震災から7カ月を迎えた11日、東京都内の教会で午後7時から祈祷会が開かれ、教派を超えてキリスト者が集まり、被災地復興のために祈りを捧げた。世界福音同盟(WEA)親善大使でカナダ・ティンダル大学名誉学長のブライアン・スティラー氏も出席し、「日本の教会を祝福したい」と挨拶した。また、「世界中のキリスト者が3月11日のあの日から毎日のように、みなさん一人ひとりを覚えて祈っています」と励ました。
この日は、宮城県多賀城市の保守バプテスト同盟塩釜聖書バプテスト教会牧師の大友幸一氏が講演した。大友氏は、同教会の復興支援プロジェクト「ホープみやぎ」の活動と9月に宮城県で発足した宮城宣教ネットワークの働きを報告した。
大友氏は、震災一週間後から国内外のボランティアを教会で受け入れ、被災地の復興支援を続けてきた。被災した家や避難所を巡回し、清掃活動や物資配布、炊き出し、コンサートなどを行っている。活動を通して関わりができたある地域では、子どもたちのための集会を毎週開くようになったほか、ある幼稚園には教会から英語教師を派遣している。大友氏は、「(震災前と比べて)教会と地域との壁がなくなった」と語る。
大友氏は、これまで多くの教会がなおざりにしてきた社会奉仕(ソーシャルミニストリー)の働きが震災を通して活性化された一方で、本来、車の両輪のようにバランスよく活性化すべき伝道(エバンジェリズム)の働きが社会奉仕に追いついていなかったと指摘した。実際に、キリスト教援助団体の関わった地域では、支援活動を通して地元住民ら数十人が新しく信仰を持ったと報告を受けたが、近くに教会がないという。
宮城宣教ネットワークは、そのような被災地の現状に危機感を持った地元の牧師らが中心となって立ち上げた。支援活動を通して新しく信仰を持った人々を、地元の教会が連携して継続的にフォローアップできる体制を整えていこうとしている。
大友氏は特に、新しく信仰を持った人を育て、その人の家に教会を生み出す「家の教会」形成を提唱し、実践している。初代教会の伝道方式に倣ったもので、5月にはこの研究で米国のルサーライス神学校から博士号を取得した。
宣教ネットワークでは、宮城県を5つのブロックにわけ、ブロックごとに2人の世話人を立てたほか、5つのブロック合同の伝道集会を定期的に開催するなどの中長期的な活動プランも計画している。被災した地域だけでなく、やがては全国にネットワークを広げていきたい考えだ。
「ホープみやぎ」では支援金とボランティアの参加を呼び掛けている。年内には、教会の隣にボランティアセンターを建てたいと計画している。センターが完成すれば、長期間の支援活動が可能になる。地域に仕えることを通して、継続可能な新しい教会の働きや次世代のリーダーたちも育てていきたいという。
郵便振替の振込先は「塩釜聖書バプテスト教会」(口座番号02280・8・7239)、備考欄に「復興支援」と明記。銀行口座は、ゆうちょ銀行・二二九店(229)当座0007239「塩釜聖書バプテスト教会」、または七十七銀行・下馬支店(店コード307)口座番号9062726「塩釜聖書バプテスト教会代表役員 大友幸一」。問い合わせは、メール([email protected])まで。
次回の祈祷会は、11月11日(金)午後7時から東京都新宿区百人町1丁目17-8の淀橋教会で開かれる。参加無料。講師は、日本べテル・ミッション陸前高田キリスト教会牧師の森田為吉氏。賛美ゲストは、日本育ちの韓国ゴスペルシンガーのアイ・アリー(I.Ary)。
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