衛大学教授などを歴任。現在は、東アジア共同体研究所所長を務めている。この日は参加した約60人を前に、弾道ミサイルや核兵器のある現代においては、もはや軍事力では国は守れないと主張。米国の中国や北朝鮮に関する分析を例に取り上げながら、外交によって軍事衝突の可能性を排除していく必要性を訴えた。

孫崎氏は初め、弾道ミサイル防衛について取り上げた。孫崎氏によると、大陸間弾道ミサイルであれば、大型であるため、燃料の用意など発射までにさまざまな準備が必要で、事前に発射を把握しやすい。しかし、短・中距離弾道ミサイルの場合は比較的小型であるため、移動や隠秘がしやすく、発射を事前に知ることは難しいという。さらに、標的が軍事基地などではなく、都市部などであれば正確な着弾地点は分からない。そうすると、軌道計算ができないという。日本の場合、北朝鮮が弾道ミサイルを発射してくるとしても、使われるのは短・中距離弾道ミサイルとなり、都市部が標的とされた場合、迎撃は困難だとする考えを示した。

また、「弾道ミサイルの落下時の速度は秒速2千~3千メートルに上る。それを打ち落とせるわけがない」と言い、他のミサイル迎撃とは違うと説明。「基本的に軍事力で社会は守れないという時代が来ている」と語った。

次に日米安全保障条約について触れた。「多くの人は、安保条約により日本は守られていると思っているが、実は守られていない」と孫崎氏。同条約第5条には、次のように書かれているが、「自国の憲法上の規定及び手続に従つて」について、米国憲法では交戦権の発動は議会の決定に委ねられていると指摘。日本が武力攻撃を受けたとしても、米議会が拒否すれば「危険に対処する」行動は行われないと語った。

各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する。(日米安全保障条約第5条)

孫崎氏はまた、1971年に行われた米国のヘンリー・キッシンジャー大統領補佐官(当時)と、中国の周恩来首相(同)の秘密会談について言及。この会談の内容は後に機密解除され、書籍として出版されている。それによるとキッシンジャー氏は周氏に、米国が日本と共に戦うのは、自国の利益に合致した場合のみだと話しているという。

元外交官の孫崎享氏「軍事で安全は確保できない」 日本友和会全国大会
公開講演会の様子

では、軍事で安全を確保できないのであれば、どのようにして安全を確保するのか。孫崎氏は、キッシンジャー氏の『核兵器と外交政策』、また米国防省の「中国の軍事力に関する年次報告書」における、米国の外交戦略を紹介することで、そのヒントを示した。

孫崎氏によると、キッシンジャー氏は同著で、1)中小国が核兵器を保有すれば、それを用いることなく全面降伏することはない、2)しかし、その生存が脅かされるとき以外は核兵器を用いることはない、3)従って、核兵器を持つ中小国に対しては、軍事力でその国を破壊しないと約束することが重要――と主張しているという。「要するに、核兵器を持ったとしても、その国を管理することができると言っている」と孫崎氏。「北朝鮮に対し、国家ないし政権を破壊しないと約束すれば、北朝鮮が核兵器を使うことはない」と述べた。

また、米国防省は2009年の「中国の軍事力に関する年次報告書」で次のように分析しているという。

1)中国の指導者の戦略は根本的には共産党政権の永続化、2)そのためには国民の支持が不可欠、3)それには共産党賛美のイデオロギー政策や、日米を敵対視するなどの対外危機をあおる政策では不可能、4)経済を発展させ国民の生活向上を図るしかない、5)必然的に海外市場や資源・技術の確保をしなければならず、平和的な国際環境を臨むはず。

これらを紹介した上で孫崎氏は、日本の場合、集団的自衛権などがなければ、日本を攻撃してくる可能性があるのは、韓国、北朝鮮、中国、ロシアの4カ国に限られると言い、「この4つの国と仲良くしていれば、攻撃されることはない」と述べた。そして「戦争しないのは、戦争しない理由がある。今これらの国が日本を攻めてこないのは、攻めない方が利益があるから」と言い、周辺国と互恵的関係を築くことで戦争を回避する道を示した。

