Skip to main content
2025年12月21日22時35分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
不条理なる死を不可知の光で中和せよ

都合の悪いお言葉(その2) マルコ福音書10章1~12節

2025年11月6日10時51分 コラムニスト : 藤崎裕之
  • ツイート
印刷
関連タグ:マルコによる福音書結婚藤崎裕之
不条理なる死を不可知の光で中和せよ―キリスト教スピリチュアルケアとして―(87)+

不条理なる死を不可知の光で中和せよ―キリスト教スピリチュアルケアとして―(87)

※ 前回「都合の悪いお言葉(その1)」から続く。

私たちは頑固である。とイエスは言われた。確かにその通りなのであるが、心のかたくなさと離婚問題は、どのような関係があるのだろうか。ファリサイ派によると、モーセの律法は「離縁状を書いて離縁する」ことを許しているらしい。どこにそのように書いているのかは、私には分からない。

離婚の相談を受けた経験がないから、聖書が離婚についてどのように語っているのかを真剣に考えたことはない。強いて言えば、今回取り上げた聖書の箇所は離婚問題の一つの答えかもしれないが、イエスの言わんとするところは、離婚の是非ではないようにも思える。

イエスは、離婚が許されるかどうかを問題にしているのではない。イエスが最初に指摘したのは、私たちの頑固さであり、「あなたがたの心がかたくななので、モーセはこのような戒めを書いたのだ」と言っている。この場合、イエスが言われる心のかたくなさとは何であろうか。

私は離婚の是非は問いたくない。もちろん、60数年生きてきたのだから、身近な人の離婚を経験している。その中にはキリスト教徒も多くいる。キリスト教徒の離婚に関しては、「信仰的にどうなのか」という思いが頭をよぎることはある。離婚に至る事情はさまざまであるから、こちらからその理由を深く聞き出すわけにはいかない。間違っても「信仰的にはどう思ったのか」と質問できるわけがない。無理な話だ。

ある人が、「別れたいと思ったら、もうその気持ちを抑えきれなくなって、その状態で数年過ごしただけで10年分は老いた気がした」と話すのを聞いたことがある。一緒にいたくない人間と一緒にいるというのは、ものすごくつらいものだ。「嫌だ」という気持ちが「憎しみ」に変わっていくとしたら、そういう自分にやるせなさを感じるに違いない。離婚したいという気持ちを正当化したくもなる。それでも離婚は正当ではない。正当ではないが、結果として誰にでもあり得ることだと私は思うし、致し方なしとしてしまうのが、私たちの頑固さというものではないだろうか。

イエスはまた、「天地創造の初めから、神は人を男と女とにお造りになった」と言っている。男と女という時点で、性はもう既に多様なのである。私は現代のジェンダー論は吐き気がするくらい大嫌いだ。しかし、現代流のジェンダー多様性を受け入れない人間はまさに悪とされる。特に私がかつて属した教団ではずっと嫌な思いをしてきた。「性別は男と女だけではない。多様なのである」。まあ、確かにそうなのかもしれないが、私には男と女だけでも十分多様である。天地創造以来ずっと人間は多様なのだ。私には「それ以上のことは知らん。理解する能力がない」としか言いようがない。

その男と女に創造された「人」が父母を離れて結ばれる。誰が結ぶのか。それは神である。「神が結び合わせてくださったもの」であるから、人はそれを離してはならないとイエスは言われる。2人は別々ではなく一体であるのは、神が結び合わされたからだ。

結婚したときは神が結び合わせてくれた、と多くの人はそう信じて感謝する。神が結び合わせてくれたものであっても、最終的に決断をするのは人間である、と考える人もいるだろう。私はそちらに近い考えだ。結婚自己責任論者と呼ばれるべきかもしれない。自己責任論の悪い点は「結ばれる決断をしたのが人間ならば、その人間によって離縁が決断されるのも致し方なし」と考えることである。あるいは、結婚とは両性の同意によるものであるから、どちらかの同意がなくなれば継続は不可能であるのは当然であると……。

ファリサイ派との議論が終わり、家に戻ってからイエスは弟子たちに話された。「妻を離縁して他の女と結婚する者は、妻に対して姦淫(かんいん)の罪を犯すことになる。夫を離縁して他の男と結婚する者も、姦淫の罪を犯すことになる」。久しぶりにイエスのこの言葉を読み返して、少し背筋がゾッとした。私のキリスト教徒の友人には再婚者がたくさんいる。いや、全くもってイエスのこの言葉を離婚経験者に語らなければならないとしたら、全くそれは都合が悪い。

