「夫は妻を愛し、妻は夫を敬いなさい」の教えが示す夫婦のあり方 穂森幸一(5)

2015年10月16日07時16分 コラムニスト : 穂森幸一 印刷
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「夫は妻を愛しなさい」と聖書の中で神に命じられています。人情とか愛情を表すフィローではなく、また恋愛を表すエロスでもなく、犠牲愛としてのアガペー、すなわち神が人を愛されたように愛しなさいという、とても重たい命令なのです。

自然に放置していると、男は妻をおろそかにし、家庭の事に怠惰になってしまうのでこのような厳しい教えが発せられたのかと思うのは、私だけでしょうか。

人は身近な存在の評価が難しいといわれます。近ければ近いほど良いところが見えなくなるばかりか、相手の欠点に気付いてしまうのです。「また、なぜあなたは、兄弟の目の中のちりに目をつけるが、自分の目の中の梁には気がつかないのですか」(マタイ7:3)

だから夫と妻は互いに向き合ってはいけないといわれます。同じ方向に並んで座り、同一のものを見ることによって、心の交流が始まるそうです。見つめるものは、共通の趣味でもいいし、何か好きなことでもいいのです。一緒にコンサートに行く、あるいは教会の礼拝に行くなどして感動を共有することで、2人の心がしっかりと結ばれるのではないかと思います。

夫婦喧嘩のときに絶対にしてはいけないことは、相手の言葉尻を捉えてしまうことだといわれます。喧嘩がエンドレスになり、大きくなっていき、関係の修復が難しくなります。相手の言っている言葉ではなく、気持ちを受け止めると、違う展開が開けてきます。

「実は自分は寂しかった」とか「とてもつらかった」というのを素直に表現できずに、攻撃的な言葉で相手の心を傷つけてしまうことがあるのです。人は幼児期のトラウマが処理されていなければ、身近な人を傷つけて自分の心を癒やそうとすることもありますので、相手の心を受け止めることはとても大切です。

男性は褒められることで心のバッテリーを満たそうとします。女性から見たら、「愚か」と思うような行為をします。知識の誇り、一緒にテレビを見ていても、解説したがります。持ち物を誇り、収集したものを自慢します。ある程度の行為までは見逃してあげて「すごいね」と言ってあげるだけで、励みになるのです。

女性は評価されることで心が満たされます。抽象的な褒め言葉は通用しません。よく見て、その働きを評価し、感謝するときに励みになります。家事や育児などを当然と思わないで、「ありがとう」の一言で報われた思いがするのではないでしょうか。

世界の歴史の中で婦人の果たす役割はとても大きく、使徒時代の初代教会でも婦人たちが活躍しています。男性と女性ではどちらが能力的に上かという論争が巷で起こることがあります。役割が違うので比較することはできないと思います。聖書の中では、男を頭として立てなさいと教えられています。

エペソ書では「夫を敬いなさい」となっていますが、原文の意味は「恐れなさい」となっています。夫の態度に我慢できない点があっても「頭として尊重し、立てなさい」といわれます。それが家庭の秩序を生み、やがては夫も変えられていくというのです。「同じように、妻たちよ。自分の夫に服従しなさい。たとい、みことばに従わない夫であっても、妻の無言のふるまいによって、神のものとされるようになるためです」(Ⅰペテロ3:1)

アガペー(犠牲愛)の精神で誠実に尽くすときに、「尊敬」という報酬が与えられます。「同じように、夫たちよ。妻が女性であって、自分よりも弱い器だということをわきまえて妻とともに生活し、いのちの恵みをともに受け継ぐ者として尊敬しなさい。それは、あなたがたの祈りが妨げられないためです」(Ⅰペテロ3:7)

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穂森幸一

穂森幸一(ほもり・こういち)

1973年、大阪聖書学院卒業。75年から96年まで鹿児島キリストの教会牧師。88年から鹿児島県内のホテル、結婚式場でチャペル結婚式の司式に従事する。2007年、株式会社カナルファを設立。09年には鹿児島県知事より、「花と音楽に包まれて故人を送り出すキリスト教葬儀の企画、施工」というテーマにより経営革新計画の承認を受ける。著書に『備えてくださる神さま』(1975年、いのちのことば社)、『よりよい夫婦関係を築くために―聖書に学ぶ結婚カウンセリング』(2002年、イーグレープ)。

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