Skip to main content
2025年6月15日20時35分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
ヨハネ書簡集を読む

ヨハネ書簡集を読む(12)「もてなしの勧めの手紙」―第3ヨハネ書概論― 臼田宣弘

2025年3月12日13時18分 コラムニスト : 臼田宣弘
  • ツイート
印刷
関連タグ:ヨハネの手紙三臼田宣弘

なぜこの短い書簡が残されたのか

今回から2回にわたり、第3ヨハネ書を扱います。最初に、この短い書簡がなぜ新約聖書に残されたのかについて、私の考えを記しておきたいと思います。

本コラムの第1回で、第2ヨハネ書と第3ヨハネ書の著者である「長老」が、ヨハネ福音書の著者である「愛弟子」と同一であるという私の考えをお伝えしました。「愛弟子」も「長老」も、ヨハネ共同体の核となる人物であることは、聖書学者たちによって認められています。であるならば、両者は同一人物であると考えるのが自然です。ただし、ヨハネ福音書の執筆と、第2、第3ヨハネ書の執筆には、時間的差異はあるかもしれません。

長老(=愛弟子)は、ヨハネ共同体の教会に相当数の手紙を書き送っていたでしょう。それは、パウロもそうであったろうと思います。別のコラム「パウロとフィレモンとオネシモ」の第1回で、「パウロの手紙の中には、この手紙(フィレモン書)程度の長さのものはたくさんあったであろう。しかしなぜこの手紙だけが正典として残ったのであろうか。相当な重要性があったに違いない」という松本卓夫氏の言葉を引用しました。

フィレモン書と第2ヨハネ書と第3ヨハネ書は、それほど分量に違いはありません。パピルス1枚か2枚程度に収まるものだったでしょう。パウロがフィレモン書程度の手紙をたくさん書いていたのと同じように、長老もこの程度の手紙はたくさん書いていたと思います。では、その中でなぜこの2通が新約聖書に残されたのかということですが、それはやはり第1ヨハネ書との関連からだと思います。

第1回で、ヨハネ書簡集は第1ヨハネ書が本論であり、第2ヨハネ書と第3ヨハネ書はその添付書状で、第2ヨハネ書は前書きに当たり、第3ヨハネ書は後書きに当たるという説があり、私はそれを支持していることをお伝えしました。そのことを確認した上で、私は以下のように考えています。

ヨハネ共同体の中には、長老が書き送った手紙は数多くあった。その中で、「なぜなら、人を惑わす者が大勢世に出て行ったからです。彼らは、イエス・キリストが肉体をとって来られたことを告白しません。こういう者は人を惑わす者であり、反キリストです」(第2ヨハネ書7節)とされる巡回宣教者たちの教えに対し、長老の弟子の一人が、共同体の中に初めからあったイエス・キリストの教えを基に、具体的に反駁(はんばく)する第1ヨハネ書を書き、長老の書いた第2ヨハネ書を前書きの添付書状とした。

けれども、巡回宣教者は全て悪いわけではなく、正しい巡回宣教者に対しては援助を行わなければならない。その部分をフォローするために、巡回宣教者への援助を奨励する内容で、やはり長老の書き送った第3ヨハネ書が、後書きとして第1ヨハネ書に添付された。

以上が私の考えです。そういった経緯で、第1ヨハネ書のためには、第2ヨハネ書と第3ヨハネ書も残す必要があったのだと思います。

ことによると、第1ヨハネ書の著者である長老の弟子は、ヨハネ福音書21章の著者と同じ人かもしれません。そしてその弟子は、ヨハネ福音書の本文にもいろいろ解説を加えていたとも考えられます。ヨハネ福音書19章35節の「それを目撃した者が証ししており、その証しは真実である。その者は、あなたがたにも信じさせるために、自分が真実を語っていることを知っている」が、この弟子によって書き加えられた解説であり、彼が第1ヨハネ書の著者であるならば、この弟子が第1ヨハネ書4章6節以下で書いている内容(第11回参照)と、上記が一致していることにもうなずけます。

執筆目的

第1ヨハネ書4章6節に、「真理の霊と惑わしの霊」とありますが、前述の「正しい巡回宣教者」は「真理の巡回宣教者」であり、「反キリストの巡回宣教者」は「惑わしの巡回宣教者」ということができるでしょう。ヨハネ共同体の指導者である「長老」は、惑わしの巡回宣教者に対しては、強く警戒することを求めていました。しかし同時に、真理の巡回宣教者にはもてなしを尽くすことを求めていました。

ヨハネ共同体には、両方の手紙が残されていたと思えます。前者は第2ヨハネ書であり、後者がこの第3ヨハネ書であるということができると思います。それらが、第1ヨハネ書に添付されたのです。

登場人物

第3ヨハネ書は、他の2つのヨハネ書簡とは違い、固有名の記されている登場人物が複数います。本文に先立って、これらの人たちについてお伝えします。ただし、彼らがどういう人たちであったのかは、確実な説はいずれにも存在しませんので、あまり深く詮索するのではなく、「真理の巡回宣教者に対するもてなし」という観点での説明にとどめます。

ガイオ(1節)

手紙の名宛人ですが、家の教会の提供者であり、牧会者でしょう。初期の教会には、定住型宣教者と巡回型宣教者がいました。巡回型宣教者が各地に行って伝道をし、定住型宣教者をつくり、そして自分は別の地に行き、そこに他の巡回型宣教者がやってきます。「パウロとフィレモンとオネシモ」の第3回でお伝えしましたが、フィレモンの家の教会では、フィレモンとアフィアが定住型宣教者であり、エパフラスとアルキポが巡回型宣教者であるというのが私の持論です。

ガイオは、ヨハネ共同体に属する一つの教会の定住型宣教者でしょう。長老はガイオのもてなしを称賛するとともに、さらにそれを続けるように促しています。

ディオトレフェス(9節)

この人については、ガイオの教会に属する人物であるという説と、別の教会の人物であるという説の両方があります。どちらなのかは分かりません。この人については、「頭になりたがっている」ということと、「真理の巡回宣教者たちをもてなさず、彼らを追い出そうとする者である」ということを押さえておけばよいと思います。「ディオテレフェスのようではなく、もてなしをしなさい」という存在として、この人物は登場しています。

デメトリオ(12節)

真理の巡回宣教者の1人でしょう。この第3ヨハネ書を運んだ人であるという説もあります。いずれにしても、デメトリオはもてなされるべき人物として伝えられていると思います。

今回お伝えしたことを基にして、次回に本文を読むことといたします。(続く)

<<前回へ     次回へ>>

◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:ヨハネの手紙三臼田宣弘
  • ツイート

関連記事

  • ヨハネ書簡集を読む(11)「道・真理・命」―第1ヨハネ書が伝えていること― 臼田宣弘

  • ヨハネ書簡集を読む(10)「愛と信仰」―その内的な関係― 臼田宣弘

  • ヨハネ書簡集を読む(9)「互いに愛し合う」―神様の愛を受けて― 臼田宣弘

  • ヨハネ書簡集を読む(8)「神の内にとどまり、神が人の内にとどまる」―心を安らかにされること― 臼田宣弘

  • ヨハネ書簡集を読む(7)「神の永遠の命にとどまる」―3番目の縦軸で示されていること― 臼田宣弘

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • ワールドミッションレポート(6月12日):ベルギーのために祈ろう

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • ヨハネの黙示録(3)御言葉と証し 岡田昌弘

  • ワールドミッションレポート(6月9日):カンボジア ポル・ポトの迫害を乗り越えた西チャム族のために祈ろう

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.