Skip to main content
2025年8月18日18時25分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
ルカ福音書を読む

ルカ福音書を読む(7)「荒れ野での悪魔の誘惑」―神の子ならやってみろ― 臼田宣弘

2022年5月18日09時57分 コラムニスト : 臼田宣弘
  • ツイート
印刷
関連タグ:ルカによる福音書臼田宣弘

前回、イエス様は「12歳という成人前夜に、自分が神であることを顕(あら)わされた」とお伝えしましたが、ルカ福音書はその後もイエス様が神の子であることを伝えています。一つは、イエス様がヨルダン川で洗礼者ヨハネから洗礼を受けた場面です。3章21~22節に、「民衆が皆洗礼を受け、イエスも洗礼を受けて祈っておられると、天が開け、聖霊が鳩のように目に見える姿でイエスの上に降って来た。すると、『あなたはわたしの愛する子、わたしの心に適(かな)う者』という声が、天から聞こえた」とあります。この天から「あなたはわたしの愛する子、わたしの心に適う者」という声が聞こえたという描写が、イエス様が神の子であることを伝えているといえると思います。

もう一つは、3章23~38節にイエス様の系図がありますが、その最後が「アダム。そして神に至る」で結ばれていることです。イエス様の系図はマタイ福音書の冒頭にもありますが、それはアブラハムから始まるものです。ルカが系図を神に至らせていることは、イエス様が神の子であることを重視しているとされています(リチャード・アラン・カルペパー著『NIB新約聖書注解4 ルカによる福音書』111ページ参照)。

このように、ルカ福音書はイエス様が神の子であることを明示して、その直後で今度はその神の子が、神の子であることを理由に、悪魔の誘惑に3度遭ったお話を伝えています。今回はその箇所である4章1~13節を読みます。

4:1 さて、イエスは聖霊に満ちて、ヨルダン川からお帰りになった。そして、荒れ野の中を“霊”によって引き回され、2 四十日間、悪魔から誘惑を受けられた。その間、何も食べず、その期間が終わると空腹を覚えられた。3 そこで、悪魔はイエスに言った。「神の子なら、この石にパンになるように命じたらどうだ。」 4 イエスは、「『人はパンだけで生きるものではない』と書いてある」とお答えになった。5 更に、悪魔はイエスを高く引き上げ、一瞬のうちに世界のすべての国々を見せた。6 そして悪魔は言った。「この国々の一切の権力と繁栄とを与えよう。それはわたしに任されていて、これと思う人に与えることができるからだ。7 だから、もしわたしを拝むなら、みんなあなたのものになる。」 8 イエスはお答えになった。「『あなたの神である主を拝み、ただ主に仕えよ』と書いてある。」 9 そこで、悪魔はイエスをエルサレムに連れて行き、神殿の屋根の端に立たせて言った。「神の子なら、ここから飛び降りたらどうだ。10 というのは、こう書いてあるからだ。『神はあなたのために天使たちに命じて、あなたをしっかり守らせる。』 11 また、『あなたの足が石に打ち当たることのないように、天使たちは手であなたを支える。』」 12 イエスは、「『あなたの神である主を試してはならない』と言われている」とお答えになった。13 悪魔はあらゆる誘惑を終えて、時が来るまでイエスを離れた。

この箇所は、私の牧会する教会の教会学校に集う生徒たちが大好きなお話しです。『こどもさんびか 改訂版』には、このお話による「おなかのすいたイェスさまに」(51番)という歌があり、これも生徒たちに愛唱されています。

おなかのすいたイェスさまに あくまは言いました
「おまえが神の子なら この石をパンにしろ」
イェスさまは ゆうわくに うちかって 言いました
「人はパンだけで生きるものではありません」

(『こどもさんびか 改訂版』51番「おなかのすいたイェスさまに」1節)

場面は、イエス様が40日間断食することから始まります。イエス様が40日間断食されたのは、モーセが40日間断食したことに倣ったといわれています(出エジプト34:28参照)。

イワン・クラムスコイ「曠野(あらの)のイイスス・ハリストス(イエス・キリスト)」(ロシア・トレチャコフ美術館所蔵)
イワン・クラムスコイ「曠野(あらの)のイイスス・ハリストス(イエス・キリスト)」(ロシア・トレチャコフ美術館所蔵)

イエス様が空腹を覚えられたところに悪魔が登場し、1つ目の誘惑をします。悪魔は、「神の子なら、この石にパンになるように命じたらどうだ」と言い放ったのです。これは、「楽しい生活をしたらどうだ」という誘惑です。

このような誘惑は、出エジプトをしたイスラエルの民にもなされています。出エジプト記16章3節によるならば、エジプトを出たイスラエルの民は、荒れ野に入って思うように食事ができなくなると、モーセとアロンに向かって不平を述べ立てます。「我々はエジプトの国で、主の手にかかって、死んだ方がましだった。あのときは肉のたくさん入った鍋の前に座り、パンを腹いっぱい食べられたのに。あなたたちは我々をこの荒れ野に連れ出し、この全会衆を飢え死にさせようとしている」と言ったのです。

イスラエルの民は、おいしいものを食べるという「楽しい生活をしたらどうだ」という誘惑に負けてしまったのです。しかし、イエス様は「『人はパンだけで生きるものではない』と書いてある」と申命記の言葉を引用して、この誘惑に打ち勝たれたのです。

