ビジネスマンから牧師への祝福された道(1)震災を通して思うこと 門谷晥一

2015年2月2日12時41分 コラムニスト : 門谷晥一 印刷

震災を通して思うこと

2011年3月11日午後2時46分、東日本の太平洋沿岸部の500キロメートルにも及ぶ広い範囲に、我が国の有史以来最大規模とも言える、マグニチュード9・0の巨大地震に伴う未曾有の津波が襲いかかった。死者・行方不明者約1万8500人、重・軽傷者約6千人、流失家屋や建物の全・半壊20万戸以上、押し流され破壊した船舶約1万9千隻、被害を受けた農地約2万4千ヘクタール。しかし、被害はこれだけでは収まらなかった。津波による福島第1原子力発電所の電源設備の破壊による冷却機能低下と、これに伴い引き起こされた水素爆発による原子炉建屋の破壊及び放射能漏れ。更に放射能の危険に伴う、広範囲に及ぶ人々の避難と農作物への放射能汚染、等々、数え上げればきりがない程の甚大な被害を、東日本の太平洋沿岸部の人々は被った。

それは、すべてが私たちの想定を越えるものであり、言語を絶するとか、あるいは呆然自失という言葉がぴったりあてはまる程の、余りに巨大な自然災害であった。マスコミで流される被害の状況を見て、多くの人々が、自分の生きている間にこんなことが起きるのかという言葉を口にし、そして直接的な被害を受けた方々は勿論のこと、多くの日本国民が悲しみに沈み、同胞の痛みを自分の痛みと感じ、また涙を流した。実際に津波に遭われ家族を失った人々、あるいは自宅や職場を失った人々の悲しみは、いかばかりかと思う。被災地について書かれたある方のレポートの中に、「着の身着のままで、このバッグ一つを持って逃げた」「親族で10人亡くなり、3人が行方不明、9回も葬式をした」「自分は首まで水に浸かったが、旦那は(津波に)持っていかれてしまった」「家が(津波に)とられた」「震災後初めて外に出た」「会社が流された。従業員をどう養っていったらいいか」――次々と、どう応じたらよいか分からないような被災状況が語られた、とあった。震災直後には、多くの被災に遭われた方々が、これは夢であって欲しいと願われ、また実際に夢の中を歩んでいるような思いで過ごしておられたのではないかと思う。

しかし早いもので、悪夢と思えるそのような時から、すでに4年近くが経過した。それでも、被害の規模や程度が余りにも大きかったため、震災の様々な記憶はまだ私たちの内に生々しく残っている。この記憶は、恐らく今後相当の期間、いや死ぬまで消えることはないであろう。ただこの間になされた様々な復興・復旧への支援活動に伴い、多くの被災された方々が、避難所から自宅や仮設住宅、またその他の色々の場所に移って行かれ、被災地は、見かけ上は、かなり落ち着きを取り戻してきているように思われる。その反面、被災された方々御自身は、外面的には生活を再構築するという厳しい現実に、また内面的には受けた心の痛みや傷や喪失感を乗り越えるという困難な歩みに直面せざるを得ない状況に置かれ、震災直後よりむしろ辛い立場に置かれている方々が多いのではないかと、胸の痛む思いである。ただただ、被災された方々の今後の人生が、多くの方々のご支援やご協力もあって、祝福された、また心豊かで充実した歩みへと回復されるよう、心から願う者である。そのために、今後とも祈りと支援を、多くの方々と共に、長期間に亘って続けて行かなければならないと思わされている。また同時に、震災によって亡くなられた多くの方々の死を決して無駄にすることがないためにも、この試練・苦難が語りかける教訓をしっかりと受け止め、それを今後の自分たちの人生に生かして行かなければならないとも、改めて思わされている。

では私たちは、この大震災からどのような教訓を学ぶべきなのだろうか。学ぶべき教訓は本当に多くあると思う。しかしここでは、私自信が与えられた3つの基本的な教訓だけを述べるに留めたいと思う。

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門谷晥一氏

門谷晥一(かどたに・かんいち)

1943年生まれ。東京大学工学部大学院修士課程卒業。米国ミネソタ州立大学工学部大学院にてPh.D.(工学博士)取得。小松製作所研究本部首席技監(役員待遇理事)などを歴任。2006年、関西聖書学院本科卒業。神奈川県厚木市にて妻と共に自宅にて教会の開拓開始。アガペコミュニティーチャーチ牧師。著書に『ビジネスマンから牧師への祝福された道―今、見えてきた大切なこと―』(イーグレープ)。

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