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福音「が」語れる映画

福音「が」語れる映画(2)「ソウルフル・ワールド」

2021年1月27日17時45分 執筆者 : 青木保憲
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福音「が」語れる映画(2)「ソウルフル・ワールド」+
映画「ソウルフル・ワールド」のディズニープラス公式ページ

本来なら2020年夏に劇場公開されるはずだったピクサー映画「ソウルフル・ワールド」(原題:Soul)。脚本・監督は、前作「インサイド・ヘッド」でアニメ各賞を総なめにしたピート・ドクター。本作は「インサイド・ヘッド」からさらに深化して、人間の心情、魂を描く力作である。

本作は一旦、昨年のクリスマスに公開することで延期された。しかし、さらに新型コロナウイルスの感染状況が悪化したことで、遂に「ディズニープラス」でのネット配信となってしまった。昨年12月25日から配信が開始され、多くの批評家、そして一般視聴者から「絶賛の嵐」で迎えられている。私も本作が観たいがために、今年の元旦にディズニープラスに登録してしまった。

主人公ジョーは、ジャズピアニストとして一本立ちすることを夢見ながらも、ニューヨークの中学校で音楽を教える中年男性の非常勤講師。彼の指導でどうにかこうにか形になりつつあるブラスバンドの風景から物語は始まる。練習後、校長から「本採用になりますよ。おめでとう」という声を掛けられる。本来なら喜ぶはずだが、彼の内にはそんな気持ちは湧いてこない。なぜなら、「しがない音楽教師になること」はすなわち「ミュージシャンの道を諦めること」を意味していたからである。

しかし、そこに一本の電話が入る。超有名なジャズシンガーがピアニストを探しているというのだ。早速オーディションを受けるジョー。そしてめでたく彼はそのシンガーの専属ピアニストの地位を得る。そして、その夜のコンサートに出るため喜んでニューヨークの街を駆け出すジョー。だが次の瞬間、マンホールに落ちてその生涯を終えてしまうのだった――。

ここまでが冒頭の約15分で語られる。ここからがすごい。彼は死後の世界に向かう階段(本作は、前作「インサイド・ヘッド」同様、かなり複雑かつ独特な世界観が満載)の途中で、「ユー・セミナー」という、人間として生まれる前のソウル(魂)たちが集う世界へ迷い込む。この世界では、人間として生まれるためにソウルたちがいろいろな性格を身に着け、そして最終的に「きらめき」と呼ばれるスパークを体験したとき、地上への通行許可証が与えられることになっている。

ジョーはここで一計を案じる。それは、自分がメンターとして担当する「22番」のソウルをスパークさせ、与えられた地上への通行許可証を奪ってもう一度自分の体に戻り、ミュージシャンとしての人生をやり直そうというものだった。果たしてジョーの目論見はうまくいくのか。そして「22番」はどうやって「きらめき」を手にするのか。さらに、ジョーはちゃんとコンサートに間に合い、ステージでピアノを弾くことができるのか。そこには、大人も子どもも楽しめるストーリーの起伏があり、あっという間の1時間40分が展開している。

さて、本作は一見するとキリスト教の世界観とはおよそ縁遠い気がするだろう。それもそのはず。死後の世界に階段があり、しかもソウルはユー・セミナーという特殊な場所で訓練を受け、「きらめき」を手にしたら人間になれる――。こんな映画を子どもに見せたら、また未信者に見せたら、むしろ福音から遠ざかってしまうのではないか。そんな危惧を抱く人もいるかもしれない。

だが、それらは私たちに物語の本質をつかませるための「装置」でしかないと割り切るなら、この物語が伝えようとする本質、つまり「人間が生きるために必要なものとは何か」という問いに気付くことができる。逆説的な説明だが、本作でジョーは確かに憧れていたジャズピアニストとして成功を収める。しかし、それで物語は終わらない。いや、むしろ「思い描いていた成功」の先に、本作が最も伝えたい(観客に考えさせたい)テーマが存在しているのだ。それは、この複雑怪奇な物語設定の核をなす「きらめき」に関することである。結果的に「22番」と呼ばれるソウルは、この「きらめき」を手にして、この世に生まれる通行許可書をゲットする。だが、本人はそれがどうやって自分のものになったのか「分からない」のだ。どうして分からないのか。それが本作最大の肝である。

よく聖書を通して語られる「福音」は、「あなたは何もしなくてもいい。ただ信じれば救われる」と伝えられる。しかし、この文には矛盾がある。「何もしなくていい」のに「信じること」をしなければならないと仕向けられているからだ。だが、これをもっと的確に言うなら、私たちは「doing(~をすること)」によって救われるのではなく、「being(~であること)」によって、(罪ある存在から救われた存在に)存在価値がまったく反転することによって、「信じる」ことになるということである。

本作の「きらめき」は、まさにこの doing から being への転換を分かりやすく、そして簡潔に描いている。この転換こそ、私たち牧師が毎回の伝道メッセージで聴衆に分かってもらいたいと語る内容である。

だから私は最後にこう提案したい。ぜひ本作を視聴(もちろんディズニープラスに加入して!)してから、牧師の解説を添えると良い。そんな伝道集会を教会で開催したらいい。コロナ禍の今、ぜひだまされたと思って本作をご覧いただきたい。あなたが福音派クリスチャンなら、きっと本作で語られている「きらめき」について、聖書から語りたくなるだろう。

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■ 映画「ソウルフル・ワールド」本編クリップ

■ 映画「ソウルフル・ワールド」ディズニープラス公式ページ

◇

青木保憲

青木保憲

(あおき・やすのり)

1968年愛知県生まれ。愛知教育大学大学院卒業後、小学校教員を経て牧師を志し、アンデレ宣教神学院へ進む。その後、京都大学教育学研究科修了(修士)、同志社大学大学院神学研究科修了(神学博士)。グレース宣教会牧師、同志社大学嘱託講師。東日本大震災の復興を願って来日するナッシュビルのクライストチャーチ・クワイアと交流を深める。映画と教会での説教をこよなく愛する。聖書と「スターウォーズ」が座右の銘。一男二女の父。著書に『アメリカ福音派の歴史』(明石書店、12年)、『読むだけでわかるキリスト教の歴史』(イーグレープ、21年)。

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