Skip to main content
2025年8月31日08時25分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
聖ニコラスの生涯

サンタ・クロースと呼ばれた人―聖ニコラスの生涯(15)不幸な子どもへのとりなし

2025年3月19日20時45分 コラムニスト : 栗栖ひろみ
  • ツイート
印刷
サンタ・クロースと呼ばれた人―聖ニコラスの生涯(1)孤児ニコラス+
聖ニコラスの肖像画(画:ヤロスラフ・チェルマーク)

こうして2カ月ほどたつうちに、このあたりに住む貧しい家の子どもたちは、すっかりニコラスになつき、町へ出て悪いことをしたり、友達をいじめたりする子は一人もいなくなった。そして、初めはニコラスのことを奇異な目で見ていた町の人々も次第にその心を開き、信頼してニコラスに自分の子どもを預けるようになったのである。

そんなある晩のことだった。彼の耳に細い泣き声が伝わってきた。子どもの声だ。それがだんだん大きくなってきて、彼は全身を揺さぶられるような思いになった。

(ああ、あの子の声だ!)ニコラスは飛び起きて頭を抱えた。救ってやれなかったあの子。父親のために奴隷に売られたアデオダートスの声だった。すると、その声に混じって世界中の不幸な子どもたちの嘆き、苦しみ、助けを求める声が聞こえた。

太陽の光を浴びて元気に駆け回るこのミラの町の子どもを見ているうちに、ついニコラスはあのアデオダートスのように魂を引き裂かれるような思いをしている子どもがいることを忘れてしまっていたのだ。

(そうだ。不幸な子どものためにとりなしの祈りをささげよう)彼は決意した。

早朝4時。ニコラスは身支度をすると、すぐ近くの丘の中腹にあるミラの教会堂に向かった。まだあたりは薄暗い。早朝にもかかわらず、その門が大きく開いていたので、何かに誘われるように、彼は中に足を踏み入れた。そして、ばったりと石だたみに膝をつくと、両手を上に差し上げて祈り始めた。

「憐(あわ)れみ深い神様。全ての子どもは幸せでなければなりません。世界の片隅にたとえ一人でも不幸に泣く子がいることは、あなたの御心ではありません。どうか、大人から虐待されている子どもをお助けください。貧しいために一切れのパンも口にできない子どもをお救いください。全ての子たちがあなたの恵みの翼のともに保護され、その目から光が、その口から笑いが絶えることがありませんように」

ところで、このミラの教会は大きな悩みを抱えていた。ここの司教が亡くなって以来、もう半年近くたつのに司教の座が空白になっていたのである。(大きな教会にはエピスコポスと呼ばれる司教が置かれており、これは監督と同じ意味を持つ教会指導者であった)

これという人材が見つからず、長老たちは頭を悩ましていた。司教の任務は大変な重労働と重い責任を伴うもので、これに耐えられるような者はすぐに見つかるものではなかった。

司教の任務は、次のようなものだった。日曜日には集まった人々の前で説教をし、聖餐式(キリストの贖[あがな]いを記念とするためにパンとぶどう酒を分かち合うこと)を行い、人々の悩みや告白を聞き、助言や忠告を与え、さらに信徒の家を訪問して家族に祝福を与えるというのが主な任務であった。その他に、どこの教会でも負わなくてはならない義務として、貧しい人々の生活を助けるために小麦を分配することや、社会福祉のために、孤児になった子たちを引き取って保護するという役割をも負っていたのだった。

長老会は、これと思う人物を推薦するのだが、皆何かと理由をつけて辞退し、誰も引き受ける者がなかった。そこでついに、長老の一人であるシメオンが、全信徒を集めて「祈り会」を開くことにした。

「皆さん、どうかこのミラの教会に司教が与えられるよう祈ってください」。彼はこのように呼びかけ、一同と共に夜を徹して祈り続けたのだった。「祈り会」は3日続けられたが、その最終日のことである。信徒の一人で羊飼いを職業にしているアペレという若者が駆け込んできた。

「先生がた、聞いてください。私は丘の上で羊の世話をしているうちに、疲れて眠ってしまいました。すると、不思議な夢を見たのです。体つきのがっしりした男の人が、後ろにたくさんの子どもを従えて立っていました。そしてその時、天から声があったのです。『明日の早朝、まだ薄暗い時に教会に来て祈りをささげる人に、司教の座を与えなさい』と」

「おお、それはきっと神様のお告げに違いありません」。長老のシメオンは狂喜して言った。「明日の朝、暗いうちから教会の門を開けておきましょう」。「私らの切なる願いが聞き届けられたのですね」。別の長老ユストも言った。「神様は皆の心をよく知っておられるのです」

そして、彼らはその夜、翌朝のために教会の門を開けたままにしておいた。

*

<あとがき>

聖ニコラスの生涯において、子どもは重要なパートナーでした。子どもなくして彼の人生は考えられないでしょう。彼は伝道者となってミラに赴任してからも、常に子どもたちと関わり、彼らの魂をイエス・キリストに導くために労を惜しみませんでした。

