見えない宝物 穂森幸一(167)

2020年10月1日11時55分 コラムニスト : 穂森幸一 印刷
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私たちは、この宝を、土の器の中に入れているのです。それは、この測り知れない力が神のものであって、私たちから出たものでないことが明らかにされるためです。(2コリント4:7)

米国に滞在しているときは、いろいろなタイプの教会に出席するように心掛けていました。小規模の教会から、礼拝出席者が数千名あるという大規模教会まで訪問しましたが、それぞれの教会には良さがあり、どういうタイプが良いとか一概には言えないような気がします。ある大規模教会を訪ねたとき、日本からやってきた牧師ということで紹介してもらいましたら、いろいろな方々が話し掛けてくださいました。

その中のお一人が、自分の親戚にハリウッド女優がいるということを話されました。教会が大きいということはそういうつながりもあるのかと感心しながら話をしていました。そうすると「会ってみたいか」と言われましたので、お土産話の一つになるかもということで会わせていただくことになりました。コーヒーショップで会ったのですが、その美貌に度肝を抜かれてしまいました。映画のパンフレットから抜け出てきたような姿形に息をのんでしまい、「この美貌だったら、プロマイドがどんどん売れるでしょう」などという的外れの発言をしてしまいました。

その女優さんは笑って、「この程度の美貌の持ち主はハリウッドにはいくらでもいますよ」と話され、その美貌を保つために、エステやエクササイズにかなり投資していること、食べ物にも気を配っていることなどを話されました。姿形が良いだけでは映画の主役なんてとても取れないとか、内に秘めたるものというか、内なる何かが必要だと話されました。「その何かとは何ですか」と質問したら、「それが分からないから私も葛藤しているのです」と正直に話されました。

これは日本にいるときの体験談ですが、あるホテルから結婚式の司式の依頼がありました。あるカップルが結婚したのですが、新婚間もなく花嫁が交通事故に遭ってしまいました。事故の後遺症で花嫁は歩くことができなくなり、車いすの生活になりました。体調がすこぶる悪く、一日のほとんどを寝て過ごさなければならないというのです。そして最悪なことに記憶喪失になり、結婚式のことを全然覚えていないというのです。

花婿はこれからも花嫁を支えていきたいので、もう一度結婚式をして新しい記憶を持ってもらいたいという気持ちで申し込んだみたいでした。ただ事故の後遺症のために、大きな音を聞くと脳に響いて気分が悪くなるので、なるべく声を抑えて話してほしいということでした。

そして、ホテルの担当者が「今日はKさんが特別賛美をします」ということでしたので、私は花嫁の同級生なのかと思って、軽い気持ちで承諾しました。ところが現れたのは国民的人気シンガーのKさんでしたので、腰が抜けるほど驚いてしまいました。

実は、花嫁がKさんの大ファンだったらしいのですが、花婿が記憶を取り戻すのに少しでも役に立てばということで、東京のテレビ局にKさんのビデオレターをもらえないかという相談をしていたそうです。その話を聞いたKさんは、ボランティアで協力しますということではるばる、鹿児島まで来てくれたそうです。声のトーンを抑えて無伴奏で一生懸命に歌うKさんを見て、花嫁は涙をこぼしていました。人気に溺れることなく自分のファンのために努力を惜しまない誠実な女性歌手を見たときに、この人は内に秘めた何か素晴らしいものを持っているなあと感じました。

GHQのウォー・ギルト・インフォメーション政策により、日本人は戦後70年間、誇りと自信を失ってきたといわれますが、もうそろそろ自信を取り戻してもいい頃ではないかと思います。

鹿児島県の霧島市に上野原遺跡があります。6500年前、鬼界カルデラ噴火で大量の火山灰に埋もれてしまった遺跡です。最近は発掘が進み、縄文の集落跡などが再現されていますが、ドングリやナッツの実でクッキーなどを作っていたということなどが分かっています。また最近、造船技術に関わる部品が発掘されたという報道がありました。この縄文遺跡からは、人骨は発見されていません。火山の大爆発という惨劇はありましたが、誰も亡くなっていないのです。生活の場を追われた縄文人は船に乗り、海流を使って世界中に散っていったようです。南洋の島々や南米から縄文土器が発掘されていますし、遺跡から足跡をたどることができるのではないかと思います。

これは私の勝手な妄想ですが、一部の縄文人はインド洋を経て中東に到達し、シュメール人とも関わったのではないかと想像します。日本の縄文遺跡に見られるペトログラフとシュメール文字の共通性などを取り沙汰している学者もいますので、想像を膨らませてみました。いずれにしろ日本の古代人は平和を好み、冒険心があり、グローバル精神があったということを考えますと、何だか楽しくなるのは私だけでしょうか。

古代から1万年以上続く日本の地にキリストの福音が届けられ、日本人の中で見えない宝物が結実しつつあります。神から与えられる計り知れない力に突き動かされて世界宣教に励んでいる同胞に心から感謝します。神の前にもう一度誇りと自信を取り戻すとき、希望にあふれる社会が実現できるのではないかと思います。

私たちは、見えるものにではなく、見えないものにこそ目を留めます。見えるものは一時的であり、見えないものはいつまでも続くからです。(2コリント4:18)

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穂森幸一

穂森幸一(ほもり・こういち)

1973年、大阪聖書学院卒業。75年から96年まで鹿児島キリストの教会牧師。88年から鹿児島県内のホテル、結婚式場でチャペル結婚式の司式に従事する。2007年、株式会社カナルファを設立。09年には鹿児島県知事より、「花と音楽に包まれて故人を送り出すキリスト教葬儀の企画、施工」というテーマにより経営革新計画の承認を受ける。著書に『備えてくださる神さま』(1975年、いのちのことば社)、『よりよい夫婦関係を築くために―聖書に学ぶ結婚カウンセリング』(2002年、イーグレープ)。

株式会社カナルファホームページ
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