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福音「が」語れる映画

福音「が」語れる映画(1)「アルプススタンドのはしの方」「のぼる小寺さん」

2021年1月8日11時00分 執筆者 : 青木保憲
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福音「が」語れる映画(1)「アルプススタンドのはしの方」「のぼる小寺さん」+
映画「アルプススタンドのはしの方」のポスターと、映画「のぼる小寺さん」のブルーレイ・ジャケット

2021年になりました。皆さんも、新しい願いや目標を掲げておられることでしょう。私もクリスチャントゥデイへの寄稿が5年目を迎えますので、新しいシリーズを開始したいと思います。題して【福音「が」語れる映画】シリーズです。

多くの映画やDVDが毎月のように製作されています。その中で、世間から一際大きく注目されているわけではないが、独自の視点で見ると、なかなか面白い作品は結構あります。そこで今回、「この映画であれば福音が語れる!」という視点で、さまざまな映画を紹介していきたいと思います。こうすることで、映画の幅も質も大きく広がります。そうでないと、ベタベタのキリスト教礼賛映画か、「聖書をそのまま映像化しました」的な歴史絵巻でしか、キリスト教を伝える映画は存在しないということになってしまいます。それではあまりにももったいない。だから、このシリーズで取り上げる作品のほとんどは、キリスト教や聖書の内容に直接は触れていないものばかりです。しかし、「一見何にも関係ないように思える作品であっても実は・・・」というところに注目してもらえるとうれしいです。

栄えあるシリーズ第1回で取り上げるのは、昨年公開された邦画2作品です。城定秀夫監督の「アルプススタンドのはしの方」、そして古厩(ふるまや)智之監督の「のぼる小寺さん」。両作品に共通しているのは「頑張れ」という言葉です。

実は数年前、長女が大学入試を迎えたとき、頑張って受験勉強をしている彼女を励まそうと、「頑張れ!きっとうまくいくよ」と伝えたことがあります。すると意外な反応が返ってきました。それは「頑張れって言わないで! これ以上どう頑張れっていうの? 私は精いっぱいやっているから!」というものでした。

福音「が」語れる映画(1)「アルプススタンドのはしの方」「のぼる小寺さん」
©2020「アルプススタンドのはしの方」製作委員会

この時、私たちの世代(昭和40年代生まれ)にとっての温かい励ましの言葉は、平成世代にとっては違う響きで伝わるのだと知りました。「頑張れって言われるとしんどくなる」ということでしょう。それは言い換えるなら、目上の人が子どもたちや後輩たちに「頑張れよ」とあまりにも気軽に伝えてしまっているため、プレッシャーだけが重くのしかかり、発信者の思いやりや愛情はどこか抜け落ちているということでしょう。

しかし令和時代に入り、そのような傾向にもまた新たな変化が起こり始めています。今回取り上げた2作品は、何気なくDVDをレンタルしに行ったときに見つけたものですが、奇しくも同じテーマを扱っていました。それが「頑張れ」という言葉に集約されるのです。

まず「アルプススタンドのはしの方」から。本作は、兵庫県東播磨(はりま)高校演劇部が第63回全国高等学校演劇大会で最優秀賞に輝いた演劇の戯曲が原作です。プロの劇団がこれをリライトし、2019年に浅草九劇で上演されました。そしてその年の「浅草ニューフェイス賞」を受賞しています。演劇の時と同じキャストが映画版にも登場し、75分という中編作品ながら、心に刺さる作品となっています。

映画「アルプススタンドのはしの方」予告編

舞台は、高校野球・夏の甲子園1回戦。そのアルプス席の端っこに座って、気のない応援をしている高校生4人の物語です。彼らはそれぞれに「もやもや」を抱えており、誰も野球の応援に集中していません。何気ない会話から、それぞれが抱えている悩みや苦しみの一端が明かされていきます。そして、どうしてこんなにやる気のない状態になってしまったのかが分かり始めるのです。しかしあることがきっかけとなり、実は胸の内に眠っていた(本人は気付いていない)熱い思いが次第に顔をのぞかせていく、という展開になっています。

さすがは劇曲を原作としているため、軽快な掛け合いや何気ない会話の中に大切な伏線が仕込まれており、一瞬たりとも気が抜けない作品です。とはいえ、一見だらだらと話がつながっていくため、「これ、どこに向かっているの?」と思わされることもしばしば。そして最後に一気に「持っていく」その展開は、見事なカタルシスを与えてくれます。そして観た人は、「もう一度頑張ってみよう」と思わされることでしょう。

