ミッション・スクール発祥の地 横浜開港資料館で企画展示「ガールズ ビー アンビシャス!」開催中

2015年2月13日20時45分 記者 : 新庄れい麻 印刷
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+ミッション・スクール発祥の地 横浜開港資料館で企画展示「ガールズ ビー アンビシャス!」開催中
横浜開港資料館(横浜市中区)で、先月28日から開催されている企画展示「ガールズ ビー アンビシャス!~横浜山手のミッション・スクール」
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横浜開港資料館(横浜市中区)で、先月28日から、企画展示「ガールズ ビー アンビシャス!~横浜山手のミッション・スクール」が開催されている。横浜山手で誕生した女子ミッション・スクール、フェリス女学院(1870年創立)、横浜共立学園(1871年創立)、横浜英和学院(1880年創立)、捜真学院(1886年創立)、横浜雙葉学園(1900年開校)の5校を取り上げ、その歴史をたどりつつ、ミッション・スクールが女子教育に果たしてきた役割を考える内容となっている。

横浜はミッション・スクール発祥の地だ。1859年、日米修好通商条約締結により鎖国時代が終わりを迎えると、長崎、横浜など各地の港が開港され、多くの外国人が日本にやって来た。外交官、商人だけでなく、キリスト教の宣教師・修道士も来日し、聖書翻訳や医療など幅広い分野で活躍した。学校の設立も、その働きの中の一つだったが、特に女性宣教師・修道女たちは、日本の女子教育に貢献することを大きな目標とし、明治初頭に、横浜山手に次々と小さな学校を開いていった。

1870年~1900年の間には、全国で40校以上の女子ミッション・スクールが開校するが、条約改正交渉失敗・教育勅語発布を受けての国家主義台頭によるキリスト教批判、関東大震災による深刻な被害、公立女学校の開校など、これまでの歩みは必ずしも平坦ではなかった。社会の変化の中で、英語に重点を置くという強みを生かしつつ、幾多の困難を乗り越えてキリスト教教育を守りつつ存続してきたのだ。

展示数は約140点で、横浜開港資料館所蔵品だけでなく、各学校が所蔵する資料も展示されている。それぞれの資料が一堂に会するのは、1992年1月に、『図説 横浜キリスト教文化史』(横浜プロテスタント史研究会編)が有隣堂から出版された際に同時開催された展覧会以来、実に23年ぶり。

昨年のNHK朝の連続テレビ小説「花子とアン」では、主人公村岡花子が通った東洋英和女学院が話題を集めたが、今秋から放送予定の「あさが来た」の広岡浅子も日本女子大学の創設に携わっており、女子教育に関する話題が後を絶たない。

今回の企画展名「ガールズ ビー アンビシャス」は、札幌農学校(現北海道大学)の初代教頭、ウィリアム・クラーク博士が残した有名な言葉「ボーイズ ビー アンビシャス(Boys, be ambitious=少年よ、大志を抱け)」をもじったもの。主任調査研究員の石崎康子さんは、名称に込めた狙いについて、「女性宣教師たちが、本当に日本の女性たちに伝えたかったのは、単なる学問だけではない。楽しみを持ち、希望のない現実の向こうに可能性があるということだったという、非常に前向きなメッセージを受け取ってほしい」と話す。

ミッション・スクール発祥の地 横浜開港資料館で企画展示「ガールズ ビー アンビシャス!」開催中
展示されている絵葉書「聖書授業風景」。教壇に立っているのは、横浜共立学園(当時:偕成伝道女学校)2代目校長スーザン・プラネット(横浜開港資料館所蔵)

女子教育というと、現代社会では女性の社会進出につながるイメージが強い。しかし、今回の展示からは、当時の女性宣教師たちが願っていたことが、「因習的なしきたりや高度な教養」を持った女性を育成することではなく、「思いやりの心、清純さ」「社会にも家庭にも健全な影響を与えるにふさわしい」女性を育成することであったことが分かる。多くの卒業生が、『赤毛のアン』のアンのように、卒業後、保育士や初等学校教員として活躍したことを資料は示す。また、クリスチャンホームを体験させ、家庭や幼児教育の場における自立した威厳のある女性が果たす役割を教えたというから、現代を生きるわれわれクリスチャンも、クリスチャンホームのあり方、教育についてあらためて考えさせられるきっかけにもなりそうだ。

「ガールズ ビー アンビシャス!~横浜山手のミッション・スクール」は、4月19日(日)まで横浜開港資料館企画展示室で開催。詳細・問い合わせは、同資料館HPまで。宣教師が記した英文資料を読み、ミッション・スクール創設当時の歴史をたどる資料講読講座(連続3回)や、女子ミッション・スクール5校のガイド付き散策など、関連イベント(要事前申込)も開催される予定。

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