Skip to main content
2022年6月29日13時08分更新
Go to homepage
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 教会
  3. 聖書

世界的にも貴重な漢文聖書「代表訳本」の初版、京都の寺で発見 東京外国語大学准教授の倉田明子氏に聞く

2017年9月30日06時45分 記者 : 坂本直子
  • ツイート
印刷
世界的にも貴重な漢文聖書「代表訳本」、京都の寺で発見される 東京外国語大学准教授の倉田明子氏に聞く+
東京外国語大学准教授の倉田明子氏=16日、聖心女子大学(東京都渋谷区)で

1855年に香港で発行された漢文の聖書「代表訳本」が今年6月、京都の寺で見つかった。「世界でもわずかしか現存せず、貴重な1冊」と専門家は注目している。

その聖書が見つかったのは真宗大谷派(本山・東本願寺、京都市下京区)の円光寺(同左京区)。同派の学僧、樋口龍温(香山院龍温、1800~85年)が65年に江戸で入手し、キリスト教を研究するために使っていたと見られる。

龍温の子孫にあたる円光寺の住職・樋口浩史氏が納屋を整理していたところ、古い長持ちの中からこの聖書を発見した。しっかり箱に入り、丁寧に布に包まれ、虫食いなどがまったくない非常に良い保存状態だったという。

旧約・新約の4冊からなり、各分冊の表紙に「咸豊(かんぽう)伍(五)年」(清朝の元号、1855年)、「香港英華書院印刷」と記されていた。日本聖書協会聖書図書館(東京都中央区)の調べにより、この聖書は上海と香港で出版された「代表訳本」と判明。また、64年に起きた蛤御門の変(はまぐりごもんのへん)により、龍温がその2年前に初めて手に入れた聖書を焼失し、翌年、再度買い求めたものだと、この聖書の入っていた箱の書き付けにあったという。

世界的にも貴重な漢文聖書「代表訳本」、京都の寺で発見される 東京外国語大学准教授の倉田明子氏に聞く
漢文聖書「代表訳本」の表紙。「咸豊伍(五)年」「香港英華書院印刷」の文字が確認できる。(画像提供:樋口浩史氏)

禁教の時代、中国で出版された聖書は、来日した宣教師が携えていたとされるが、龍温はどのようなルートでこれを入手したのだろうか。中国近代キリスト教史を専門とする東京外国語大学准教授の倉田明子氏(日本同盟基督教団小竹町聖書教会会員)に、今回発見された聖書について話を聞いた。

――「代表訳本」について教えてください。

「代表訳本」というのは、漢文版聖書のバージョンの1つの名前です。この前に完成していた全訳は言葉遣いや文体が未熟で、アヘン戦争(1840~42)後に中国に移り住んだ宣教師たちが共同で翻訳委員会を作って改訂作業を進めました。それで完成したバージョンの1つがこの代表訳本となります。漢文としては完成度が非常に高く、日本の文語訳聖書に近い文体です。

1852〜53年に上海で刊行され、同じものが香港でも印刷されています。その香港で刊行された代表訳本の旧約聖書が出たのが55年。今回、円光寺で発見された聖書の旧約部分はその時のもので、香港で刊行された旧約聖書の初版にあたります。代表訳本自体はそんなに珍しいものではないのですが、55年に香港で出た初版の旧約聖書であること、しかもそれが新約聖書と一緒に綴(と)じられ、革張りできれいに製本されている点では、世界でもたいへん珍しく、残っているのは数点だと思われます。

世界的にも貴重な漢文聖書「代表訳本」、京都の寺で発見される 東京外国語大学准教授の倉田明子氏に聞く
「代表訳本」の旧約聖書第1章。「神」ではなく「上帝」が使われている。(画像提供:樋口浩史氏)

――今回発見された聖書では「神」を「上帝」と訳していますが・・・。

今回の発見により、刊行直後の代表訳本の聖書が日本に流入していたことが裏付けられましたが、代表訳本は「神」を「上帝」と訳していることから、日本ではあまり普及しなかった聖書だと考えられます。神を「上帝」と訳したのは英国人で、中国の古代信仰にある用語を充てています。一方、米国人は「神」を使っており、米国人宣教師が多かった日本では、米国人が訳した「神」バージョンの聖書が多く使われていました。

