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不条理なる死を不可知の光で中和せよ

都合の悪いお言葉(その2) マルコ福音書10章1~12節

2025年11月6日10時51分 コラムニスト : 藤崎裕之
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関連タグ:マルコによる福音書結婚藤崎裕之
不条理なる死を不可知の光で中和せよ―キリスト教スピリチュアルケアとして―(87)+

不条理なる死を不可知の光で中和せよ―キリスト教スピリチュアルケアとして―(87)

※ 前回「都合の悪いお言葉(その1)」から続く。

私たちは頑固である。とイエスは言われた。確かにその通りなのであるが、心のかたくなさと離婚問題は、どのような関係があるのだろうか。ファリサイ派によると、モーセの律法は「離縁状を書いて離縁する」ことを許しているらしい。どこにそのように書いているのかは、私には分からない。

離婚の相談を受けた経験がないから、聖書が離婚についてどのように語っているのかを真剣に考えことはない。強いて言えば、今回取り上げた聖書の箇所は離婚問題の一つの答えかもしれないが、イエスの言わんとするところは、離婚の是非ではないようにも思える。

イエスは離婚が許されるかどうかを問題にしているのではない。イエスが最初に指摘したのは、私たちの頑固さであり、「あなたがたの心がかたくななので、モーセはこのような戒めを書いたのだ」と言っている。この場合、イエスが言われる心のかたくなさとは何であろうか。

私は離婚の是非は問いたくない。もちろん、60数年生きてきたのだから、身近な人の離婚を経験している。その中にはキリスト教徒も多くいる。キリスト教徒の離婚に関しては、「信仰的にどうなのか」という思いが頭をよぎることはある。離婚に至る事情はさまざまであるから、こちらからその理由を深く聞き出すわけにはいかない。間違っても「信仰的にはどう思ったのか」と質問できるわけがない。無理な話だ。

ある人が、「別れたいと思ったら、もうその気持ちを抑えきれなくなって、その状態で数年過ごしただけで10年分は老いた気がした」と話すのを聞いたことがある。一緒にいたくない人間と一緒にいるというのは、ものすごくつらいものだ。「嫌だ」という気持ちが「憎しみ」に変わっていくとしたら、そういう自分にやるせなさを感じるに違いない。離婚したいという気持ちを正当化したくもなる。それでも離婚は正当ではない。正当ではないが、結果として誰にでもあり得ることだと私は思うし、致し方なしとしてしまうのが、私たちの頑固さというものではないだろうか。

イエスはまた、「天地創造の初めから、神は人を男と女とにお造りになった」と言っている。男と女という時点で、性はもう既に多様なのである。私は現代のジェンダー論は吐き気がするくらい大嫌いだ。しかし、現代流のジェンダー多様性を受け入れない人間はまさに悪とされる。特に私がかつて属した教団ではずっと嫌な思いをしてきた。「性別は男と女だけではない。多様なのである」。まあ、確かにそうなのかもしれないが、私には男と女だけでも十分多様である。天地創造以来ずっと人間は多様なのだ。私には「それ以上のことは知らん。理解する能力がない」としか言いようがない。

その男と女に創造された「人」が父母を離れて結ばれる。誰が結ぶのか。それは神である。「神が結び合わせてくださったもの」であるから、人はそれを離してはならないとイエスは言われる。2人は別々ではなく一体であるのは、神が結び合わされたからだ。

結婚したときは神が結び合わせてくれた、と多くの人はそう信じて感謝する。神が結び合わせてくれたものであっても、最終的に決断をするのは人間である、と考える人もいるだろう。私はそちらに近い考えだ。結婚自己責任論者と呼ばれるべきかもしれない。自己責任論の悪い点は「結ばれる決断をしたのが人間ならば、その人間によって離縁が決断されるのも致し方なし」と考えることである。あるいは、結婚とは両性の同意によるものであるから、どちらかの同意がなくなれば継続は不可能であるのは当然であると……。

ファリサイ派との議論が終わり、家に戻ってからイエスは弟子たちに話された。「妻を離縁して他の女と結婚する者は、妻に対して姦淫(かんいん)の罪を犯すことになる。夫を離縁して他の男と結婚する者も、姦淫の罪を犯すことになる」。久しぶりにイエスのこの言葉を読み返して、少し背筋がゾッとした。私のキリスト教徒の友人には再婚者がたくさんいる。いや、全くもってイエスのこの言葉を離婚経験者に語らなければならないとしたら、全くそれは都合が悪い。

離婚も、なおさら再婚もお認めにならないようにしか思えないイエスの言葉は、現代社会にとってはめちゃくちゃ都合が悪い。それでも、離婚や再婚、同性婚や多重婚も当たり前のように受け止められる現代社会にとって、このイエスの都合の悪い言葉も時々は思い返された方がよい。罪は罪なのだ。罪を犯さざるを得ないのであっても罪は罪で、それは決して「許されている」ものではなく、恐らく最もふさわしい言葉があるならば、それらは私たちの「頑固さの結果」でないのか。もちろん、私には誰かを裁く権利もなければ、そんな立場にもない。ただただ自分自身も含めて神の憐(あわ)れみを願うのみである。

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◇

藤崎裕之

藤崎裕之

(ふじさき・ひろゆき)

1962年高知市生まれ。明治から続くクリスチャン家庭に育つ。88年同志社大学大学院神学研究科卒業。旧約聖書神学専攻。同年、日本基督教団の教師となる。現在、日本基督教団隠退教師、函館ハリストス正教会信徒。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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