ナッシュビルからの愛に触れられて(35)翌日は打って変わって最高のライブ日和に! 来日ツアー・その2

2019年8月17日20時58分 コラムニスト : 青木保憲 印刷
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抜けるような青空!

クライストチャーチの2013年ライブは、台風が関西を直撃する中で始まった。幸いにしてセンターステージには屋根があったため、雨風をかろうじて防ぐことができ、暴風雨の中であってもライブは実施することができた。

しかし、一歩屋根を出るとそこは、人が立っていられないほどの雨風が吹き荒れている。何とかモール側の意向を汲んで開催にこぎつけたが、プログラムが終わるとさっと撤収、ということになった。もちろん、彼らのパフォーマンスは素晴らしく、悪条件をものともしないで最高の音楽を届けてくれたことは言うまでもない。彼らが最高であったからこそ、惜しまれるのが「観客の入り」であった。

そして翌日。台風一過とはこのことで、見事に晴れ渡った空の下、2日目の復興支援イベントが行われた。当初予定していた「浴衣部隊」が街を練り歩き、イベントの告知を行う。また場内中央にある宣伝用の電光掲示板では、クライストチャーチの映像がこれでもかと流される。そんな最高の雰囲気と環境下で、2日目を迎えることができたのである。

初日には立てられなかったテントを張り、東北からわざわざ来てくださったアクセサリー製造ボランティアの方や、漁師町復興のために来洛した方々も大いに期待しておられた。リハーサルは正午ぐらいから行われ、多くの買い物客が足を止め、今回の企画に賛同してくれた数多くのアーティストたちのパフォーマンスに見入っていた。これまた昨日は限定的にしかできなかった義援金箱を持ったボランティアが素早く彼らのところに出向き、イベントの趣旨を告げ、義援金をお願いしていた。コンサート以前から、すでにイベントとしては始まっている様子であった。

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リハーサルの段階から続々と人が集まってきた。
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義援金が集められた。

そして定刻になり、いよいよコンサートが始まった。おのおのが独自の手法で復興支援を訴え、義援金を募った。あるバンドは別のバンドとコラボし、クワイア形式で歌うところに飛び入りしたトリオもいた。いずれにせよ、心を復興支援に向けて一つにし、そのメッセージを届けるために、皆が全力であった。

そしていよいよクライストチャーチの出番である。昨日同様、一列にステージに並んださまは壮観の一言。センターを務めるジェンさんが歌い始めると、昨日同様、世界が一変した。

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ずらりとならんだクワイア

この日のソングリストを事前にもらっていたが、それを見てびっくり。なぜなら昨日のほぼ倍の曲がリストアップされていたからである。クリスにそのことを尋ねると「昨日できなかった曲だから」とのこと。やはり昨日の天候を鑑みて、曲を減らしていたようだ。彼らもまた、この日のステージにかけていることが分かった。皆が一つになる瞬間である。

そして、最大のサプライズは中盤に訪れた。今回のクワイアグループの引率者であり、またクライストチャーチの牧師でもあるダニエル・ベル氏は、実は地元ナッシュビルでは有名なカントリー・ダンサーなのである。彼が中盤に乱入(?)し、タップダンスを披露するというのである。嫌が上でも期待が高まる。ダニエル氏は、地元で有名な音楽ホール「グランド・オール・オプリ」に何度も出演し、その会場に顔パスで入れるほどの実力の持ち主だったのである。

曲が終わり、いよいよダニエル氏の登場!BGMががらりと変わり、観客が「何だろう?」と訝しく思ったその時、彼が踊りながらステージの真ん中へ出て行ったのである。割れんばかりの拍手が彼を包み込み、しばしタップダンスのパフォーマンスに観客は酔いしれることとなった。

ここまでなら予定通りだが、なんとこのパフォーマンスにアンコールがかかった。そこでダニエル氏が再び登場したのだが、何と彼は「へい、パスター・ヤス、君もどうだい?」と私に振ってきたのである!

「聞いてないよぉ!」。そう言いたかったが、数百人の目が一斉にこちらを向き、瞬時に拍手が起こってしまっては、もうどうすることもできない。私は飛び跳ねるように、ステージに飛び出していた。場内が爆笑の渦に包まれたことは言うまでもない・・・。

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ダニエル牧師はダンサー。

その後、再びクライストチャーチのステージとなった。今回の目玉、「主を仰ぎ見て」から始まった後半戦は、日本への愛に満ちたステージとなったことは言うまでもない。そしてラスト、全出演者が一堂に会し、2011年に私たちが彼らと出会ったときに全米でヒットしていた「主の癒やしが今(The Healing Has Begun)」を歌った。サビの部分を「主の癒やしが今」としたことで、日米で一緒に歌える数少ない曲の一つとなった。

復興支援コンサートは、大盛況のうちに幕を閉じた。初日のアクシデントを盛り返し、結果的には予想以上の義援金を得ることができた。多くの方の協力、そしてクライストチャーチクワイアが倍近い楽曲を演奏し、この運動を盛り上げようとしてくれたこと、これらが見事にかみ合っての結果であった。

2013年9月、忘れられない時間を皆で共有することができた。

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青木保憲

青木保憲(あおき・やすのり)

1968年愛知県生まれ。愛知教育大学大学院を卒業後、小学校教員を経て牧師を志し、アンデレ宣教神学院へ進む。その後、京都大学教育学研究科卒(修士)、同志社大学大学院神学研究科卒(神学博士、2011年)。グレース宣教会研修牧師。東日本大震災の復興を願って来日するナッシュビルのクライストチャーチ・クワイアと交流を深める。映画と教会での説教をこよなく愛する。聖書と「スターウォーズ」が座右の銘。一男二女の父。著書に『アメリカ福音派の歴史』(2012年、明石書店)。

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