ただ、「神」バージョンの漢文聖書が完成し、中国で発行されるのは63年のことです。そのため、日本のプロテスタント伝道が始まった59年からしばらくの間は、代表訳本聖書が日本でも使われていたのだと思いますが、60年代前半の時点で日本に広まっていた数はわずかだったはずです。それにもかかわらず、仏教徒である龍温は2回も聖書を手に入れており、何か執念のようなものを感じます。

――禁教の時代、龍温はこの聖書をどのように手に入れたのでしょうか。

仏教から見てキリスト教は、ある種、警戒する宗教で、そのキリスト教がどういうことをやっているのか知りたい。そのために聖書を買って研究するということやっていたのだろうと思われます。龍温は、当時、大谷派が設置していた「耶蘇防禦掛(やそぼうぎょがかり)」の担当だったこともあり、かなり熱心にキリスト教を研究していたと言われています。

世界的にも貴重な漢文聖書「代表訳本」、京都の寺で発見される 東京外国語大学准教授の倉田明子氏に聞く
円光寺に残る「耶蘇興廢年表」。日付は慶應元年となっている。(画像提供:樋口浩史氏)

入手経路については、樋口住職が話すには、「東本願寺は幕府とのつながりが非常の強いので、幕府が没収していたものを内々にもらったのではないか」と。確かにあり得ることですが、この聖書は革張りで、とても立派なものです。この聖書が開港後の横浜にいた宣教師宛てに直接送られたものだとすれば、私は、龍温が宣教師のところで買ったか、宣教師のところに来たものを何らかのルートで買いに行った可能性もあるのではないかと考えています。

この聖書の発見について取り上げた「京都新聞」の記事によると、「明治になってからもキリスト教に対する研究は進んでいく」と書いてあるのですが、龍温が研究を始めたのは62年で、この年代を考えると、この龍温という人はかなり早い段階で個人的に何らかの形でキリスト教に対する警戒心を持っていたのかなと思います。

明治元年になると、神仏分離令により廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)の運動が全国に広がり、仏教が危機を迎えるようになります。その頃、大谷派は、キリスト教研究も目的にして「護法場」を設置し、龍温はその運営の中心を担っています。そこでは僧侶の教育の近代化を目指しており、これが大谷大学の源流となっています。

世界的にも貴重な漢文聖書「代表訳本」、京都の寺で発見される 東京外国語大学准教授の倉田明子氏に聞く
真宗大谷派の円光寺で発見された漢文聖書「代表訳本」(画像提供:樋口浩史氏)

龍温は聖書を買い求め、原本を読み、しかも聖書だけでなく、かなり多くのキリスト教関連の本を集めていたと言います。そこには、「大谷派を守らなければいけない」というよりも、「耶蘇(やそ)から仏教を防御しなければ」というもっと壮大な確固たる思いがあるように思います。そうでなければ、わざわざ2冊目を求めて京都から江戸に行き、当時禁教と言われたキリスト教の聖書を買い求めた理由が分かりません。

――この聖書の発見によって今後どのようなことが明らかになりますか。

龍温の生涯とこの聖書を照らし合わせて、また聖書だけでなく、実際に龍温がキリスト教批判をいつ書いたかなどを併せて研究していくと、この時代の仏教、特に東本願寺がキリスト教をどう見ていたかが明らかになってきます。日本史、広い意味での宗教史を考えた時に、これまでの龍温研究家とは違う発見もできるのではないでしょうか。

私の専門である中国のキリスト教史から言うと、1860年代以降の代表訳本は、大学図書館等で持っているところはありますが、50年代の代表訳本はありません。香港で刊行されたばかりの代表訳本が日本に入ったということは、日本と中国の宣教師同士のつながりの深さも感じられますし、また、流入ルートが横浜なのか江戸なのかを考える上でも面白いかなと思っています。龍温は江戸で買ったと書いていますが、当時、聖書が一番あったと思われるのは横浜です。それをなぜ江戸で手に入れたのか、聖書やキリスト教知識の広がり、という点からも興味深いところです。

