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『現代文化とキリスト教』(1)「カトリックの移民支援の重層性」白波瀬達也氏

2017年1月24日14時11分 記者 : 土門稔
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関連タグ:カトリック教会白波瀬達也キリスト新聞社
『現代文化とキリスト教』(キリスト新聞社)+
『現代文化とキリスト教』(2016年、キリスト新聞社)

本書は関西学院大学キリスト教と文化研究センターの研究プロジェクト「現代文化とキリスト教」での7つの発表が収められているが、神学ではなく宗教社会学者による2つの発表が特に現代社会におけるキリスト教に関する重要な研究と思われるので、ご紹介させていただきたい。

カトリック教会の移民支援の重層性

白波瀬達也氏(関西学院大学社会学部准教授)はこれまで、宗教社会学者として、日本最大の日雇い労働者の街である大阪西成での、キリスト教会のホームレス支援活動について多角的に研究を重ねており、『宗教の社会貢献を問い直す ホームレス支援の現場から』(ナカニシヤ出版)などの著作がある。本紙でも2015年に書評とインタビューを掲載した。

【関連記事】
■ 『宗教の社会貢献を問い直す』(1)キリスト教の釜ヶ崎ホームレス支援の現場調査から見えたものとは?
■ 『宗教の社会貢献を問い直す』(2)著者インタビュー 宗教社会学者・白波瀬達也氏

白波瀬氏の研究に通底しているのは、キリスト教(宗教)が社会の中でどのように働いているかという“宗教の公共性”のフィールドワーク研究と言うべきものであり、本報告はホームレス支援活動を経て、新たに日本のカトリック教会が、増加する移民支援にどのように取り組んでいるかというテーマについて行っている調査研究の概論といえる。

日本におけるニューカマー移民の増加

日本では1990年代以降、移民が増加している。いわゆる「ニューカマー」と呼ばれる人々だ。フィリピン、バングラデシュ、ベトナムなどアジア地域のほか、イランなど中東、さらにブラジルなど南米からやって来る人々の数は右肩上がりだ。これは1989年に「出入国管理及び難民認定法」が改正され、日系3世までが合法的に日本での就労が認められ、ブラジルなど南米からの「デカセギ」が増加したことなどが理由にある。

1990年末に約108万人だった外国人登録者数は、2014年末には約212万人となり、人口比でも1・67パーセントを占めるようになった。

移民の増加は、新しい文化、生活が入ってくることであり、それはまた「宗教」にも当てはまる。実際、日本では近年、キリスト教やイスラム教の教会や集まりが、精神的な安定とともに相互扶助的なコミュニティーとしての役割を果たすようになっているという。

しかし、自治体や市民による外国人住民支援や、社会学的な考察の中で、これまで宗教組織についてはあまり着目されていなかったと白波瀬氏は指摘し、その中で最大かつダイナミックに“新しくやって来た外国人の人々”への取り組みを展開しているカトリック教会に着目している。

カトリック教会とニューカマー

それは、カトリック教会の信徒構成にもすでに大きな影響を与えているという。統計では日本のカトリックの名古屋、横浜、さいたま、京都教区ではすでに、外国人信徒が日本人信徒の数を超えるようになっているという。また日本人の信徒が著しく高齢化しているのに対し(日本のキリスト教全ての教派に共通しているが)、移民の信徒は若年層が多い。教会を支える信徒層としてその比重はこれからも高まり続けるのは間違いない。

2014年の日本の国籍別在留外国人の上位5位は、中国、韓国・朝鮮、フィリピン、ブラジル、ベトナムとなっているが、フィリピンとブラジルは国民の多数をカトリック信者で占める国であり、ベトナムは仏教国であるがフランス植民地だった歴史からカトリック信徒が多い。

現在、カトリックやキリスト教はすでに欧米の信徒数よりも、アジア・南米の信徒数のほうが多い、「第3世界の宗教」であると語られるようになっているが、その波が日本にも影響していると著者は指摘している。

カトリック教会の移民支援

日本のカトリック教会では、司教協議会の常設機関の委員会として「日本カトリック難民移住移動者委員会」が設置されているが、移民支援が本格化したのは1970年代のインドシナ難民支援がきっかけであり、その後、滞日アジア女性の人権擁護や、労働問題、国際結婚などの問題に対応するべく活動を拡大してきた歴史があるという。

具体的な活動支援では「教区」「小教区(教会)」「修道会」が役割分担をしながら重層的な移民支援を行っているのが特徴だ。札幌・さいたま・東京・横浜・名古屋・大阪・福岡の各教区には支援センターが置かれ、専従職員による専門的対応が行われており、大阪大司教区の社会活動センター「シナピス」では、年間588件、280人に相談が行われている(2013年度)という。

相談内容は、入管、行政、医療、教育、労働、仮放免支援、裁判支援、生活保護手続き支援、病院の付き添い支援などと幅広く、専門的な対応が必要なケースでは、行政や社会福祉協議会、移民・難民支援を行うNGO・NPOなどと連携しながら活動しているという。

一方、小教区(教会)では、司祭・修道女・信徒が、生活に近い現場(前線)で重要な働きをしているという。カトリック浜松教会では、リーマン・ショック後の南米系移民の困難に対し、失業保険などの各種手続き支援、育児相談、住宅相談、就職相談などの支援を行い、また500世帯以上の家庭への食糧支援や、100人を超えるブラジル人の子どもたちへの就学支援を行い、20人の子どもたちが日本の公立学校に入学・編入することができたという。

移民増加と新しい教会の形

白波瀬氏は、このような活動が可能な理由として、カトリックが物資を国内外のネットワークから集めることと、ポルトガル・スペイン語など外国語と日本語を使え、公的扶助につなげていくことができる人材・組織があることを挙げている。

また、支援を通して浜松教会では、国籍を超えた相互交流が活発化し、教会の一体感を深めたとも報告している。

最後に著者は、これらの事例を紹介した上で「社会が宗教組織をソーシャルキャピタル(社会的資本)として多文化共生社会の担い手と認知すること」の重要性を指摘している。行政や、国際交流協会、社会福祉協議会、NPO・NGOなどの公共性の高い組織が、宗教組織との協働を深めていくことが、「多文化共生」を促進し、共に作り上げていく、と指摘しているのだ。

近年、宗教学、さらにキリスト教会では、「社会の中にあってどのように働くか?」という「公共性」の議論や活動が盛んだ。この傾向は一層強まっていくことは間違いない。しかし、それは「まさに今起きつつある活動」であるが故に、残念ながらいまだ神学のテーマとしての研究はほとんど存在しない。

その意味で本報告は約30ページほどの短い報告だが、宗教社会学者からの継続的な研究は、これからの日本の社会と教会の未来の1つの在り方を示す貴重な報告といえる。白波瀬氏の今後の研究の広がりを、ぜひ期待したい。(続きはこちら>>)

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『現代文化とキリスト教』(2016年、キリスト新聞社)

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