Skip to main content
2025年6月15日20時35分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 文化

天正少年使節の千々石ミゲルの墓続報 出土の歯は25~45歳女性 、ミゲルの妻のものか

2017年11月27日07時32分
  • ツイート
印刷
関連タグ:隠れキリシタン
天正少年使節の千々石ミゲルの墓続報 出土の歯は25~45歳女性 、ミゲルの妻のものか+
発掘された24本の歯(上顎13本、下顎11本)(写真:発掘調査実行委員会提供)

織田信長の治世、ローマに派遣された天正少年使節の1人、千々石(ちぢわ)ミゲル。その墓とみられる石碑(長崎県諫早〔いさはや〕市)の発掘調査を行った民間の実行委員会(会長・立石暁長崎総合科学大理事長)は12日、「出土した骨や歯が女性のものの可能性が高い」と、専門家による鑑定結果を明らかにした。石碑にはミゲル夫妻とみられる戒名と没年月日などが刻まれていることから、実行委は「ほぼ同時期に亡くなったミゲルの妻のものではないか」と考えている。

発掘調査は8月から9月にかけて行われ、人の骨や歯が石碑の土台下にあった空洞から発見された。実行委に鑑定を依頼された分部(わけべ)哲秋・長崎医療技術専門学校長(形質人類学)によると、骨は1人のもので、上下のあごと左耳付近の側頭部、大腿骨、すねの一部と確認された。歯は24本(上顎13本、下顎11本)で、歯の形状や大きさ、摩耗具合などから、25~45歳の中年女性と推定した。

骨や歯と一緒に、「ロザリオ」(カトリックの祈りの時に使う数珠状の道具)とみられる直径2~5ミリの穴あきのガラス玉なども発見されたが、その59個のうち5個は鉛ガラス、それ以外の玉と半円形のガラス片はソーダ石灰ガラスと分析された。

天正少年使節の千々石ミゲルの墓続報 出土の歯は25~45歳女性 、ミゲルの妻のものか
地下レーダー探査結果(写真:発掘調査実行委員会提供)

今回は石碑の右側の空洞が発掘されたが、地下レーダー探査により、その左隣に別の空洞が見つかっている。石碑には右に「自性院妙信霊」という女性の戒名が記され、左に「本性院常安霊」とあることから、左側の空洞にミゲルが埋葬されている可能性があるとして、実行委は今後の調査が必要と訴えた。

天正少年使節の千々石ミゲルの墓続報 出土の歯は25~45歳女性 、ミゲルの妻のものか
(写真:発掘調査実行委員会提供)

4人の少年使節の中でミゲルはただ1人、キリスト教信仰を捨てたとされてきたが、キリシタンだったことを示す副葬品が出てきたこの墓がミゲル夫妻のものだとすれば、その通説は覆されることになる。

千々石ミゲル(1569頃~1633年?)は、日本初のキリシタン大名大村純忠のおい(父親が純忠の兄)。11歳の頃、洗礼を受けて「ミゲル」(ポルトガル語で天使ミカエル)の洗礼名を名乗り、同年、神学校「有馬セミナリヨ」で学び始めた。

1582年、信長の治世でキリシタンが優遇される中、巡察師ヴァリニャーノが日本宣教の成果を直接伝えるためローマに使節を送ることを提案。九州のキリシタン大名、大友宗麟や大村純忠、有馬晴信の名代(みょうだい)として、セミナリヨで学ぶ者の中から4人の少年が選ばれた。伊東マンショ(主席正使)、千々石ミゲル(正使)、原マルチノ(副使)、中浦ジュリアン(副使)である。

しかし、出国した年に本能寺の変で信長が没すると、豊臣秀吉が天下を取り、1587年、大村純忠と大友宗麟が相次いで死去した直後にはバテレン追放令を出すなど、日本のキリシタンを取り巻く状況は激変していた。そんな中にある90年、ミゲルら4人は帰国したのである。

その後、ミゲルらは天草に戻ってコレジオ(高等神学教育機関)で勉学を続け、93年には共にイエズス会に入会した。しかし、1601〜03年の間(04年以降、名簿から削除されている)にミゲルはイエズス会を脱会し、名前も千々石清左衛門と改めている。

これまで、その晩年は謎に包まれていた。そのミゲルの生涯に新たな光を当てたのが、ミゲルの石碑を発見し、調査を続けてきた大石一久さん(大浦天主堂キリシタン博物館副館長)だ。ミゲルは棄教していなかったと考えた大石さんは、ミゲルの行動を詳細に追った。そして2015年、その研究成果を著書『天正遣欧使節 千々石ミゲル―鬼の子と呼ばれた男』(長崎文献社)としてまとめ、「ミゲルは修道会からは脱会したが、信仰そのものを捨てたわけではなかった」という説を打ち出した。

