東日本大震災から半年の11日、東京都内の教会で午後6時から祈祷会が開かれ、教派を超えて約170人のキリスト者が被災地復興のために祈りを捧げた。自らも被災しながら被災地で支援活動を続ける宮城県栗原市の保守バプテスト同盟イエス・キリスト栗原聖書バプテスト教会牧師の岸浪市夫氏が講演し、苦悩する被災者に向かう神の慈愛を訴えた。
祈祷会は震災1カ月後の4月11日、日本プロテスタント宣教150周年記念大会の実行委員らが呼び掛けて第1回が開催され、その後は毎月11日に東京都内の教会で行われている。被災した教会の牧師を毎回講師に迎えるほか、キリスト教救援団体が被災地での活動を報告している。今回で6回目を迎えた。
日本人24人を含む約3千人の死者を出した米同時多発テロから10年の節目にもあたるこの日は、はじめに参加者全員でテロの犠牲者のために黙祷を捧げた後、中東和平、内戦や貧困問題の早期解決、北朝鮮の解放などの題目を挙げ、世界の平和のために祈りを捧げた。
3月11日、栗原市も震度7の大きな揺れに見舞われた。教会の建物は無事だったが、震災後1週間はインフラが途絶し、電気も使えなかった。3月17日にようやく電気が復旧したときには、家族全員で喜んだ。
しかし、寒さに苦しむ避難所の人々の姿をテレビで見たとき、じっとしてはいられなかった。「神様、私をつかわしてください。私がここにおります」と祈り、副業で販売していた展示車両からガソリンを抜き取って支援物資を運ぶ車、十数台の燃料とした。そして翌日から、避難所に支援物資を届ける毎日が続いた。支援の輪はそこから広がり、いまでは栗原市の主要な救援拠点として用いられている。また教会も、ボランティアの宿泊所として活用されている。2箇所の物資置き場に届けられる支援物資は、多いときで一度に100トンを超すこともある。
岸浪氏は、災害ボランティア団体「アメイジング・グレイス・ネットワーク・ミッション」を立ち上げ、物資支援のほかにも炊き出しやコンサート、仮設住宅や個人宅への慰問活動に取り組んでいる。12月までには物資配付のためのボランティア200人を確保したいと祈っている。車で入ることが難しい牡鹿半島の泊(とまり)地区にも定期的に訪問し、被災者を励ましている。
講演で岸浪氏は、ルカによる福音書15章の「見失った羊」のたとえを引用し、神が被災者の叫びを聞き、身を乗り出すほどに被災者の悲しむ心に救いの手を差し伸べていると説き、「(助けを)叫んでいる人のところに(神が私を)連れて行って、救いをプレゼントしているのだと思う」と語った。
岸浪氏の講演を受けて参加者は、助けを必要としている被災者のために祈りを捧げた。さらに、行方不明者の捜索活動、行政の復興対策、被災者の生活基盤の早期確立、福島第一原発事故の早期収束、被災地で働くボランティアの安全などの祈祷題目を挙げ、被災地復興を祈った。
次回の祈祷会は10月11日午後7時から、東京都新宿区百人町1丁目17−8の淀橋教会で開かれる。参加無料。講師は宮城県多賀城市の保守バプテスト同盟塩釜聖書バプテスト教会牧師の大友幸一氏。賛美ゲストは上原令子氏。
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