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保育の再発見

保育の再発見(22)寄り添うことの大切さ

2023年11月20日16時31分 執筆者 : 千葉敦志
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子ども/children/kids/親子+
※ 写真はイメージです。(写真:Kayoko_Photos)

一同が群衆のところへ行くと、ある人がイエスに近寄り、ひざまずいて、言った。「主よ、息子を憐(あわ)れんでください。てんかんでひどく苦しんでいます。度々火の中や水の中に倒れるのです。お弟子たちのところに連れて来ましたが、治すことができませんでした。」 イエスはお答えになった。「なんと信仰のない、よこしまな時代なのか。いつまでわたしはあなたがたと共にいられようか。いつまで、あなたがたに我慢しなければならないのか。その子をここに、わたしのところに連れて来なさい。」

そして、イエスがお叱りになると、悪霊は出て行き、そのとき子供はいやされた。弟子たちはひそかにイエスのところに来て、「なぜ、わたしたちは悪霊を追い出せなかったのでしょうか」と言った。イエスは言われた。「信仰が薄いからだ。はっきり言っておく。もし、からし種一粒ほどの信仰があれば、この山に向かって、『ここから、あそこに移れ』と命じても、そのとおりになる。あなたがたにできないことは何もない。」(新約聖書・マタイによる福音書17章14〜20節)

資格が「プロ」の証しではない

保育士や幼稚園教諭といった保育職は、資格があるため「プロ」と見られがちですが、保育の「プロ」とは一体何を意味するのでしょうか。子どものこと、子育てのことについて、完璧な知識や技術を持っている人が保育のプロだと考えられやすいですが、そんな人は存在しません。それは、一人として同じ存在がいない子どもと保護者を相手にする仕事だからです。

子ども自身が一人一人違うことはもちろん、さらにその子は親、属する世帯、地域、社会などによって多くの影響を受けます。たとえ一卵性双生児であったとしても、そこには差異が存在します。そして、その差異は成長するにつれて大きくなっていきます。好みだって違います。保育園などで観察していると、園児はそれぞれに大好きな保育職がいます。また、同じ大好きだとしても、甘え方は子どもそれぞれで違います。

保育職が持つ資格とは、そういう子どもたちをどのように見守り、導き、支え、教えるかということを「学んだ」という証明でしかありません。

子育てが保護者の仕事なら、保育職の仕事は?

保育施設では、子どもの発達の記録や観察、生活基本動作の習熟の支援などを行います。そして、それを家庭の保育とリンクさせなければなりません。ここに、保護者に対する「支援」としての保育があります。「子育て支援」の必要性はここから出てきました。しかし一方で、現在の子育て支援は、保護者の子育ての粗探しをしたり、わが子の才能をいち早く開花させたいという保護者の願望やそれに伴う不安を刺激したりするものになっており、「絶対に失敗しない子育て」なるものに保護者を誘導する手法がよく見受けられます。

そこで最近、保育の世界でその必要性が訴えられているのが「伴走支援」という手法です。これは「寄り添い」を基本軸にした保育を行っていくことを示しています。孤立状態の保護者、あるいはそうなりそうな保護者と共に考え、足りない部分を支え、導きながら行う支援です。例えば、「わが子がかわいく思えない」という保護者に対しては、「かわいく思える」ように支援をしていくことになります。

「からし種一粒ほどの信仰」とは?

さて、冒頭に紹介した聖書の箇所には、「てんかん」で苦しんでいた親子が救われた場面が描かれています。てんかんは、現代では多くの場合、薬などを使って抑え込めば通常の生活に支障はない脳の機能的な障害(つまり病気)であるというのが医学的見地です。

しかし昔は、悪魔や悪霊の所業だと考えられていました。イエスの弟子たちは、この子から悪霊を追い出そうとしましたが失敗したため、仕方なく親子はイエスに泣きつくのですが、この時のイエスの言動が少し引っかかります。