――大石さんはカトリックの信者ですか。

私は仏教徒(禅宗)です。ただ、所属宗教と歴史学という科学的研究とはまったく別物と考えています。

――千々石ミゲルが棄教したという通説を覆す調査を続けられている理由は何ですか。

棄教したという通説を覆すために研究してるわけではありません。それは結果論です。十数年前、『千々石ミゲルの墓石発見』という本を書いた際、これまでの棄教説では説明できない部分があり、そこを調べていくうちに、ミゲルの棄教に疑問を持ちました。と同時に、これまでのキリシタン史研究の在り方にも疑問を持ちました。

――千々石ミゲルはどんな信仰者だったと思われますか。

イエズス会をはじめ、当時のヨーロッパ修道会によるインカルチュレーション(文化受容)の精神を欠いた布教の在り方に真摯(しんし)に疑問を抱いた人物だったと考えています。つまりミゲルは、「宗教の普遍性はいかにして民衆のものになるのか」を絶えず問い続けた人物だと考えています。

――今回の調査に至るまでのご苦労、そして今後のことを教えてください。

卑近な話ですが、いかに発掘費用を捻出するかにありました。ただ、周囲の皆さんのご理解で、予想以上の募金が集まり、また実行委員会の皆さんの熱意に感謝しています。今回の第3次発掘調査で出土した墓壙(ぼこう)はミゲルの妻(後妻)のものと考えており、ミゲル本人の墓壙はその左側にあるものと考えています。実際、レーダー探査でも反応があり、また今回の発掘調査で出土した礫(れき)の広がりから、左側にもう1つの墓壙がある可能性が高まってきました。そのため、次年度に発掘を実施するか、現在、模索中です。

――この墓がミゲルのものであり、キリシタンとしての副葬品があれば通説は覆ります。この墓がミゲルのものとする論拠は。

伊木力墓所がミゲル夫妻の墓であること示す資料は、墓碑自体に刻まれた銘文などの情報が最大で最高の資料であり、発掘に伴う遺物はあくまでも補強資料です。この伊木力墓所をミゲル夫妻墓所と特定した理由については、2005年に発刊した拙著『千々石ミゲルの墓石発見』で詳細に述べています。7つの条件(「千々石玄蕃により墓石を建塔されるべき夫妻」「墓所伊木力」「法華宗(日蓮宗)」「朝長・淺田氏との関係」「自證寺との関係」「没年寛永9年」「戒名(自性院妙信・本住院常安)」)を満たす夫妻は、千々石ミゲル夫妻(清左衛門夫妻)しか存在しないことから特定しました。「ミゲルはイエズス会は脱会したけれど棄教はしていなかった」という点は、今回の墓壙(妻)からキリシタン遺物のみが出土したことから、ほぼ裏付けられたと考えています。次年度以降にミゲル本人の墓壙と思われる部分を掘り、そこから何が出るのか分かりませんが、期待しているところです。

――最後に、読者にメッセージをお願いします。

「宗教の普遍性はいかにして民衆のものになるのか」という問いをぜひ考えてほしいと思います。ミゲルの人生は、どんなバッシングにも負けずに、最後まで信仰の本質を追い求めた人物だと考えています。そこには組織を超えて宗教の本質に迫ろうとする人間としての在り方が強く示唆されています。宗教に絡んだ世界規模でのテロ事件や紛争が毎日のごとく報道されていますが、この時代こそ宗教が持つ限りない本来のエネルギーに立ち返るべきではないでしょうか。

関連タグ:隠れキリシタン
  • ツイート

関連記事

  • 天正少年使節の千々石ミゲルは棄教しなかった? 墓からロザリオとみられるガラス玉などが出土

  • 牧師の小窓(104)雲仙・長崎 キリシタンの旅・その20 天正遣欧少年使節の帰国後 福江等

  • 牧師の小窓(103)雲仙・長崎 キリシタンの旅・その19 天正遣欧少年使節団の教皇謁見 福江等

  • 牧師の小窓(102)雲仙・長崎 キリシタンの旅・その18 天正遣欧少年使節 福江等

  • 天正遣欧使節の絵、教皇グレゴリウス13世子孫宅で発見

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(224)音楽が支える聖霊による祈り 広田信也

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • 花嫁(27)絶えず喜んでいなさい 星野ひかり

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • ワールドミッションレポート(6月12日):ベルギーのために祈ろう

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.