Skip to main content
2025年7月12日10時33分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 文化
  3. 映画

前作からさらにパワーアップ! 「SING/シング:ネクストステージ」

2022年3月14日18時01分 執筆者 : 青木保憲
  • ツイート
印刷
関連タグ:U2
前作からさらにパワーアップ! 「SING/シング:ネクストステージ」+
「SING/シング:ネクストステージ」/ 2022年3月18日(金)TOHOシネマズ梅田他、全国ロードショー / 配給:東宝東和 / ©2021 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.

「ミニオンズ」「ペット」「怪盗グルー」シリーズなどで有名な米アニメスタジオ「イルミネーション」が、前作「SING/シング」を公開したのが2016年。日本では翌年3月に公開され、国内だけで51億円もの興行収入を上げた。私も当時、前作のレビューを書かせていただいた。その続編として日本で3月18日に公開されるのが、本作「SING/シング:ネクストステージ」である。

前作同様、40曲以上の楽曲が用いられ、約2時間の中で無音の場面など一瞬たりともないほど、(目はもちろんのこと)耳を刺激する作品となっている。プリンス&ザ・レヴォリューションの「Let’s Go Crazy」に始まり、エルトン・ジョン、ビリー・アイリッシュ、テイラー・スウィフト、ビヨンセ、ジャスティン・ビーバーなど、世界的なシンガーたちのあまたのヒット曲が、これでもかというほど贅沢に(わずか数秒しか使われない場面も!もったいない!)使用されている。これらの楽曲の中で特筆すべきは何と言っても、U2の30年以上前の名曲「I Still Haven’t Found What I’m Looking For」と、新曲書き下ろしの「Your Song Saved My Life」である。

物語は至ってシンプルだ。タイトルからも分かるように、主人公たちが「ネクストステージ(次の舞台)」を目指して奮闘する姿をコミカルかつゴージャスに描き出している。もちろん最終的にはお約束のハッピーエンドとなるのだが、そこに至るまでのプロセスに組み込まれた人間模様が前作以上に多岐にわたる。本作は、このお約束の着地点に行き着くまでのプロセスを楽しむ映画である。

前作からさらにパワーアップ! 「SING/シング:ネクストステージ」
©2021 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.

前作で自らの劇場を立て直したコアラの支配人バスター・ムーンは、エンターテインメントの聖地レッド・ショア・シティで公演することを夢見て、今日も地元の公演に励んでいる。しかし、公演を視察に来たクリスタル・タワー・シアターの視察員からは三流だと切り捨てられ、夢はついえてしまう。だが、諦めきれないバスターは、仲間と共にお忍びでクリスタル・タワー・シアターへ足を向ける。そしてついに、シアターのオーナーであり、ショービズ界の成功者であるオオカミの社長ジミー・クリスタルに直訴するチャンスを得る。ジミーは、バスターたちがクリスタル・タワー・シアターで公演を行うことを許可する。しかしそれには、往年のビッグシンガーであるライオンのクレイ・キャロウェイの出演が絶対条件だった。バスターは何のツテもないのに、クレイを口説き落とし、このステージで歌ってもらわなければならなくなる。しかも、クレイは15年以上人前から姿を消し、一切メディアの前に姿を現していない、まさに「伝説の人」だったのだ――。

本作は、クレイという一人のシンガーの回復の物語を軸に、前作で歌うことの喜びや楽しさを享受した登場人物たちが、さらなる試練に遭うことで、シンガー、パフォーマーとしてのレベルアップを目指して奮闘する展開になっている。

前作からさらにパワーアップ! 「SING/シング:ネクストステージ」
©2021 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.

そしてもう一つ、底流に流れるのが「真の能力とは何か」をめぐる過去と現在の対峙(たいじ)である。本作でエンターテインメントの聖地として描かれるレッド・ショア・シティとは、おそらくラスベガスやハリウッドのメタファーであろう。そして、その中心に君臨するジミー、シアターで雇われている視察員、ダンス振付師(サル)らは、「持てる者(富裕層)」の象徴である。彼らは、業績や名声、そして今までのやり方に固執し、そこから外れた者をすべて排除しようとする。一方、バスターはじめ、ゾウのミーナ、ブタのグンターとロジータ、ゴリラのジョニーたちは、才能はあっても名声はない、いわゆる「持たざる者(貧困層)」である。ここに新キャラで無名のストリートダンサー、ヤマネコのヌーシーが加わる。いくら才能やアイデアがあっても、それを認めようとしない「持てる者」たち。彼らの世界に果敢に挑戦する「持たざる者」たち。この構図はまさに、現代の米国の分断、二極化という社会背景がリアルに透けて見える部分である。

本来交わることのない二層の接点となるのが、クレイである。彼の設定は、かつては「持てる者」だったが、その道から外れて今はあえて「持たざる者」に身を落としている老年のシンガーとされている。そんな彼が、「持たざる者」ではあっても歌うことの本当の意味を知るヤマアラシのアッシュと出会うことで変えられていく。この過程を言葉ではなく、まさに「シング」することで描く展開は見事だ。そしてラストは、誰もが願っていた最高のステージへと物語は展開していく。

前作からさらにパワーアップ! 「SING/シング:ネクストステージ」
©2021 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.

