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ワールドミッションレポート(7月17日):スリランカ 仏教ナショナリズムの波と経済危機─分断された島国で「和解の架け橋」となる教会

2026年7月17日23時00分 執筆者 : 石野博
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関連タグ:スリランカ
ワールドミッションレポート(7月17日):スリランカ 仏教ナショナリズムの波と経済危機─分断された島国で「和解の架け橋」となる教会+
スリランカ南部の都市ゴール(写真:Rovin Shanila / CC BY-SA 4.0)

インド洋の真珠と呼ばれる美しい島国がスリランカだ。しかし、この国の歴史は長く悲惨な内戦と、近年全土を襲った壊滅的な経済危機によって深く傷ついている。人口の約7割を占めるシンハラ人の多くは仏教徒であり、憲法においても仏教は最高の地位を与えられ、国家による特別な保護を受けている。

このような背景の中、近年スリランカでキリスト教徒が直面している最大の脅威は、過激な「仏教ナショナリズム」の台頭だ。「スリランカ人であること=仏教徒であること」という排他的なイデオロギーを掲げる一部の過激な僧侶や武装グループは、少数派であるキリスト教徒やイスラム教徒を「国家のアイデンティティーを脅かす外国の侵略者」として敵視し、執拗(しつよう)な攻撃を繰り返している。

特に標的となっているのは、農村部などで活発に福音を分かち合っている福音派やペンテコステ派の新しい教会だ。過激派の僧侶たちが暴徒を率いて礼拝に乱入し、教会の建物を破壊したり、信者たちに暴行を加えたりする事件が後を絶たない。

彼らはしばしば「強制的な改宗を行っている」という根拠のない偽りの告発を行い、地方自治体や警察も暴徒の側について教会の閉鎖を命じることが多い。信者たちは、法的な保護が十分に機能しない中で、集会の権利を不当に奪われ、地域社会からの激しい嫌がらせや村八分に耐え忍んでいる。

さらに、深刻な経済危機によるインフレと物資不足が社会全体の不満と緊張を高め、それがマイノリティーへの迫害をさらに助長する要因ともなっている。

しかし、どれほど理不尽な暴力を受けようとも、スリランカの教会は決して報復に走ることはない。それどころか、未曾有の経済危機の中で、教会は自らも困窮しながら、仏教徒やヒンズー教徒ら(タミル人)を分け隔てせずに、多くの人に食糧や生活必需品を無償で提供し続けている。

主イエスは言われた。

平和をつくる者は幸いです。その人たちは神の子どもと呼ばれるからです。(マタイ5:9)

長い内戦によってシンハラ人とタミル人の間に深い民族的分断が残るこの国において、かつて敵対していた者同士が教会に集い、同じ主を礼拝する。まさに教会は、社会に真の和解をもたらす、希少で美しい「希望の架け橋」となっている。憎しみに対して愛と奉仕で応える彼らの姿は、仏教ナショナリズムの分厚い壁に、確かな福音の光を届けているのだ。

スリランカの兄弟姉妹のために祈ろう。過激な仏教ナショナリストからの暴力や嫌がらせに直面している農村部の教会や牧師たちが守られ、礼拝を継続することができるように。不当な理由で閉鎖に追い込まれた教会に正義がなされ、集会の自由が法的に回復されるように。

深刻な経済危機の中で苦しむ人々に日々の糧が備えられ、教会が行っている愛の奉仕が、民族や宗教の壁を越えて多くの人々の心を開く鍵となるよう、祈っていただきたい。

■ スリランカの宗教人口
仏教 70・0%
プロテスタント 1・5%
イスラム 8・5%
ヒンズー 12・8%

◇

石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。

※ この記事は、石野博牧師の「ワールドミッションレポート」を、若干の編集を加えた上で転載したものです。
関連タグ:スリランカ
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