離婚も、なおさら再婚もお認めにならないようにしか思えないイエスの言葉は、現代社会にとってはめちゃくちゃ都合が悪い。それでも、離婚や再婚、同性婚や多重婚も当たり前のように受け止められる現代社会にとって、このイエスの都合の悪い言葉も時々は思い返された方がよい。罪は罪なのだ。罪を犯さざるを得ないのであっても罪は罪で、それは決して「許されている」ものではなく、恐らく最もふさわしい言葉があるならば、それらは私たちの「頑固さの結果」でないのか。もちろん、私には誰かを裁く権利もなければ、そんな立場にもない。ただただ自分自身も含めて神の憐(あわ)れみを願うのみである。(終わり)

<<前回へ     次回へ>>

◇

藤崎裕之

藤崎裕之

(ふじさき・ひろゆき)

1962年高知市生まれ。明治から続くクリスチャン家庭に育つ。88年同志社大学大学院神学研究科卒業。旧約聖書神学専攻。同年、日本基督教団の教師となる。現在、日本基督教団隠退教師、函館ハリストス正教会信徒。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:マルコによる福音書結婚藤崎裕之
  • ツイート

関連記事

  • 私の名を使って(その1) マルコ福音書9章38~41節

  • イエスが自分にしてくださったこと マルコ福音書5章1~20節

  • 天に上げられた ルカ福音書24章50~53節

  • 復活はないのか(その1) マタイ福音書28章

  • 罪とは都合の良い言葉である(その1) マルコ福音書14章27~31節

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • シリア語の世界(39)マル・マリの働き②土地を耕し種をまき、収穫を得よ 川口一彦

  • ニカラグア、入国者の聖書の持ち込みを禁止

  • 英聖公会の聖職者ら約700人がカトリックに、この30年余りで 女性司祭導入後に急増

  • ワールドミッションレポート(12月21日):南米の霊的乾燥地帯―世俗化著しいウルグアイ

  • 聖心女子大学と鹿児島純心女子中学・高校が協定締結 共にカトリック系

  • 第4回ローザンヌ世界宣教会議で発表の「ソウル声明」 日本語版が公開

  • ワールドミッションレポート(12月19日):インドネシアのマンガライ人イスラム教徒のために祈ろう

  • 給食で子どもたちに笑顔と教育の機会を 最貧国マラウイを支援する「せいぼじゃぱん」

  • 『幸福論』 カール・ヒルティが贈る聖書を土台とした人生論

  • 2025年に最も人気のあった聖句はイザヤ書41章10節 この6年で4回目

  • 英聖公会の聖職者ら約700人がカトリックに、この30年余りで 女性司祭導入後に急増

  • 給食で子どもたちに笑顔と教育の機会を 最貧国マラウイを支援する「せいぼじゃぱん」

  • 聖なる励まし 穂森幸一

  • 綱渡りのような人生 菅野直基

  • 『幸福論』 カール・ヒルティが贈る聖書を土台とした人生論

  • 第4回ローザンヌ世界宣教会議で発表の「ソウル声明」 日本語版が公開

  • 元阪神マートンさんが来日ツアー「クリスマスの贈り物」 関西学院大でトークイベントも

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(237)聖霊による傾聴活動は日本社会を覚醒する(後編) 広田信也

  • キリストの死によって与えられる新しいいのち 万代栄嗣

  • 元阪神マートンさんが来日ツアー「クリスマスの贈り物」 関西学院大でトークイベントも

  • 2025年に最も人気のあった聖句はイザヤ書41章10節 この6年で4回目

  • 英聖公会の聖職者ら約700人がカトリックに、この30年余りで 女性司祭導入後に急増

  • 「神の霊によって、主はこの国を造り替えられる」 日本リバイバル同盟が「祈りの祭典」

  • 【書評】鶴見太郎著『ユダヤ人の歴史―古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで』

  • 日本聖書協会が恒例のクリスマス礼拝、聖書普及事業150年を感謝しコンサートも

  • 英国で「路傍伝道者憲章」 相次ぐ街頭説教中の逮捕受け

  • 京都ノートルダム女子大学、次期学長に酒井久美子氏 学生募集停止の来年4月から

  • 東洋英和女学院大学、次期学長に藁谷友紀氏

  • ニカイア公会議1700周年を記念、開催の地で一致求め祈る 教皇や全地総主教らが参加

編集部のおすすめ

  • 「神の霊によって、主はこの国を造り替えられる」 日本リバイバル同盟が「祈りの祭典」

  • 15人の演者でマルコ福音書を再現、観客をイエスの物語に引き込む「マルコドラマ」

  • 全ての人に福音伝えるための「イエスのモデル」 WEA総会でリック・ウォレン氏が講演

  • 「神の言葉を全ての人に」 日本の聖書普及事業150年で記念式典・レセプション

  • 教団・教派超えて神の平和求める 戦後80年で「日本国際朝餐祈祷会」初開催

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.