まず、「なんと信仰のない、よこしまな時代なのか。いつまでわたしはあなたがたと共にいられようか。いつまで、あなたがたに我慢しなければならないのか」と怒り、さらに、その子を癒やせなかった弟子たちに対し、「信仰が薄いからだ」と言い放つのです。そして、「はっきり言っておく。もし、からし種一粒ほどの信仰があれば、この山に向かって、『ここから、あそこに移れ』と命じても、そのとおりになる。あなたがたにできないことは何もない」と励ますのです。

「からし種一粒ほどの信仰」があれば何でもできると言っているのですが、これは逆に考えれば「信仰の多少」は関係ないのだと話されているとも捉えることができるのではないでしょうか。さらに「不信仰な、曲った時代」とイエスが表現される様子を見ると、この悪霊はこの子「だけ」に巣食っていたのかが疑問になります。

障害は悪霊の仕業なのか?

ここまで考えると、てんかんは悪霊の仕業ではないと読み取れないでしょうか。全ては「神の業がこの人に現れるため」と、イエスが別の場面で語っておられる言葉でこの話を読むのであれば、むしろ「神の業が現れるのを待ち望んでいない」周囲の人々こそが悪霊に惑わされているのではないかと思えてきます。だからイエスは、「なんと信仰のない、よこしまな時代なのか」「信仰が薄いからだ」とお怒りになったのではないでしょうか。

そうだとすれば、悪霊のせいにして、多くの人がこの親子やその家族に近寄らないように、関わらないようにしていたと想像できます。もしこの親子の周囲にいる一人一人が彼らに寄り添おうとしていれば、また、てんかんに対して現代と同じく正しい理解を持っていれば、大きな問題になることではなかったであろうし、そこには必ず「愛の実践」があっただろうと思えてきます。

愛の実践

愛の実践とは「神の業が現れることを待ち望む」ことであり、われわれは、欠けがある人間同士が寄り添うことによって起こる出来事を「神の業」と受け止めるべきだと私は考えます。つまり、「あの人は親として失格」「しつけがなっていない」などと言って、個人の欠陥をあげつらうのではなく、その個人個人に「寄り添う」実践を広めていかなければならないと思うのです。

子育てを負担に思う人が増えていることも事実です。一人一人がたくさんの課題を抱えていることも、その通りです。しかし、そうした人たちをケアするために寄り添う手法が崩壊し始めていることこそ、私たちは憂慮しなければなりません。

私が園長をしていた認定こども園で、障害児の受け入れをしていたとき、障害のあるわが子を保育園に入れるために大変な苦労をしておられた保護者と多く出会いました。地元の保育園で受け入れてもらえず、さらに保護者の実家の近隣の保育園にまでも断られて、私の園にたどり着いたという人もいらっしゃいました。確かに受け入れるにはハードルが高い症状のお子さんでしたが、園が訪問看護ステーションを併設していたため、受け入れることができました。「大変でしたね」と声をかけると、その子の母親が泣き出してしまったことを今でも覚えています。

愛の実践とは、裁くことではありませんし、原因をあげつらうことでもありません。傷つき、痛み、自らの罪深さに怯え、自分さえしっかりと保てないような状況の人々を探し出しては、その一人一人に寄り添うことなのだと思わされます。(続く)

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※ 本紙では通常「障がい」と表記していますが、本連載では文意などを考慮し、「障害」と表記しています。

◇

千葉敦志

千葉敦志

(ちば・あつし)

1970年、宮城県生まれ。日本基督教団正教師(無任所)。教会付帯の認可保育所の施設長として、保育所の認定こども園化を実施。施設長として通算10年間、病後児保育事業などを立ち上げたほか、発達障害児や身体障害児の受け入れや保育の向上に努め、過疎地域の医療的ケア児童の受け入れや地域の終末期医療を下支えするために、教会での訪問看護ステーション設置などを手がけた。その後、これまでの経験に基づいて保育所等訪問支援事業を行う保育支援センターを立ち上げた。現在、就労支援B型事業所「WakeArena」を立ち上げ、地域の福祉増進を目指している。

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