福音「が」語れる映画(1)「アルプススタンドのはしの方」「のぼる小寺さん」
©2020「のぼる小寺さん」製作委員会 ©珈琲/講談社

一方、「のぼる小寺さん」の方はというと、もう少し単純な物語です。クライミングの一種であるボルダリングに夢中になっている女子高生(小寺さん)の日常を描いた人気青春漫画(原作者は「珈琲」)を映画化したものです。物語の語り部となるのは、昨年やらかしてしまった伊藤健太郎。そして主人公ながら実はバイプレーヤー的な存在の小寺さんを演じるのは、「モーニング娘。」の元メンバーである工藤遥。実際にボルダリングを自分でやってみるほどの熱演です。

こちらの物語は、何をするにもやる気の出ない伊藤健太郎演じる近藤が、部活中にいつもひたむきにボルダリングに取り組んでいる小寺さんに次第に引かれていくというストーリー。そして恋心を抱くだけではなく、目の前のことにひたむきに取り組むその姿勢に次第に感化され、自分の生き方や考え方においても、小寺さんのように真摯(しんし)に取り組むことの大切さを認識していくという話です。

面白いのは、こうした感化を受けるのが近藤だけではないこと。男女を問わず、物語に登場する複数の人たちが小寺さんの生き方から影響を受けていくという展開がとてもやさしい。「やさしい」というのは、決して小寺さんが押し付けがましくなく、そしてそんな影響を他の人々に与えているなんて露ほども思っていないということ。彼女はただ自分の目標(クライマーになる)を目指しているのです。

映画「のぼる小寺さん」予告編

こうして見ていくと、昭和時代の「頑張れ」が平成時代に「プレッシャー」となり、やがて平成末期から令和にかけて、再度裏返って元の意味に立ち返ってきた、そんな気がします。そしてどの時代にも共通しているのは、やはり「水は高いところから低いところへ流れる」のであり、「熱もまた熱いところから冷たいところへ伝わっていく」ということです。言い方や伝え方は、常に時代と共にアップデートすることが必要です。しかし内側からにじみ出る「熱さ」や「思いやり」は、決して時代によって廃れることはなく、むしろ時代精神がさらに複雑怪奇になっていく傾向があるからこそ、大切な原点として変わらない輝きを放つのではないでしょうか。

両作品は、ぜひ教会のユースたちと鑑賞し、あれこれとディスカッションしたいと思わされた作品でした。観終わって浮かんだ御言葉はこれです。

バプテスマのヨハネの日以来今日まで、天の御国は激しく攻められています。そして、激しく攻める者たちがそれを奪い取っています。(マタイ11:12)

時代を切り開く人、混迷の中で希望のともしびを掲げる人、そうした人は常に「熱い人」です。聖書もそんな在り方を奨励しています。あとはTPOをわきまえ、言葉があらぬものを指し示すことがないように意識しながら、ここぞとばかりに熱さを示すことでしょう。クリスチャンとは、そうした「熱い人」となる資質を頂いた存在なのですから。

次回へ>>

◇

■ 映画「アルプススタンドはしの方」のブルーレイ情報
発売日:2021年1月20日
価格:5800円(税抜)
発売元・販売元:ポニーキャニオン
※ ブルーレイは初回限定生産。DVDはレンタルのみ。DVDレンタル、デジタル配信は2020年12月23日から開始。

■ 映画「のぼる小寺さん」のDVD・ブルーレイ情報
発売日:2020年12月2日
価格:3900円(DVD)、5800円(DVD、コレクターズ・エディション)、6800円(ブルーレイ、コレクターズ・エディション)※いずれも税抜き価格
発売元:2020「のぼる小寺さん」製作委員会
販売元:ハピネット・メディアマーケティング

◇

青木保憲

青木保憲

(あおき・やすのり)

1968年愛知県生まれ。愛知教育大学大学院卒業後、小学校教員を経て牧師を志し、アンデレ宣教神学院へ進む。その後、京都大学教育学研究科修了(修士)、同志社大学大学院神学研究科修了(神学博士)。グレース宣教会牧師、同志社大学嘱託講師。東日本大震災の復興を願って来日するナッシュビルのクライストチャーチ・クワイアと交流を深める。映画と教会での説教をこよなく愛する。聖書と「スターウォーズ」が座右の銘。一男二女の父。著書に『アメリカ福音派の歴史』(明石書店、12年)、『読むだけでわかるキリスト教の歴史』(イーグレープ、21年)。

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