Skip to main content
2025年11月22日12時52分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
不条理なる死を不可知の光で中和せよ

十字架を背負う(その1) マルコ8章31節~9章1節

2025年11月22日10時49分 コラムニスト : 藤崎裕之
  • ツイート
印刷
関連タグ:マルコによる福音書藤崎裕之
不条理なる死を不可知の光で中和せよ―キリスト教スピリチュアルケアとして―(88)+

不条理なる死を不可知の光で中和せよ―キリスト教スピリチュアルケアとして―(88)

キリスト教徒は自らの十字架を背負わなければならない。自らの十字架であって、イエスが背負った十字架ではない。などということは口にすべきではない。なぜかと言えば、イエスの十字架と自らの十字架は別物だと考えるとしたら、それは恐らく、イエスと自分を引き離すことになるからだ。イエスが背負ったほどの十字架ではないとしても、イエスと無縁な十字架になってはならないのだ。

イエスは自らの受難を弟子たちに告知した。大変に有名な箇所だ。受難告知だと教わったが、実際には復活についても話されていることを見逃してならない。このように書くと「受難と復活、どっちがメインですか」と聞かれるが、受難のない復活はないし、復活のない受難もあり得ない。

復活がなくても「神の子の自己犠牲」ならあり得るのではないかと思われがちだが、果たして十字架の死は自己犠牲であったのか断定できない。イエスは、長老、祭司長、律法学者たちから排斥されて殺されると語ったのであって、自ら進んで犠牲になったとは言い難いような気もする。

聖書を区切り区切りで読んでいると、ついつい全体の流れを見失うことがある。この場面は、山上の変容の前に位置している。イエスがペトロ、ヤコブ、ヨハネを連れて高い山に登り、そこでこの世のものとも思われないほどに光り輝いたという出来事である。素直に読めば、神の栄光に包まれ、まさに神秘をまとったということになる。すると、雲の中から「これは私の愛する子。これに聞け」という声が響きわたったのである。

この出来事の後、イエスは3人の弟子を連れて山を降りるのであるが、その途中でこのように告げている。「人の子が死者の中から復活するまで、今見たことを誰にも話してはならない」と。つまり、山上の変容は死者の中からの復活が先取りされているのである。

このように受難告知から山上の変容へとその流れを見ていくと、やはり復活がメインなのではないかと思える。しかもそれは、ただ単に死者が復活するということではなく、光り輝く姿になって復活するということが重要なのであって、来たるべき時にわれわれ自身もよみがえるということが先取りされているのである。そうでなければ、われわれ自身が十字架を背負う意味がなくなるからだ。

さて、受難を告知するイエスの言葉を聞いたペトロは、イエスを脇に連れていき、いさめ始めた。イエスのどの発言についていさめたのか。ずっと、イエスが排斥されて殺される、つまり十字架の受難についてだと理解していた。しかし、よく考えてみると、イエスが受難死することなのか、あるいは祭司長たちから排斥されて殺されることなのか、はたまた復活することなのか、三通りの理解の仕方があることに気が付いた。恐らく、これら全てが含まれるのであろうが、私が興味あるのは、ペトロがどう理解していたかということだ。イエスの言葉を聞いたペトロの心境を知りたいわけである。もちろん、それは不可能であるのだが。

イエスが死んでしまう、そんな事実を語ってほしくない。ユダヤの宗教指導者たちがイエスを迫害して殺してしまう、そんな恐ろしいことは言ってほしくない。死者が復活する、そんなおとぎ話的な話は聞きたくない。さて、ペトロはどう思っていたのであろうか。

ユダヤの宗教指導者への不満や批判というのは、当時の人々にとってもある程度は共感し得るものだったのかもしれない。まあ、どの時代もそういうものだ。だからと言って、彼らが人をあやめる存在だと宣言するのは、言い過ぎだといえなくはない。事実としては、イエスの十字架において現実のことになるのではあるが、それでもイエスの発言が火に油を注いだような気もする。ペトロには、そういう危機感があったのかもしれない。

師が自らの死を予告するというのは、弟子にとってはつらいことだし、それを否定するのも弟子としてのお作法なのだといえば、その通りだろう。「私たちの前でそんな弱気なことを言わないでください」的なことは、私も言いかねない。