そんなある時、彼の耳に子どもが泣く声が伝わってきました。そして彼は、この世に存在する全ての不幸な家庭の子どものためにとりなしの祈りをささげようと、早朝ミラの教会の門の前にひざまずきました。

実はこの時、不思議な神様の業が始められていたのです。このミラの教会では、前の司祭が亡くなって以来、司教の座に就く人がおらず、困り果てた末、長老たちが「祈り会」を開き、司教を送ってくださいと祈っていたのです。

そして運命の糸にたぐり寄せられるように、未来の司教となるべきニコラスが、不幸な子どもたちへのとりなしのためにこの教会にやって来たのでした。神様のご計画は実に、計り知れないものがあります。

<<前回へ     次回へ>>

◇

栗栖ひろみ(くりす・ひろみ)

1942年東京生まれ。早稲田大学夜間部卒業。80〜82年『少年少女信仰偉人伝・全8巻』(日本教会新報社)、82〜83年『信仰に生きた人たち・全8巻』(ニューライフ出版社)刊行。以後、伝記や評伝の執筆を続け、90年『医者ルカの物語』(ロバ通信社)刊行。また、猫のファンタジーを書き始め、2012年『猫おばさんのコーヒーショップ』で日本動物児童文学奨励賞を受賞。15年より、クリスチャントゥデイに中・高生向けの信仰偉人伝のWeb連載を始める。20年『ジーザス ラブズ ミー 日本を愛したJ・ヘボンの生涯』(一粒社)刊行。現在もキリスト教書、伝記、ファンタジーの分野で執筆を続けている。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
  • ツイート

関連記事

  • サンタ・クロースと呼ばれた人―聖ニコラスの生涯(14)イエス様のお話

  • サンタ・クロースと呼ばれた人―聖ニコラスの生涯(13)浜辺のテント小屋

  • サンタ・クロースと呼ばれた人―聖ニコラスの生涯(12)新しい人生への出発

  • サンタ・クロースと呼ばれた人―聖ニコラスの生涯(11)コンスタンティヌスとの出会い

  • サンタ・クロースと呼ばれた人―聖ニコラスの生涯(10)文明の都アレクサンドリア

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 「森は海の恋人」の畠山重篤さん、気仙沼市の名誉市民に

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(11)「苦しみ」が始まるまでの経緯(前半)悪魔の起源 三谷和司

  • ワールドミッションレポート(8月31日):ガーナのリグビ族のために祈ろう

  • 米カトリック教会で銃乱射事件 ミサ参加中の付属学校の子どもら2人死亡、17人負傷

  • ウクライナ、米大衆伝道者フランクリン・グラハム氏に勲章授与 人道支援を評価

  • 21世紀の神学(30)伊藤貫氏が提唱する古典教育とセオセントリズムの復権 山崎純二

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(11)「苦しみ」が始まるまでの経緯(後半)救いの計画 三谷和司

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも

  • 米カトリック教会で銃乱射事件 ミサ参加中の付属学校の子どもら2人死亡、17人負傷

  • 進藤龍也氏×山崎純二氏対談イベント「神様との出会いで人生が変わった」 埼玉・川口市で8月30日

  • 米福音派の重鎮、ジェームス・ドブソン氏死去 フォーカス・オン・ザ・ファミリー創設者

  • 花嫁(31)神に従う者の道 星野ひかり

  • 21世紀の神学(30)伊藤貫氏が提唱する古典教育とセオセントリズムの復権 山崎純二

  • 「森は海の恋人」の畠山重篤さん、気仙沼市の名誉市民に

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(11)「苦しみ」が始まるまでの経緯(前半)悪魔の起源 三谷和司

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(11)「苦しみ」が始まるまでの経緯(後半)救いの計画 三谷和司

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも

  • 新約聖書学者の田川建三氏死去、89歳 新約聖書の個人全訳を出版

  • キリスト教徒が人口の過半数を占める国・地域、この10年で減少 米ピュー研究所

  • N・T・ライト著『わたしの聖書物語』が大賞 キリスト教書店大賞2025

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(10)「苦しみ」から「苦しみ」へ 三谷和司

  • 日本キリスト教協議会、戦後80年の平和メッセージ キリスト者の戦争加担にも言及

  • 福音派増えるベネズエラ、大統領が「マーチ・フォー・ジーザスの日」制定 全国で行進

  • 米カトリック教会で銃乱射事件 ミサ参加中の付属学校の子どもら2人死亡、17人負傷

編集部のおすすめ

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 「罪のない赤ちゃんを殺さないで」 東京でマーチフォーライフ、中絶の問題を訴え

  • 教育改革が「日本のリバイバルにつながっていく」 牧師の金子道仁参院議員が講演

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.