私にあるもの 穂森幸一(113)

2018年9月6日19時52分 コラムニスト : 穂森幸一 印刷
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すると、ペテロは、「金銀は私にはない。しかし、私にあるものを上げよう。ナザレのイエス・キリストの名によって、歩きなさい」と言って、彼の右手を取って立たせた。するとたちまち、彼の足とくるぶしが強くなり、おどり上がってまっすぐに立ち、歩きだした。(使徒3:6~8)

私は鹿児島県姶良市の出身なのですが、ある男性の方とお話をしていたとき、私の出身地の話題になりました。その方は、姶良市加治木の性応寺というお寺に特別の思いがあると話されました。

その人のお母さんは、戦後の混乱期に性応寺の近くを通り掛かったとき、産気付かれたそうです。そうすると、お寺の方々が場所を用意してくださり、お産を助けてくださったから、自分は無事生まれることができたというのです。だから、そのお寺には特別の気持ちがあり、何かあったらお布施を持って駆け付けていますということです。

神社仏閣と地域の人々の関わりには、特別のものがあります。普段お参りしているというだけではなく、緊急事態には救護所になり、飢えた人々には食べ物の配給所にもなりました。

室町時代に京都で応仁の乱が起こりますが、街中での戦いが実に11年にも及びます。その間に家が焼かれ、食べる物にも困る人々が出てきます。そうすると、神社仏閣は寝る場所を提供し、炊き出しを行いました。助けてもらった人々は一宿一飯の恩義を忘れることなく、神社仏閣の支援を続ける側になっていきます。

街中にあった由緒あるお寺が、戦火の中で焼けてしまうこともありました。街の人々はその必要性を十分に理解していますので、寄付金も集まり、すぐに再建に取り掛かるそうです。そうすると、再建工事が人々に仕事をもたらすことになり、生活の立て直しにも役立ったというのです。

すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます。わたしは心優しく、へりくだっているから、あなたがたもわたしのくびきを負って、わたしから学びなさい。そうすればたましいに安らぎが来ます。わたしのくびきは負いやすく、わたしの荷は軽いからです。(マタイ11:28~30)

一人の男性が教会に訪ねてきました。そして、「疲れました。休ませてください」と言うのです。椅子を勧めると、腰かけて「ここはお茶も出ないのですか」と言うのです。変なことを言うなと思って見つめていると、「お宅の掲示板に『誰でも疲れている人はわたしのところに来なさい。休ませてあげます』と書いてあったから、私は来たんですよ」と言ったそうです。

この人に聖句解釈の話をしても通じません。文字通り、疲れた人を受け入れて精いっぱいの対応をするしかないと思います。

災害に遭った人や生活困窮者に食料の配布をしている団体が各地に立ち上がっています。そのような団体の責任者に話を聞きますと、個人や会社などからの寄付により、食料は集まるそうです。ただ問題は、その集まった食料をどのように届けていくかということで、配達費用やボランティアの確保だそうです。

もし神社仏閣、教会がその拠点になることができれば、困っている人が受け取りに行くということもできます。米国カリフォルニアの教会は、たとえ教会の玄関の鍵が掛かっていても、食料品提供の小部屋だけは24時間出入りができるようになっていました。

教会が冠婚葬祭に関わり、また災害が起きたときにはボランティア活動の拠点となることなどで、地域社会とのつながりは深まっていくのではないかと思います。

わたしが、あなたの神、主、イスラエルの聖なる者、あなたの救い主であるからだ。・・・わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している。(イザヤ43:3、4)

主なる神は、幾多の試練の中で変わることなく私を愛し、支え、導いてくださっています。今まで生かされてきたのは、何か使命と役割があるからだと思います。「私にあるもの」を用いて社会に貢献し、神の栄光を現す者となれるように願っています。

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穂森幸一

穂森幸一(ほもり・こういち)

1973年、大阪聖書学院卒業。75年から96年まで鹿児島キリストの教会牧師。88年から鹿児島県内のホテル、結婚式場でチャペル結婚式の司式に従事する。2007年、株式会社カナルファを設立。09年には鹿児島県知事より、「花と音楽に包まれて故人を送り出すキリスト教葬儀の企画、施工」というテーマにより経営革新計画の承認を受ける。著書に『備えてくださる神さま』(1975年、いのちのことば社)、『よりよい夫婦関係を築くために―聖書に学ぶ結婚カウンセリング』(2002年、イーグレープ)。

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