  • ツイート
▼関連記事を見る  ▼クリスチャントゥデイからのお願い

関連記事

  • 日本聖書協会がエキュメニカル晩餐会開催 江口再起氏「贈与の神学者ルター」について語る

  • 「聖書 新改訳2017」発売始まる 新しい「新改訳」とは

  • 日本聖書協会、新翻訳聖書の準備が最終段階 4月に書名確定へ 改訂版ではないと強調 ルター訳聖書日本語版も

  • ザビエル肖像画やキリシタン墓碑が発見された山里 茨木市立キリシタン遺物史料館

  • 天正少年使節の千々石ミゲルは棄教しなかった? 墓からロザリオとみられるガラス玉などが出土

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 米連邦最高裁「ロー対ウェイド」判決覆す、中絶の是非は各州の判断へ

  • バチカン銀行、21年の純利益は26億円 過去2年に比べ半減

  • 沖縄復帰50年 NCC、カトリック正平協が「沖縄慰霊の日」に声明、談話

  • 癒やしの信仰を拡大させよう 万代栄嗣

  • 神様のご計画の中を歩んでいるか 加治太郎

  • ハンガーゼロ、西南学院大が包括連携協定締結

  • 篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(76)聖書と考える「タクシー運転手さん一番うまい店に連れてって!」

  • スマホが動くのも量子力学のおかげ? 東工大名誉教授を講師にサイエンスカフェ

  • 米南部バプテスト連盟、新議長にバート・バーバー牧師 1期で議長交代は数十年ぶり

  • 壊れやすい土の器に宝が! 菅野直基

  • 米連邦最高裁「ロー対ウェイド」判決覆す、中絶の是非は各州の判断へ

  • 【対談企画】参議院全国比例区立候補予定者・金子道仁牧師ってどんな人?(1)日本のチャーチスクールを救いたい

  • 神様のご計画の中を歩んでいるか 加治太郎

  • 癒やしの信仰を拡大させよう 万代栄嗣

  • 【対談企画】参議院全国比例区立候補予定者・金子道仁牧師ってどんな人?(3)子ども8人のビッグダディ

  • スマホが動くのも量子力学のおかげ? 東工大名誉教授を講師にサイエンスカフェ

  • 沖縄復帰50年 NCC、カトリック正平協が「沖縄慰霊の日」に声明、談話

  • ルカ福音書を読む(11)「してほしいことを人にもしなさい」―新約聖書の黄金律― 臼田宣弘

  • ハンガーゼロ、西南学院大が包括連携協定締結

  • バチカン銀行、21年の純利益は26億円 過去2年に比べ半減

  • 【対談企画】参議院全国比例区立候補予定者・金子道仁牧師ってどんな人?(1)日本のチャーチスクールを救いたい

  • 必要なのは「キリストの基礎知識」 国分寺の教会が無料のオンライン聖書講座

  • 4K映像で再び劇場に!「ショーシャンクの空に」 キリスト教的世界観をベースに描き出された希望の寓話

  • 【対談企画】参議院全国比例区立候補予定者・金子道仁牧師ってどんな人?(3)子ども8人のビッグダディ

  • 【ペンテコステメッセージ】衰退し続ける教会の起死回生の決定打としての聖霊 手束正昭

  • ロシア正教会モスクワ総主教庁、渉外局長のイラリオン府主教を解任

  • ラムゼイ・ハント症候群告白のジャスティン・ビーバー「イエス様が僕と共にいてくれる」

  • トルコで巨大な地下都市跡発見、最大7万人居住 迫害下の初期キリスト教徒らが建設か

  • ニューヨーク便り(6)米国の大学で学びながら考えた「日本でクリスチャンが少ない理由」

  • 【対談企画】参議院全国比例区立候補予定者・金子道仁牧師ってどんな人?(2)教会は地方創生の鍵

編集部のお勧め

  • 【対談企画】参議院全国比例区立候補予定者・金子道仁牧師ってどんな人?(1)日本のチャーチスクールを救いたい

  • 被害者が加害者になる連鎖を断ち切るには? 「記憶の癒やし」のラプスレー司祭が講演

  • 必要なのは「キリストの基礎知識」 国分寺の教会が無料のオンライン聖書講座

  • 教会でウクライナ支援コンサート、現地で難民支援するハンガーゼロのスタッフが報告

  • ひとり子を十字架につけられる程の愛 小坂忠

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 論説委員・編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2022 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.