「他者への貢献"Do for Others"」を教育理念に掲げるキリスト教主義大学である明治学院大学は3月28日、岩手県大槌町の仮設庁舎にてボランティア活動に関する協働連携協定を締結する調印式を行った。
明治学院大学の「キリスト教に基づく人格教育」と教育理念である"Do for Others"は、「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい(マタイ7・12)」という聖書の言葉に由来しており、33年間という長い時間を日本人のために捧げた創設者ヘボンの信念を一言で表している。明治学院大学は、そのヘボンの生涯を貫く信念とキリスト教に基づく人格教育を建学の精神を今に受け継いでいる。
大槌町からは町長の碇川(いかりがわ)豊氏、副町長の高橋浩進氏、佐々木彰氏が、明治学院大学からは学長(現明治学院長)の大西晴樹氏、ボランティアセンター長補佐で社会学部教授の浅川達人氏、同次長の三上耕一氏が出席した。大槌町との親密な関係は、これまで明治学院大学のボランティアセンターを中心とした復興支援プロジェクト「Do for Smile@東日本」を立ち上げた中で、延べ約1,000名の学生を派遣して活動を展開した中で着々と築かれていった。
岩手県大槌町吉里吉里では、学校の清掃や保育園で園児たちのケアを手伝うといった支援から始め、やがて避難所からの買い出し、さらに廃材を薪に再生して販売するプロジェクトへの協力、そして、一度は津波ですべて流されかけた「吉里吉里語辞典」をデジタルデータで復元し、その上にそれぞれの言葉が使われていた生活背景を掘り起こしながら音声データもつけ加えてデータベース化するなど、吉里吉里の文化そのものを復興し、将来に繋げてゆく作業にまで、ボランティア活動の幅は広がり、また双方の関係が深まってきたという。
調印式では、復興活動、地域経済の振興、地域文化の保存・継承、人材交流、教育および人材育成、まちづくり等について、両者の将来に渡る関係の強化が確認された。また、その後の挨拶では、明治学院大学学長(現明治学院長)の大西氏が「大槌町がボランティア学生を受け入れてくださったことで、ひとりひとりが大学の授業だけでは得られないものを獲得し大きく成長している。そのことに感謝している」と礼を述べた。一方大槌町町長の碇川氏は「大槌では明治学院大学の学生は信頼されている。“Do for Others” という教育理念がボランティア活動を通じて発露しているのだと思う」と述べた。
協定は3年間を期限とするが、その後双方で見直しながら継続されていく方針であるという。
クリスチャントゥデイからのお願い
皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。
人気記事ランキング
-
次期ローマ教皇の有力候補4人
-
イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい
-
フランスのカトリック教会、復活祭に成人1万人以上が受洗 昨年比45%増
-
「壁ではなく橋を」 平和願い続けた教皇フランシスコ 葬儀に25万人参列
-
花嫁(25)生きたささげものとして 星野ひかり
-
隠された神の意図 穂森幸一
-
21世紀の神学(26)ヘルマン・ヘッセが感じた重圧とキリスト教の本質 山崎純二
-
ローマ教皇フランシスコの死に相次いで哀悼のコメント キリスト教指導者7人の反応
-
私たちを勝利と成功へと導く日々のルーティン 加治太郎
-
イエス・キリストの生涯描いた映画「ジーザス」、提供言語が2200言語に到達
-
次期ローマ教皇の有力候補4人
-
「壁ではなく橋を」 平和願い続けた教皇フランシスコ 葬儀に25万人参列
-
京都ノートルダム女子大学、2026年度以降の学生募集を停止
-
ローマ教皇フランシスコの死に相次いで哀悼のコメント キリスト教指導者7人の反応
-
21世紀の神学(26)ヘルマン・ヘッセが感じた重圧とキリスト教の本質 山崎純二
-
イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい
-
2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」
-
イエス・キリストの生涯描いた映画「ジーザス」、提供言語が2200言語に到達
-
「苦しみ」と「苦しみ」の解決(4)神が人を引き寄せてくださる(前半) 三谷和司
-
教皇フランシスコの献花台や記帳所、東京カテドラル聖マリア大聖堂などに設置
-
次期ローマ教皇の有力候補4人
-
2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」
-
映画「パッション」続編、今年8月にもイタリアで撮影開始へ
-
教皇フランシスコの献花台や記帳所、東京カテドラル聖マリア大聖堂などに設置
-
救世軍、ブース記念病院を事業譲渡 7月から「タムス杉並病院」に
-
英国で「静かなリバイバル」 教会の礼拝出席率が増加、Z世代の男性で顕著
-
ローマ教皇フランシスコ死去、88歳
-
【イースターメッセージ】陰府(よみ)帰りの福音 金井望
-
ローマ教皇フランシスコの死に相次いで哀悼のコメント キリスト教指導者7人の反応
-
「カトリックジャパンニュース」がスタート カトリック新聞は休刊