Skip to main content
2025年6月15日20時35分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
こころと魂の健康

こころと魂の健康(58)神の御心 渡辺俊彦

2018年1月9日07時59分 コラムニスト : 渡辺俊彦
  • ツイート
印刷
関連タグ:渡辺俊彦

私たちは、病気をすると症状にあった薬を処方されます。しかし、がんや難病の方々は長い病気との戦いに心身共に疲れてしまいます。そして、万能薬があったらと思うものです。私たちは、健康な時はさほど感じませんが、病気をしたり弱ったりすると、誰しも「万能薬があったら」と思います。

実は、教会には万能薬に匹敵する言葉があります。それは、教会で頻繁に使われている「神の御心です」という言葉です。特に、牧師は「神の御心です」という言葉を使うことが多いものです。つまり、牧師にとって困った時の常套句です。牧師だけではありません。多くのクリスチャンも「神の御心です」という言葉を使います。この言葉を使う場合、どんな状況があるでしょうか。観察してみると3つのパターンがあることが分かります。

第一は、日常の中で不条理と思われる病気やさまざまな出来事に対して使われることが少なくありません。私たちが、さまざまな出来事で悩み苦しんでいる人や不条理などを感じている人々に対して「神の御心です」と話すのは、相手に冷たさを感じさせてしまいます。適切な対応ができなくなり、回避する言葉として使用してしまっていることが少なくないということです。

それは、それぞれに起こっている出来事の深い意味を回避する言葉として使われているということでもあります。そのため、「まるで神様は私に対して無責任で非合理的な方、ひどい方」と言われているようなものです。そして、「祈りましょう」などという対応を取られると、「もう話しても無駄だ。話すのをやめよう」と思うものです。使い方を間違えると、結果的に人を抑圧したり、人との関係を断ち切ってしまうことになってしまう言葉でもあるということです。

第二は、牧師や指導者の思い願いを通そうとするときに使われることがあります。牧師や指導的な立場にある人から「神の御心です」という言葉を聞くと、反論などできないものです。なぜなら、反論することよって「あなたは不信仰だ」と評価されてしまうからです。そして、無謀にも盲目的な「服従」を求められることがあります。

友人の牧師は、某教会から招へいの話が先輩牧師から伝えられました。その時、先輩牧師から「これは神の御心だと思う」という言葉を聞きました。この言葉を聞いた友人は、「この招へいを受け入れないとあなたは不信仰だ」と言われているように感じたと言うのです。また、「教団の任命は神の任命だ」という理解も同じ構造を持っています。それだけ「神の御心です」は、使い方を間違えると人をコントロールする言葉になってしまうということです。

第三は、自分自身の思いや願い(欲求)を通そうとするときにも使うことがあります。このような人は、自分の思いや願い(欲求)を通すために「神の御心です」という言葉を使い、周囲を振り回します。そして、物事が願った通り進まないと沈黙し、何もなかったかのように振る舞います。また、勘違いだったと言う人もいます。

それは、うまく物事が展開しなかったことを周囲の人に責任転嫁し、責任を回避する行動でもあります。また、自分の人生で起こっている出来事など、自分自身に向き合う苦痛を感じたくない、責任を避けたいという行動だということです。

このように、「神の御心です」という言葉は、自分や団体の都合で自由自在に使用できる万能薬となっています。そして、まるで「すべての責任は神様にあるのです。私には責任はありません」と言っているようなものです。

私の母は、数年前に初雪の降った日、循環バスに後ろから追突され即死しました。何人かの人たちは精いっぱい慰めの言葉を掛けてくれます。その言葉の中に「神の御心だね」がありました。私には、違和感のある言葉と響きました。私たちが「神の御心です」と使うことができるのは、自分自身が出来事の深い意味を理解したときのみだと痛感しました。

