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不条理なる死を不可知の光で中和せよ

悪霊が悪霊を追い出す?(その3)

2023年1月26日10時44分 コラムニスト : 藤崎裕之
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関連タグ:マタイによる福音書藤崎裕之
不条理なる死を不可知の光で中和せよ―キリスト教スピリチュアルケアとして―(38)+

不条理なる死を不可知の光で中和せよ―キリスト教スピリチュアルケアとして―(38)

※ 前回「悪霊が悪霊を追い出す?(その2)」から続く。

人生の根本解決ではないが

イエスは口がきけない人から悪霊を追い出した。毎度おなじみのことだが、助けられた人にとってはおなじみのことではない。この点が大事なのだ。他でもないこの「私」が助けられたのだ。それがまあ、良かったということにはなるであろうが、とにかく口から言葉を出せるようになったことで、自己表現が回復されたのである。

そして何より、自己表現である「私」の言葉が、周りにいる人々に聞いてもらえたということが、とても意味あることなのだ。自己表現の内容を言っているのではない。「私」という人間の自己表現を聞いてもらえるという「ありがたみ」について語っているのである。これが俗にいうスピリチュアルケアということになる。余談になるが、薬物依存やアルコール依存の自助グループに行くと、「自分語り」がなされる。言いっ放し、聞きっぱなし。その内容を吟味などしない。

彼の声を聞いた群衆は驚嘆しながら、「いまだかつて、このようなことが、イスラエルで起こったためしがない」と言った。つい見逃してしまいそうな、印象に残らない言葉であるが、実はとても大事なことが書かれているのではないだろうか。

悪霊の取り憑きはあるのだろう

悪霊が取り憑(つ)くということは、われわれには関係のないことのように思えるかもしれないが、実に身に覚えのある事柄でもある。というのも、現代社会では悪霊憑きというのは当たり前の現象ではないが、自分自身にとっては思い当たることがあるからだ。悪霊に苦しめられていると公言すれば、おかしなやつだと思われるだろうが、原因不明の激痛に苦しめられていると言えば同情されるだろう。

昔あったことが今はないと言いきれるのかというと、そうでもない。要するに、現代社会では霊的な事柄については表沙汰にしづらいだけで、案外と身近に埋もれているのではないかと思う。突発性発声障害とか何となくそれらしい病名を語ることはできるが、かといってそれが医学的に全て解明できているかといえば、答えは否である。

人間というものが、いかに複雑でいかに不明瞭な時代を過ごしているかは、現実に今を生きている者なら察しが付くのだ。

悪霊体験もまた大事なものかもしれない

悪霊というものの正体をわれわれはほとんど知らないが、悪霊というものが取り憑く人間というものを少しは知っている。実に人間は悪霊に弱いらしい。とはいえ、悪霊などと関係はないと冷たい笑顔を振りまいている上級国民とか呼ばれる人々がいて、何ともうっとうしい限りなのだが、そのような人々もやはり悪霊と無縁ではない。個人とはそういうものだ。

悪霊が怖いとか、悪霊にやられているとか口にしたら、その瞬間から上級国民とか呼ばれる人々が気持ちの悪いつくり笑顔をして「それはまた、大変ですね」とほざくのである。ただし、それは架空の存在だ。われわれがつくり出した幻想に過ぎない。

われわれがつくり出した幻の上級国民は、悪霊憑きの人間を見下しながら言うかもしれない。「いやー、本当のところ、悪霊なんかいないんですよね。大体は本人の心の弱さじゃないですかね」と。つまり、この人たちは「あなたにこそ、その原因がある」「実はあなた自身が悪霊の正体じゃないか」と言っているのに等しいのである。もちろん、これは架空の話で、これほどひどい人間はいない。

事実としては、われわれがつくり出した幻でもなんでもないのが、ファリサイ派の人々であって、現実にこのような人々がいたのであり、もしかしたら今もいるかもしれない。私は実際にそんな人と出会ったことがないから幸福であったのかもしれない。

では、そのような人に聞いてみようじゃないか。「悪霊にすら取り憑かれないような心が乾き切ったあなたに対して、神はどのように働くのでしょう」と。悪霊に悩まない人間は、聖霊の満たしもないのではないか。どうだろうか。

イエスを体験する

イエスは悪霊を追い出した。ただそれだけのことだ。なぜなら悪霊は邪魔者だからだ。悪霊はまた戻ってくるかもしれないが、しかし、イエスがおられるこの瞬間はイエスに満たされればそれでよい。イエスに満たされるとは、つまりそれが癒やしであり、救いである。その結果は人それぞれだ。その行く末がどうなるかなんて、われわれが語れることではない。

口から自分の思いを出したいというその願いがかなえられたから、この人は語り始めただけだ。そして、その語りを聞いた人たちは驚くのだ。今、悪霊が出ていったのだと。そういうことが現実に起こり得るのだと人々は体験する。実に神の子を体験した、いや、神そのものを体験したのである。

一方でファリサイ派の人々は、この目の前の出来事に対して「悪霊の頭(かしら)によって、悪霊を追い出しているのだ」と言う。それもまた自由ではある。自由であるが夢がない。無味乾燥である。悪霊は悪霊の頭の力でなければ追い出せないとしたら、それを現代社会に置き換えたらどうなるだろうか。小悪は大悪でなければ解決できないということだろうか。ならば、大悪は誰がどのようにして解決するのか。

われわれにとってイエス体験とは何であろうか。悪霊体験は全くもって邪悪であり、身体の不都合であり、心の痛みである。そんなものは望んで体験するものではない。イエス体験とは聖霊が働くこと、これ以外に何があるだろうか。時に人間は悪霊を体験する。それが現実であり、どんな上級国民も悪霊を体験する。同じように、どんな罪人もまた神を体験できるのである。

悪霊は人間を傷つけ、人間が神に近づくことを妨げる。しかし、自分が悪霊の住み家となっても、その人の命も心も魂も、悪霊に完全に奪われるわけではない。神から遮断されているだけだ。そのような人にこそ聖書は語る。イエスを体験せよと。つまり、聖霊体験が必要なのだと。

病んでいるからキリストが必要なのだ。ただそれだけのことだ。歪んでいるからキリストが必要なのだ。ただそれだけのことだ。悪霊に悩むからキリストを体験したいのだ。その当たり前のことを願いつつ生きる、まさにそれがキリスト教的なスピリチュアルケアの本質である。

あなたに必要なことはイエス・キリストによって回復すること、ただそれだけのことである。どのように回復するのか。簡単なことである。神と共にある命を回復することだ。(終わり)

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◇

藤崎裕之

藤崎裕之

(ふじさき・ひろゆき)

1962年高知市生まれ。明治から続くクリスチャン家庭に育つ。88年同志社大学大学院神学研究科卒業。旧約聖書神学専攻。同年、日本基督教団の教師となる。現在、日本基督教団隠退教師、函館ハリストス正教会信徒。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:マタイによる福音書藤崎裕之
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