私は前作レビューの末尾で、「歌にまつわる忘れがちな『信仰』に気付かせてくれた秀作である」と述べたが、続編となる本作は、それをさらに普遍化させた感動を私たちに与えてくれる。偏見や不条理、格差、他者との優劣――そういったものが厳然と存在するこの世界に向かって、恐れや不安、焦りを抱きながらも一歩踏み出す勇気を与えてくれるもの、それが「歌」だというメッセージである。

私たちが毎週の礼拝で賛美を「歌い」、ワーシップソングを「歌う」のは、自らのアイデンティティーを聖書の世界観から頂くとともに、「歌う」こと自体から勇気をもらっていることの証しでもあるのだろう。二極化する世界を一つにまとめるもの、それが歌であるというなら、本作でクレイが果たした役割を、キリスト教の世界ではイエス・キリストが果たしてくれる。私たちクリスチャンは、そう信じて歌うことが求められているのかもしれない。

親子で、また教会の仲間で、ぜひ楽しんで鑑賞していただきたい、春休みにぴったりの一作である。

■ 映画「SING/シング:ネクストステージ」予告編

■ 映画「SING/シング:ネクストステージ」公式サイト

◇

青木保憲

青木保憲

(あおき・やすのり)

1968年愛知県生まれ。愛知教育大学大学院卒業後、小学校教員を経て牧師を志し、アンデレ宣教神学院へ進む。その後、京都大学教育学研究科修了(修士)、同志社大学大学院神学研究科修了(神学博士)。グレース宣教会牧師、同志社大学嘱託講師。東日本大震災の復興を願って来日するナッシュビルのクライストチャーチ・クワイアと交流を深める。映画と教会での説教をこよなく愛する。聖書と「スターウォーズ」が座右の銘。一男二女の父。著書に『アメリカ福音派の歴史』(明石書店、12年)、『読むだけでわかるキリスト教の歴史』(イーグレープ、21年)。

関連タグ:U2
  • ツイート

関連記事

  • たかが「歌」、されど「歌」! 映画「SING/シング」に見る、生きざまの発露としてのステージ!

  • U2のボノが若きクリスチャン・アーティストに送る言葉 「ありのままの正直さを聞きたい」

  • 震災×コメディーの異色コラボ「永遠の1分。」 未熟ながらも熱量で一気に押し切る快作

  • 「シネマ牧師」が選ぶ2021年の映画ベスト10(1)

  • 米国クリスチャンの「日常」と「信仰」を垣間見れる秀作 「君といた108日」

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 教育改革が「日本のリバイバルにつながっていく」 牧師の金子道仁参院議員が講演

  • 米テキサス州洪水、死者100人超える キリスト教サマーキャンプ参加の少女ら多数犠牲

  • 中国・臨汾で2つの「家の教会」の牧師や信者らに有罪判決 最大拘禁9年2カ月

  • Gゼロ時代の津波石碑(4)芥川を自死に至らしめた「ぼんやりした不安」と2つの遺書 山崎純二

  • 見捨てない神 穂森幸一

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(226)葬儀文化を受け継ぎ、教会がエンディングを支える時代が来る 広田信也

  • 約3年ぶりに死刑執行、日本カトリック司教協議会社会司教委員会と矯風会が抗議

  • 初めの愛に戻りなさい 佐々木満男

  • 第一のことを第一にする人生の祝福 菅野直基

  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(7)共同体の重視 臼田宣弘

  • 米テキサス州洪水、死者100人超える キリスト教サマーキャンプ参加の少女ら多数犠牲

  • 学校法人聖学院、新理事長に田村綾子氏

  • 教育改革が「日本のリバイバルにつながっていく」 牧師の金子道仁参院議員が講演

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(8)「建物の話」 三谷和司

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 紛争地の宗教者らが参加、第3回東京平和円卓会議 赦しの重要性、即時停戦など呼びかけ

  • 約3年ぶりに死刑執行、日本カトリック司教協議会社会司教委員会と矯風会が抗議

  • 聖書から事実を引き出す学び「IBS」を分かりやすく説明する講座 7月12日から

  • 中国・臨汾で2つの「家の教会」の牧師や信者らに有罪判決 最大拘禁9年2カ月

  • 初めの愛に戻りなさい 佐々木満男

  • 米テキサス州洪水、死者100人超える キリスト教サマーキャンプ参加の少女ら多数犠牲

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 学校法人聖学院、新理事長に田村綾子氏

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(8)「建物の話」 三谷和司

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 米国の福音派牧師は半数近くが兼業している 調査で判明

  • 教育改革が「日本のリバイバルにつながっていく」 牧師の金子道仁参院議員が講演

  • 聖書から事実を引き出す学び「IBS」を分かりやすく説明する講座 7月12日から

  • 紛争地の宗教者らが参加、第3回東京平和円卓会議 赦しの重要性、即時停戦など呼びかけ

  • 約3年ぶりに死刑執行、日本カトリック司教協議会社会司教委員会と矯風会が抗議

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.