Skip to main content
2025年6月15日20時35分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 文化
  3. 美術・芸術

心の中の叫びを自分で書くこと 若松英輔さん講演会「詩を取り戻す」開催

2017年7月9日06時10分
  • ツイート
印刷
関連タグ:教文館若松英輔
心の中の叫びを自分で書くこと 若松英輔さん講演会「詩を取り戻す」開催+
キリスト教文化講演会で講師を務めた批評家・エッセイストの若松英輔さん=27日、教文館ウェンライトホール(東京都千代田区)で

批評家・エッセイストでカトリック信徒の若松英輔さんによる第32回キリスト教文化講演会(教文館主催)が27日、教文館ウェンライトホール(東京都千代田区)で開催された。集まった約60人を前に、「詩を取り戻す」というテーマで語った。

『イエス伝』(中央公論新社)、『内村鑑三をよむ』(岩波書店)など、キリスト教をテーマにした著作も精力的に発表する若松さんは、今年4月に初めてとなる詩集『見えない涙』(亜紀書房)を刊行した。講演会の冒頭、若松さんは、「詩は詩人だけが書くものではない。『詩を取り戻す』というテーマには『詩人から詩を取り戻す』という意味が込められている」と明かした。

「人は、思っているより自分を知らない。でも、書くことによって自分が何を思っているかが分かる。特に、小説やエッセーと違って詩は『うまい・へた』の埒(らち)外に置かれている」と述べて、まずは詩を書いてみることを勧めた。

「自分の家に畑があれば、スーパーに行って野菜をわざわざ買う必要はないのと同様、言葉も自分の中で耕すことができるなら、他の作家の作品を買って読んでばかりいる必要はない。自分の中にあって自分を照らすものを、実際に書くことによって見つけてほしい」

この日は、現代作家から古典、聖書に至るまで何冊かをテキストに、そこに書かれている言葉と向き合った。最初に取り上げたのは須賀敦子『ユルスナールの靴』(河出文庫)に収められたマルグリット・ユルスナールの「ハドリアヌス帝の回想」。

「思いはほとんど言葉にならない」「書ききれない中にこそ人生の真実がある」というユルスナールの文章を通して、「この世界では、言葉で伝えきれないことがたくさんある」と若松さんは言う。そして、「イエスのなさったこと・・・その一つ一つを書くならば、世界もその書かれた書物を収めきれないであろう」(ヨハネ21:25)という聖書の言葉を引用して、「書かれたその奥にさらなる真実が隠されており、それは心が感じるものである」と語った。

心の中の叫びを自分で書くこと 若松英輔さん講演会「詩を取り戻す」開催
若松さんの話に熱心に耳を傾ける参加者。講演の後には質疑応答の時間も持たれ、活発な意見や感想が交わされた。

若松さんは、「文字は読むものだが、意味は感じるものだ」と話す。宮澤賢治の『心象スケッチ 春と修羅』中の「白い鳥」と内村鑑三の『基督信徒のなぐさめ』第1章「愛するものの失せし時」には、愛する者を失った者の悲しみが書かれているが、その言葉は理解できても、それがどういうことなのか、著者の体験を自分に置き換えることができない人には分からないという。「詩を読んだ時に分からないと思うのは、難しいからではなく、そのことを考えたことがないからだ」

また、『古今和歌集』に収められている「挽歌」は、人間の声にならない呻(うめ)きから生まれたもので、「言葉になり得ないものを言葉にする」という詩の醍醐味(だいごみ)を味わうことができるという。

「当時は、別の人が当事者になり代わって詠むこともあった。そのように、和歌を詠めない人にも、和歌になりうる心は持っている。それゆえ、詩人は、詩を書けない人の心を受け取り、それを言葉にして、その思いを伝える役割がある」

その例として「20世紀最大の言葉の詩人」と若松さんが評するリルケの詩を取り上げた。まず『ドゥイノの悲歌』について、「言葉が姿を変え、生者と死者の間をさまよっている。リルケの詩は、生者だけでなく、亡くなった人の心にさえ届く」と明言する。また、『若き詩人への手紙』については、「物事の本質は言葉を超えたところにあり、人の口から出た言葉は、その人の思いの断片にすぎない。人が語ろうとするのは、伝えたい何かがあるからではなく、言葉では伝えきれないことがあるのを感じているからだ」と語った。

自身が敬愛する原民喜の詩にも言及し、「詩は何を書くかではなく、誰に向かって書くかによって、おのずと書きたいことが決まってくる」と伝え、『中原中也詩集』の「秋の一日」については次のように述べた。「人は毎瞬変化し、言葉を紡ぐことで毎日の魂に出会っている。他の人にどう見えても、自分にとってかけがえのないものを探して書けばいい。評価など関係ない。人は、自分の心の叫びを自分で書くことのできる内なる力を持っている」

心の中の叫びを自分で書くこと 若松英輔さん講演会「詩を取り戻す」開催
会場には若松さんの著書やお勧めの本が置かれ、サイン会も行われた。若松さんは名前とともにメッセージも書き添えた。

最後に、イエスが死ぬ間際に発した言葉「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」(マタイ27:46)について次のように語って講演を締めくくった。「イエスが十字架上でこの言葉を言ってくれたおかげで、私たちも神への叫びを言えるようになった。神は、呪いの言葉をも愛に変えることができる方だ」

講演を聞いた30代女性は、「大いに刺激を受けた。詩は自分とは遠い世界と思っていたが、自分の心と向き合い、その中から出てくる言葉で、自分でも詩を書いてみたいと思った」と感想を語った。

関連タグ:教文館若松英輔
  • ツイート

関連記事

  • 死は新しい関係を生む―共鳴する遠藤周作と宮沢賢治 若松英輔さんと山根道公さんが対談

  • 『イエス伝』刊行記念 若松英輔氏トークイベント「悲しみの人イエス」(1)

  • 内村鑑三が訴えた「非戦」の意味を今こそ考えたい 若松英輔氏(1)

  • 言葉が、私たちを包んでいる 関智征

  • 長崎に生まれ長崎を書き続ける 芥川賞作家・青来有一さんインタビュー(1)

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(224)音楽が支える聖霊による祈り 広田信也

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • ワールドミッションレポート(6月11日):キリスト教信仰が最も急速に成長している国々

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • 花嫁(27)絶えず喜んでいなさい 星野ひかり

  • ワールドミッションレポート(6月13日):カメルーンのクワクム族のために祈ろう

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.