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こころと魂の健康

こころと魂の健康(57)見過ごしていませんか 渡辺俊彦

2017年12月8日22時52分 コラムニスト : 渡辺俊彦
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関連タグ:渡辺俊彦

最近、多くのクリスチャンたちの心の叫びに耳を傾けることが多い。その中で、共通の葛藤があることに気が付かされます。きっと昔も今も変わらない心の葛藤なのでしょう。多くのクリスチャンたちが抱えている心の葛藤、誰にも話せないまま悶々(もんもん)とした感情を抱きながら、時間だけが過ぎてしまったのかもしれません。あるいは、心の葛藤を抱えたまま「そういうものだ」として日々を過ごしてきたのかもしれません。

イエス様は、私たちの罪を赦(ゆる)すため、この世に来てくださいました。そして、私たちの罪の赦しのために十字架で死んで3日目に復活してくださいました。クリスチャンは、この聖書のメッセージを受け入れ、洗礼を通して神の共同体の一員とされた人たちです。私たちにとってこの出来事は、私の罪が赦され神様との破れが回復したということだけではなく、人間関係においても互いに赦し合うように招かれているということです。

しかし、私たちにとって互いに赦し合うことは大変なことです。私の母教会の牧師(既に召されている)が「人を赦すことは大変なことだ」と口癖のように言っていたことを思い起こします。事実、人を赦すことができないため、精神的、霊的に苦しみ、「赦さなければならないことは分かっているが赦せない」と訴える人が後を絶ちません。それだけ、他者を赦せない感情にとらわれ、自分を責め苦しんでいるクリスチャンが少なくないということです。

このような状況から分かることがあります。それは、私たちにとって「赦す」ということは、健全に生きるための基本的な原則だということです。私たちが互いに赦し合うことは、健康な人間関係に必要な部分です。それは、情緒的、霊的な安定にとって基本的なことだということです。

クリスチャンは、心から相手を赦さなければならない、と分かっています。にもかかわらず、赦せない否定的な感情が罪意識を感じさせ、自分を偽善者だとしてしまいます。マリアン・ウィリアムソンという人は、「赦すことは、必ずしもたやすいことではありません。時として、自分に傷を与えた人を赦すことは、自分が苦しんだ傷そのものよりも、より痛みを感じるものです。それでもなお、赦しのないところに平安はないのです」と言っています。本当に、人を赦すことは大変なことです。

さて、もっと深刻なことがあります。それは、他者を赦せない自分自身が赦せないという否定的な感情に支配されて苦しむクリスチャンが、少なくないということです。これは、他者を赦すということよりさらに難しいことです。クリスチャンの中には、なかなか人を赦すことができない苦しみと、人を赦すことができない自分を赦せない苦しみの、二重の苦しみを味わっている人が存在します。

現代は高齢化社会です。その背景には、嫁姑や実父母の関係から生じる問題が多々あります。そのため、意外と多い訴えには、「姑の言動を赦せない自分を赦せない」「実父母の言動を赦せない自分を赦せない」などがあります。そのために自分を責めて罪意識を感じ、精神的、霊的に不安定になっています。また、実父母が認知症になり介護に疲れ、「実父母の存在が赦せない。そう感じてしまう自分を赦せない」と苦しみ、罪意識が生じ、精神的、霊的に不安定になっている人も少なくありません。

若い人々の中には、成育歴の中で自分を傷つけ苦しめた人たちを赦せない自分に苦しんでいる人が少なくありません。もちろん、若い人たちに限ったことではありません。しかし、これらの訴えと苦悩は、クリスチャンだからこそだと思えてなりません。

このような訴えをする人々の心の内は不安定で、「赦さねばならない。しかし、赦せない」という葛藤と戦っています。このような心の葛藤との戦いは、特別なことではありません。誰しも家庭、友人、職場、教会などの人間関係の中で直面し、同じように否定的な感情、矛盾した感情、罪意識を感じて苦しむ可能性があります。決して人ごとでありません。このような姿は、多くのクリスチャンの内に見られる混乱した精神的、霊的な状態だと思うのですが、いかがでしょうか。

このような否定的な感情(怒りや敵意)や矛盾した感情などで苦しんでいると、「もう忘れなさい」「あなただけではないのよ」という対応をされることが少なくありません。そのため、自分に言い聞かせるように「忘れるように努力しています」と言う人がいます。ところが、忘れるように努力することそのものが苦悩となってしまうものです。なぜなら、忘れることができないからです。そのため、「忘れることにした」「忘れました」と自分自身に宣言する人がいます。

また、「悔い改めなさい」という対応をされることもあります。この対応によってますます罪意識が自分を苦しめてしまうことがあります。そこで、私たちが知っておかなければならないことがあります。それは、自分が否定的な感情(マイナスの感情)にコントロールされているという現実を知ることです。そして、自分の否定的な感情と素直に向き合い、取り組んでいくことです。その取り組む過程の中で赦せない否定的な感情が少しずつ消滅していきます。その結果、否定的な感情にどう対応し行動するかが分かってくるはずです。また、自分の素直な感情と向き合いながら、「罪は感情の中ではなく行動の中にある」ということを知るでしょう。

私たちが本当に人と自分を赦すことができたら、否定的な感情などは忘れることができるものです。しかし、赦しがないままで忘れようとしても、ちょっとしたことで思い出してしまいます。そして、私はあの事について「忘れたはずだったのに」と思うことが起こります。ですから、赦すことと忘れることは違います。むしろ、私たちにとって赦す行為は、1つの出来事だということです。

ルカの福音書には、「すると彼は答えて言った。『「心を尽くし、思いを尽くし、力を尽くし、知性を尽くして、あなたの神である主を愛せよ」、また「あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ」とあります。』イエスは言われた。『そのとおりです。それを実行しなさい。そうすれば、いのちを得ます』」(ルカ10:27、28)とあります。

イエス様は、「あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ」とおっしゃいました。隣人を自分のように愛するようになるためには、「自分を赦す」ことが必要です。ここから、神様の豊かな恵みが溢れ流れます。そして、イエス様は「それを実行しなさい」ともおっしゃるのです。これは、勧めではありません。イエス様の命令です。それは、私たちが「いのちを得る」ためです。生き生きとした人生を恵みによって生きるためです。私たちは、自分自身の心の奥底にある否定的な感情に気付きたいものです。

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◇

渡辺俊彦

渡辺俊彦

(わたなべ・としひこ)

1957年生まれ。多摩少年院に4年間法務教官として勤務した後、召しを受け東京聖書学院に入学。東京聖書学院卒業後、日本ホーリネス教団より上馬キリスト教会に派遣。ルーサーライス神学大学大学院博士課程終了(D.Mim)。ルーサーライス神学大学大学院、日本医科大学看護専門学校、千葉英和高等学校などの講師を歴任。現在、上馬キリスト教会牧師、東京YMCA医療福祉専門学校講師、社会福祉法人東京育成園(養護施設)園長、NPO日本グッド・マリッジ推進協会結婚及び家族カウンセリング専門スーパーバイザー、牧会カウンセラー(LPC認定)。WHOのスピリチュアル問題に関し、各地で講演やセミナー講師として活動。主な著書に『ギリシャ語の響き』『神学生活入門』『幸せを見つける人』(イーグレープ)、『スピリチュアリティの混乱を探る』(発行:上馬キリスト教会出版部、定価:1500円)。ほか論文、小論文多数。

■ 上馬キリスト教会ホームページ
■ 上馬キリスト教会ツイッター
■ 【渡辺俊彦著書】(Amazon)
■ 【渡辺俊彦著書】(イーグレープ)

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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