死者が復活する。これは誰が聞いても不思議というか、付き合いきれない話ではある。付き合いきれない話を繰り返し聞かされるのが、キリスト教の真髄ではあるが、確かに誰もがちょっと戸惑う。恐らく、その戸惑いがなくなったときこそ、信仰的な危機が訪れるのである。(続く)

<<前回へ

◇

藤崎裕之

藤崎裕之

(ふじさき・ひろゆき)

1962年高知市生まれ。明治から続くクリスチャン家庭に育つ。88年同志社大学大学院神学研究科卒業。旧約聖書神学専攻。同年、日本基督教団の教師となる。現在、日本基督教団隠退教師、函館ハリストス正教会信徒。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:マルコによる福音書藤崎裕之
  • ツイート

関連記事

  • 都合の悪いお言葉(その1) マルコ福音書10章1~12節

  • 私の名を使って(その1) マルコ福音書9章38~41節

  • イエスが自分にしてくださったこと マルコ福音書5章1~20節

  • 天に上げられた ルカ福音書24章50~53節

  • 復活はないのか(その1) マタイ福音書28章

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • チャーリー・カーク氏が殺害された大学で伝道集会、2100人以上が信仰を決心

  • 15人の演者でマルコ福音書を再現、観客をイエスの物語に引き込む「マルコドラマ」

  • 映画「ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師」 「信仰と抵抗」の生涯描く

  • 主が導きと助け 菅野直基

  • 十字架を背負う(その1) マルコ8章31節~9章1節

  • 武装集団がカトリック神父の住居を襲撃、神父ら数人拉致し1人殺害 ナイジェリア

  • ヒンズー民族主義者による迫害続くインド 宣教師のバス襲撃、キリスト教住民を村八分

  • ワールドミッションレポート(11月20日):サウジアラビア 閉ざされた王国に差し込む福音の光

  • ワールドミッションレポート(11月21日):バングラデシュ ローンプログラムを通して宣教拠点に変えられた家屋

  • 最高に良いものを実現するために 万代栄嗣

  • オリンピックでメダル12個獲得の米競泳選手が受洗、離婚訴訟と依存症克服のさなかで

  • 映画「ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師」 「信仰と抵抗」の生涯描く

  • 15人の演者でマルコ福音書を再現、観客をイエスの物語に引き込む「マルコドラマ」

  • 聖心女子大学で企画展「カトリックは日本社会の窓だった!」

  • チャーリー・カーク氏が殺害された大学で伝道集会、2100人以上が信仰を決心

  • 武装集団がカトリック神父の住居を襲撃、神父ら数人拉致し1人殺害 ナイジェリア

  • 日本キリスト教団出版局、事業を整理・縮小へ 5月に債務超過

  • AIは福音宣教の未来をどのように形づくるか ローザンヌ運動が福音主義の視点で考察

  • Gゼロ時代の津波石碑(7)Y染色体アダムと自己を措定した力 山崎純二

  • ヒンズー民族主義者による迫害続くインド 宣教師のバス襲撃、キリスト教住民を村八分

  • オリンピックでメダル12個獲得の米競泳選手が受洗、離婚訴訟と依存症克服のさなかで

  • 日本キリスト教団出版局、事業を整理・縮小へ 5月に債務超過

  • 映画「ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師」 「信仰と抵抗」の生涯描く

  • メル・ギブソン監督「パッション」続編がクランクイン、キャスト一新でイエス役も新俳優

  • 15人の演者でマルコ福音書を再現、観客をイエスの物語に引き込む「マルコドラマ」

  • 【書評】加藤喜之著『福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会』

  • 「電波宣教師」の尾崎一夫氏死去、短波ラジオ・HCJB日本語放送に60年以上従事

  • カンタベリー大聖堂の「落書き」プロジェクトに批判の声

  • 聖心女子大学で企画展「カトリックは日本社会の窓だった!」

  • ワールド・ビジョンがクリスマスキャンペーン、教会で酒井美紀さん登場のコンサートも

編集部のおすすめ

  • 全ての人に福音伝えるための「イエスのモデル」 WEA総会でリック・ウォレン氏が講演

  • 「神の言葉を全ての人に」 日本の聖書普及事業150年で記念式典・レセプション

  • 教団・教派超えて神の平和求める 戦後80年で「日本国際朝餐祈祷会」初開催

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.