元外交官の孫崎享氏「軍事で安全は確保できない」 日本友和会全国大会
講演する孫崎氏

最後には、過去何世紀にもわたって戦争をしてきたのにもかかわらず、現在は友好関係を維持しているドイツとフランスの取り組みを紹介した。孫崎氏によると、第2次世界大戦以降に起こった戦争はいずれも、1)領土問題に起因する戦争、2)内戦、3)米国が民主化を掲げて起こす戦争――の3タイプに分類できるという。このうちドイツとフランスの間には、今でも戦争に発展し得る領土問題がまったく存在しないわけではない。

現在フランス領となっているアルザスロレーヌ地方は、同国北部にあるドイツ国境に接する地域。九州の半分弱ほどの大きさで、鉄鉱石や石炭などの産出地であるため、しばしば両国間の係争地となってきた。人口の約7割はドイツ語系で、孫崎氏は、ドイツが領有権を主張することもできそうだと話す。しかしドイツはそれをせず、同地方には現在、欧州連合(EU)の多くの機関があり、また紛争の要因となりかねない鉄鉱石や石炭は、EUの下で共同管理している。「今は協力関係があまりにも深化しているから、誰も両国が戦争するとは思わない」と言う。

孫崎氏はさらに、このような方法による紛争排除が、東南アジア諸国連合(ASEAN)でも実現できていると指摘。東アジアにおいても、EUやASEANのような協力組織を作ることができるのではないかと投げ掛けた。

講演後の質疑応答では、最近の日韓関係をめぐる情勢や、竹島、北方領土の問題、また米国の対イラン政策などに関する質問も出され、孫崎氏は時間が許す限り質問に答え、自身の見解を述べた。

日本友和会は、キリストの愛と赦(ゆる)しに基づき、武力ではなく、非暴力による和解実現を目指して1914年に設立された平和団体「国際友和会」の日本支部。国際友和会はオランダに本部があり、世界には日本を含め40余りの支部がある。会員からは、マーティン・ルーサー・キング牧師らノーベル平和賞受賞者を6人も輩出している。

関連タグ:日本友和会(JFOR)ルーテル市ヶ谷センター
  • ツイート

関連記事

  • カトリック正平協、日韓政府関係の和解に向けての会長談話を発表

  • 軍事境界線で米朝首脳会談、教皇が評価「平和に向けた一歩に」

  • 戦死者の上に軍事基地を作ることは冒とく 具志堅隆松さんが明治学院大で講演

  • 立教大でピエール・コネサ氏が講演 「ISの戦争と西欧有志国の軍事介入の結末」

  • 女性が政治や軍事的指導者になることは聖書に基づいているか

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 米保守派活動家で熱心なクリスチャンのチャーリー・カーク氏、イベント中に射殺される

  • キリスト教に回心したウィキペディア共同創設者、所属教会を発表

  • 主につながり、人々を主につなげよう 万代栄嗣

  • ワールドミッションレポート(9月15日):アンギラ 静かなる島に迫る変化と教会の使命

  • 新しい発見 佐々木満男

  • ワールドミッションレポート(9月14日):タイのリス族のために祈ろう

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • 米保守派活動家で熱心なクリスチャンのチャーリー・カーク氏、イベント中に射殺される

  • 「世界で最も優しい裁判官」 フランク・カプリオさん死去、敬虔なカトリック信者

  • キリスト教に回心したウィキペディア共同創設者、所属教会を発表

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • 石破茂首相が退陣表明、15年ぶりのクリスチャン首相

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(12)「苦しみ」から「光」へ 三谷和司

  • 新しい発見 佐々木満男

  • ワールドミッションレポート(9月15日):アンギラ 静かなる島に迫る変化と教会の使命

  • 「世界で最も優しい裁判官」 フランク・カプリオさん死去、敬虔なカトリック信者

  • 米保守派活動家で熱心なクリスチャンのチャーリー・カーク氏、イベント中に射殺される

  • 石破茂首相が退陣表明、15年ぶりのクリスチャン首相

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも

  • ウェールズ聖公会、首座主教にレズビアンの女性主教選出 保守派からは強い批判の声

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • 「信仰の実践としてのスピリチュアルケア」 オリブ山病院で第3回臨床牧会教育

  • キリスト教に回心したウィキペディア共同創設者、所属教会を発表

  • 花嫁(32)愛というレンズで 星野ひかり

編集部のおすすめ

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 「罪のない赤ちゃんを殺さないで」 東京でマーチフォーライフ、中絶の問題を訴え

  • 教育改革が「日本のリバイバルにつながっていく」 牧師の金子道仁参院議員が講演

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.