Skip to main content
2025年6月15日20時35分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム

言葉が、私たちを包んでいる 関智征

2016年9月17日23時21分 コラムニスト : 関智征
  • ツイート
印刷
関連タグ:関智征

何年も前、上野の美術館で、私は1つの絵画の前に立った。その絵には、大航海時代のヨーロッパの港が描かれていた。

人々の生き生きとした表情、港の喧騒、荷揚げの男の屈強な体。エネルギーが絵からにじみ出ていた。

まるで港の空気や匂い、音、そして人々の命の鼓動が、絵に焼き付いているようだった。

この絵画に出会った当時、私は仕事の展望が見いだせず、悶々(もんもん)としていた。しかし、何百年前の人々の生活に思いをはせていると、自分の悩みがちっぽけに見えてきた。

絵画に限らず、「気」のこもった作品に触れるとき、私たちは自分の中に眠っていたものが引き出される経験をする。

音楽を聞いていると、聞いた当時の気持ちを思い出す。
料理を味わうと、過去に同じ料理を作ってくれた人の顔が浮かんでくる。
映画を見ていると、忘れていた過去の記憶が思い出される。

音楽、料理、映画といった「言葉」が媒介となって、私たちの中の「何か」が引き出される。

批評家であり『イエス伝』の著者である若松英輔は、以下のように言う。

言葉とは、コトバの一つの姿にすぎない。(中略)画家にとっては色と線が、音楽家には旋律が、彫刻家には形が、宗教者には沈黙がもっとも雄弁なコトバになる。苦しむ友人のそばで黙って寄り添う、こうした沈黙の行為もまたコトバである。

(若松英輔『悲しみの秘義』97ページ)

文字に限らず、絵画も音楽も彫刻も、言葉である。また「背中が語る」というように、沈黙や行動などの生き様も、言葉である。

日本には、言霊(ことだま)の思想がある。人がものを言うと、その言葉自体が、言葉の表現している内容を実現させるように働くという思想である。

言霊において、コトは「言」であり「事」なのだ。

聖書においても「言葉(ダーバール)」という単語は「出来事」をも意味する。

神(創造主)が「光あれ」と言葉を発したら、その通りの出来事が起きた。神は「言葉」によって、光と闇、水と水、陸と海を分け、この世界の秩序を創った。

新約聖書のヨハネによる福音書は「初めに言(ことば)があった。言は神と共にあった。言は神であった」で始まる。

そして、「万物は言によって成った」という。

建物は、設計図という言葉によってデザインされる。私たちの体も、DNAという言葉によって作られている。スマホのアプリも、プログラムという言語によって動く。

あらゆるものが、言葉によって成り立っている。

そして、言葉には思いが詰まっている。私がかつて見た港町の絵画も、港で働く人たちの思い、画家の思いが、時空を超えて私に語り掛けてきた。

私たちは、知らず知らずのうちに、言葉に出会っている。毎日、言葉を食べている。言葉に包まれながら、私たちは生かされているのである。

<<前回へ     次回へ>>

◇

関智征

関智征

(せき・ともゆき)

ブランドニューライフ牧師。東京大学法学部卒業、聖学院大学博士後期課程修了、博士(学術)。専門は、キリスト教学、死生学。論文に『パウロの「信仰義認論」再考ー「パウロ研究の新しい視点」との対話をとおしてー』など多数。

■ ブランドニューライフ

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:関智征
  • ツイート

関連記事

  • セミの幼虫、強制脱皮未遂事件 関智征

  • 【聖書と映画4】「レミーのおいしいレストラン」 ―料理こそが言葉― 関智征

  • 【ユダヤ文化と聖書3】プリムの祭り―策に溺れた策士ハマン― 関智征

  • 終活とキリスト教「死を覚えるとは、祈りを覚えること」関智征牧師(1/2)

  • 【聖書と映画3】「スター・ウォーズ」―光と闇の戦い― 関智征

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • ワールドミッションレポート(6月12日):ベルギーのために祈ろう

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • 花嫁(27)絶えず喜んでいなさい 星野ひかり

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.