2つ目の誘惑として悪魔は、イエス様を高い所に引き上げて世界のすべての国々を見せました。そして、「この国々の一切の権力と繁栄とを与えよう」と言ったのです。つまり、「この世を支配する力を持つ救い主になれ」という誘惑を行ったのです。いわば支配欲に対する誘惑です。

サンドロ・ボッティチェリ「キリストの試練」(バチカン・システィーナ礼拝堂所蔵)
サンドロ・ボッティチェリ「キリストの誘惑」(バチカン・システィーナ礼拝堂所蔵)

しかしイエス様は、やはり申命記の言葉を引用して、「『あなたの神である主を拝み、ただ主に仕えよ』と書いてある」とお答えになりました。2度目も悪魔の誘惑に打ち勝ったのです。

悪魔は3つ目の誘惑として、イエス様をエルサレム神殿の屋根の端に立たせます。そして、またもや「神の子なら」という言葉で切り出して、「ここから飛び降りたらどうだ」と言ったのです。神殿には、礼拝をするためにたくさんの人が訪れています。「おまえが神の子なら、天使たちがおまえを支えるだろうから特別な人に見られるだろう」という、いわば「人気者になれるぞ」という誘惑です。

しかしイエス様は、「『あなたの神である主を試してはならない』と言われている」と、やはり申命記を引用してお答えになりました。こうして、3度目も悪魔の誘惑に打ち勝ったのです。

神の子であるイエス様が、このように3度悪魔の誘惑に遭い、それに打ち勝ったということは、私たちが同じような誘惑に遭遇したとき、その私たちと共にイエス様がいてくださって、私たちもまた誘惑に打ち勝つ道に導いてくださるということではないでしょうか。(続く)

<<前回へ     次回へ>>

◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:ルカによる福音書臼田宣弘
  • ツイート

関連記事

  • ルカ福音書を読む(6)「わたしの父の家」―神殿の少年イエス様― 臼田宣弘

  • ルカ福音書を読む(5)「シメオンとアンナ」―老預言者たちに差した希望の光― 臼田宣弘

  • ルカ福音書を読む(4)「アブラハムの子孫」―その新約的意義― 臼田宣弘

  • ルカ福音書を読む(3)「マリアへの受胎告知」―ダビデ王朝の復興― 臼田宣弘

  • ルカ福音書を読む(2)「洗礼者ヨハネの誕生」―老夫妻の新たな出発― 臼田宣弘

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 福音派増えるベネズエラ、大統領が「マーチ・フォー・ジーザスの日」制定 全国で行進

  • 新約聖書学者の田川建三氏死去、89歳 新約聖書の個人全訳を出版

  • N・T・ライト著『わたしの聖書物語』が大賞 キリスト教書店大賞2025

  • 米韓政府の政策で対北朝鮮ラジオ放送が80%減少、キリスト教迫害監視団体が懸念

  • いのちの書に名を記される幸い 万代栄嗣

  • 主は生きておられる(240)黒い雨 平林けい子

  • シリア語の世界(30)シリア語新約聖書の和訳(1)マタイ福音書からテサロニケ人への手紙第二まで 川口一彦

  • 嫌いと無関心 菅野直基

  • 立ち向かう勇気 佐々木満男

  • ドイツで神学生が大幅に減少、5年前の3分の2に

  • キリスト教徒が人口の過半数を占める国・地域、この10年で減少 米ピュー研究所

  • 新約聖書学者の田川建三氏死去、89歳 新約聖書の個人全訳を出版

  • ドイツで神学生が大幅に減少、5年前の3分の2に

  • N・T・ライト著『わたしの聖書物語』が大賞 キリスト教書店大賞2025

  • 日本キリスト教協議会、戦後80年の平和メッセージ キリスト者の戦争加担にも言及

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(10)「苦しみ」から「苦しみ」へ 三谷和司

  • 立ち向かう勇気 佐々木満男

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(228)宣教は聖霊の働きによって拡大する 広田信也

  • 主キリストの選びに生きよう 万代栄嗣

  • 根田祥一氏の敗訴確定、最高裁が上告棄却 本紙に対する名誉毀損で賠償命令

  • 新約聖書学者の田川建三氏死去、89歳 新約聖書の個人全訳を出版

  • キリスト教徒が人口の過半数を占める国・地域、この10年で減少 米ピュー研究所

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(10)「苦しみ」から「苦しみ」へ 三谷和司

  • 日本基督教団、戦後80年で「平和を求める祈り」 在日大韓基督教会と平和メッセージも

  • 日本キリスト教協議会、戦後80年の平和メッセージ キリスト者の戦争加担にも言及

  • コンゴで教会襲撃、子ども含む43人死亡 徹夜の祈祷会中に

  • N・T・ライト著『わたしの聖書物語』が大賞 キリスト教書店大賞2025

  • ドイツで神学生が大幅に減少、5年前の3分の2に

編集部のおすすめ

  • 「罪のない赤ちゃんを殺さないで」 東京でマーチフォーライフ、中絶の問題を訴え

  • 教育改革が「日本のリバイバルにつながっていく」 牧師の金子道仁参院議員が講演

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.