新型コロナは神からの罰か 村岡崇光

2020年5月22日11時42分 執筆者 : 村岡崇光 印刷

クリスチャントゥデイは2002年の創立以来、多くの皆様に支えられ、5月20日で満18周年を迎えることができました。これまで長きにわたり、ご愛読・ご支援いただき、誠にありがとうございます。創立18周年を記念して、今年は新型コロナウイルスが世界を席巻している状況を踏まえ、「100年に1度のパンデミック、教会は何を問われているのか?」をテーマに企画を用意致しました。コロナサバイバー、牧師、神学校教師、大学教授、政治家、ホームレス支援者など、さまざまな立場の方から寄稿を頂きました。第3回は、オランダ在住の村岡崇光・ライデン大学名誉教授による寄稿をお届けします。

昨年11月に中国の武漢で最初の患者が出たとされる新型コロナウイルス感染症はその後、急速に世界中にまん延し、21日までに世界全体で500万人を超える患者が確定され、死者は32万人を超えています。

妻と半永住的に住んでいるここオランダの状況も深刻です。面積にして日本の四国ぐらい、人口は日本の十分の一ぐらいなのに、患者数は4万4千人を超え、死者は約5700人です。オランダで最初の感染者が確認されたのが2月27日。その後、患者数はうなぎ上りに増大、先月半ばまでは毎日千人以上の新しい感染者が確認されました。以後勢いが少しは衰えたようですが、今なお楽観は許されず、感染者に占める死者の割合も10パーセント以上で、国中に悲しみが広がっています。私たちのオランダ日本語聖書教会も、3月半ば以降、ZOOM(ズーム)による礼拝を余儀なくされています。

「新型コロナウイルス」という名称からして、これまでに発生した記録のないウイルスなのでしょう。もっとも、旧約聖書には疫病が至るところで言及されており、「疫病」と訳されているヘブライ語の単語は全部で46回も出てきます。詳細な医学的な記述はありませんから、その中には「コロナウイルス」によるものがあったかもしれません。

疫病は、劔(つるぎ)や飢饉(食料不足)と並んで、しばしば、神様に対する罪の罰として出てきます。よく知られた例の一つは、ペリシテ人との戦いを続けていた晩年のダビデ王が人口調査をしたことで神様の怒りに触れ、疫病がたった3日続いただけで、7万人が病死する、という結果になったことがサムエル記下24章に語られています。神様の支援のあることを信頼しなかった罪に対する刑罰ではないかと考えられます。

世の終わりには、豪華なエルサレムの神殿も完全に破壊されることを予告されたキリストに対して、そういうことがこれから起こるということを示すような予兆があるだろうか、という質問が発せられたとき、それに対する答えの中で「大地震が発生し、方々で飢饉や疫病が起こるであろう」と言われました(ルカ21:11)。現在の新型コロナウイルスによる状況は末世が近いということなのだろうか、という質問を、所もあろうにエルサレムにいるクリスチャンからしばらく前にメールで頂きました。マタイによる福音書24章7節とマルコによる福音書13章8節では、キリストは地震と飢饉のことは言っておられるけど、疫病は予兆の一つとして挙げておられない。ギリシャ語原典で疫病はロイモイ、飢饉はリーモイであり、ルカによる福音書のみに疫病が触れられているのは、マタイとマルコよりはギリシャ語に堪能であったルカの語呂合わせではないか、というのが私の回答でした。慌てず、冷静に対処することが私たちには求められているのではないか、と思います。

現在世界中を席巻して、膨大な数の人たちに悲しみと不安とを引き起こしている新型コロナウイルスは、神様からの罰なのでしょうか。武漢で最初に感染した中国人たちに対する罰だったのでしょうか。聖書で、疫病が神様からの罰として言及されている場合は、ある個人が、あるいは集団が犯した特定の罪に対する罰です。すでに亡くなられた30万人を超える犠牲者たち、現在なお苦しみ、不安の中で日々を送っている500万人近い患者たちだけでなく、今のところこの疫病にかかっていない私たちも、一人残らず神様の厳しい基準からすれば罪人です。しかし、今回の疫病の犠牲者は、彼らが犯したかもしれない特定の悪事に対する罰を受けたわけではありません。武漢で患者数が増え始めた当初の中国政府の対応が、現体制の維持にもっぱら焦点が合わせられていたという由々しい問題があったことは広く知られており、そういう姿勢は広い意味での罪であったといってよいでしょう。しかし、そのことを責任者が認めたということも報道されたように思いません。

キリスト者として私たちに求められていることは、遺族と現在不安の中で手当てを受けておられる患者に寄り添い、その人たちのために日ごとに祈り、一日も早く効果的な療法が開発されることを祈ることではないでしょうか。先月、東京で手当てを必要としている患者たちが、何十という病院から厄介者としてたらい回しにされた、という記事を読みました。そういう病院の職員の中にキリスト者がいなかったことを切に願う者です。

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村岡崇光

村岡崇光(むらおか・たかみつ)

1938年広島市生まれ。東京教育大学(現筑波大学)英米文学科卒業、同大学大学院言語学科で修士号(聖書言語学)取得、その後エルサレムのヘブライ大学で博士号(Ph.D.)取得。英国のマンチェスター大学、オーストラリアのメルボルン大学、オランダのライデン大学で、ヘブライ語とその他の関連語学を33年にわたって教える。ライデン大学名誉教授、ヘブライ語アカデミー名誉会員、英国学士院バーキット・メダル受賞、日本聖書協会・聖書事業功労者。定年退職後は毎年最低5週間、太平洋戦争で日本の帝国主義の被害を受けた国々の神学校や大学で無報酬で専門科目を教える。その記録は『私のヴィア・ドロローサ:「大東亜戦争」の爪痕をアジアに訪ねて』(教文館、2014)として出版されている。

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