聖書は、神の御心について何を言っているでしょうか。パウロは第一テサロニケ4章3節「神のみこころは、あなたがたが聖くなることです」と言っています。神様は、私たち一人一人が聖くなることを期待しておられます。聖くなることは、倫理道徳的に聖くなることではありません。十字架の恵みに応答し、イエス様にささげて生きることです。そして、人生の一つ一つの出来事に深く関わり、向き合って生きることです。主にささげる人生は決して、人生で起こる一つ一つの出来事を斜めから見るような生き方などしません。むしろ正面から向き合うものです。それだけ聖別とは、人生に深く関わることです。

私たちは、人生で起こる一つ一つの出来事(病気、失敗、失望、挫折、罪など)を体験すると悩み問います。これらは、自分ではコントロールできない出来事です。どんな問いでしょうか。「神はなぜこのような・・・」「神は存在するのか」などの神学的、哲学的問いです。なぜ悩み問うのでしょうか。神様は、私たちを操り人形に創造したのではなく、自由意思を与えておられるからです。だからこそ人間は、悩み苦しむ存在なのです。

神様は、私たちにとって一つ一つの出来事が理論的であろうがなかろうが、善であろうが悪であろうが、理屈に合っていようがいまいが、自分でコンロトールできないことに直面するように願っているのです。そして、一つ一つの出来事を乗り越え成長することを望んでおられるのです。

神様は、私たちが日常生活で経験する不条理、不確かさ、理不尽、フラストレーションなどと取り組むことを意図されています。ですから、神様は私たちが問う以上に、あなたが「人生に成功しましたか」ではなく、「人生の現実にどう直面し、向き合いましたか」を問うているのです。それは、私たちの生き方を方向づけることに深く関わっているからです。それだけ、神の御心は、私たちの日常の中にあるということです。

日常の一つ一つの出来事の深い意味を理解したとき、「神の御心」が分かるものです。そして、一つ一つの出来事を「神の御心」として主に明け渡すことができるようになるのです。また、日常で起こる出来事などをコントロールできない自分を知るとき、自分の意思で主に明け渡すことができるようにもなるのです。

神の御心に生きる者は、決して自分自身に固執しません。むしろ、神様にささげて生きる者に変えられるのです。そこに自由があります。

<<前回へ     次回へ>>

◇

渡辺俊彦

渡辺俊彦

(わたなべ・としひこ)

1957年生まれ。多摩少年院に4年間法務教官として勤務した後、召しを受け東京聖書学院に入学。東京聖書学院卒業後、日本ホーリネス教団より上馬キリスト教会に派遣。ルーサーライス神学大学大学院博士課程終了(D.Mim)。ルーサーライス神学大学大学院、日本医科大学看護専門学校、千葉英和高等学校などの講師を歴任。現在、上馬キリスト教会牧師、東京YMCA医療福祉専門学校講師、社会福祉法人東京育成園(養護施設)園長、NPO日本グッド・マリッジ推進協会結婚及び家族カウンセリング専門スーパーバイザー、牧会カウンセラー(LPC認定)。WHOのスピリチュアル問題に関し、各地で講演やセミナー講師として活動。主な著書に『ギリシャ語の響き』『神学生活入門』『幸せを見つける人』(イーグレープ)、『スピリチュアリティの混乱を探る』(発行:上馬キリスト教会出版部、定価:1500円)。ほか論文、小論文多数。

■ 上馬キリスト教会ホームページ
■ 上馬キリスト教会ツイッター
■ 【渡辺俊彦著書】(Amazon)
■ 【渡辺俊彦著書】(イーグレープ)

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:渡辺俊彦
  • ツイート

関連記事

  • こころと魂の健康(57)見過ごしていませんか 渡辺俊彦

  • こころと魂の健康(56)自己実現について 渡辺俊彦

  • こころと魂の健康(55)私の存在価値はどこから 渡辺俊彦

  • こころと魂の健康(54)躾(訓練)という名の人権侵害 渡辺俊彦

  • こころと魂の健康(53)成熟したパーソナリティーとは何か 渡辺俊彦

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(224)音楽が支える聖霊による祈り 広田信也

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • 花嫁(27)絶えず喜んでいなさい 星野ひかり

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • ワールドミッションレポート(6月12日):ベルギーのために祈ろう

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.