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「キリストはキリスト教だけのものではない」(2)イズミルとはどんな所か 岩村義雄

2021年1月5日19時55分 執筆者 : 岩村義雄
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関連タグ:岩村義雄トルコエフェソの信徒への手紙
「キリストはキリスト教だけのものではない」(2)イズミルとはどんな所か 岩村義雄+
トルコ西部イズミルのトゥンチ・ソイヤー市長(左)を表敬訪問した筆者=2020年11月24日

第2部 中東イスラム社会の「共生」に学ぶ

(1)イズミルとはどんな所か

a. エフェソスとは

エフェソスは紀元前11世紀にイオニア人の植民都市であったのが、紀元前546年にキュロス2世によってペルシャ帝国の配下になりました。哲学者アリストテレスに教育を受けたアレクサンドロス(アレキサンダー)大王は、ペルシャ帝国のダレイオス3世を破り、ギリシャ帝国を築きました。続いて、エフェソスはローマ軍に占領され、紀元前133年、ローマ帝国アジア州の首都になり、小アジア最大の商業都市として繁栄しました。エフェソスを流れるカユストロス川は、熊本県の球磨川や川辺川のように、河床に堆積する土砂を絶えず掘削(くっさく)することが求められていました。

エフェソスにあったアルテミス神殿は紀元前4世紀に再建されたもので、高さ18メートルのイオニア式の円柱が127本ありました。世界七不思議の一つとされています。15メートルの高さのアルテミス像は多産のシンボルとして、多くの乳房を持っています。今日でもお土産店でミニチュアが売られています。

パウロはユダヤ人でしたが、ローマの市民権を西暦44年に取得しています。フラウィウス・ヨセフス著『ユダヤ古代誌』(筑摩書房、2000年)によると、ユダヤ人のマルコス・アントニオスとポプリオス・ドラベラスディアスポの2人の執政官が、ユダヤ人元老院を招集して、ローマ人の市民権、兵役の義務免除をローマ皇帝アウグストスに申請し、承認されました。

エフェソスは西暦52年8月~55年10月にわたるおよそ3年間、パウロの宣教の拠点となりました(使徒20:31)。

b. ディアスポラとは

北イスラエル王国はアッシリア帝国のサルゴン2世によって紀元前722年に滅ぼされた後、離散しました(列王記下17:6)。離散したユダヤ人たちは、ディアスポラ(diaspora)といわれています。パレスチナ以外の地に散らされたのです。北イスラエル出身のユダヤ人の大半はギリシャ語圏内の会堂を中心に、独自のアルコン(執政官)と元老院を持ち、完全な内政の自治を与えられていたユダヤ人コミュニティーを築いていました。エジプト、小アジア(主にトルコ)、メソポタミアに約100万人ずつ散在していたと考えられています(ヨハネ7:35、ヤコブ1:1、ペトロ一1:1参照)。ユダヤ民族は、すでにあらゆるポリスに進出しており、紀元前86~87年当時には、ユダヤ人がいない所を発見するのは困難であった、とフラウィウス・ヨセフスは記録しています。

彼らは、トルコにあったカパドキア、ポントス、フリギア、パンフィリアなどの新しい地で700年以上生活しています。ですからヘブライ語でコミュニケーションできなくなっています。同じユダヤ人であっても、ヘブライ語を話すユダヤ人を「ヘブライオイ」、ギリシャ語を話すユダヤ人を「ヘレニスタイ」といいます(使徒6:1)。みんなが幼い時からトーラに蜜を塗って親しみましたが、13歳(女子は12歳)のミツバ(ユダヤ教の戒律、ユダヤ社会における成人を意味する)では旧約の巻物が読めるとは限りませんでした。キリストが処刑され、復活したといわれている日から「50日目」の「五旬節(ペンテコステ)」にも、ディアスポラのユダヤ人たちはエルサレムの神殿に集まってきていました(使徒2:9~10)。

c. エルサレムの壊滅―世の終わり

西暦30年ごろにイエス・キリストがエルサレムで処刑されました。それから約40年間は、エルサレムを中心にナザレのイエス派はユダヤ人たちと対立していました。イエスが最も心を寄せたオクロス(民)は、生産に従事しえない者、病気の者、知的・身体的に障がいのある者、故郷を追われた放浪者たち、つまり「棄(す)てられた者」であり、物乞いして歩くしかないアウトカーストの人々でした。従って、ユダヤ教の宗教指導者、既得権を持っているユダヤ人コミュニティー、律法学者たちからは鼻つまみ者として扱われました。

エルサレムの会衆の最初の監督であるヤコブは証言しています。「私の愛するきょうだいたち、よく聞きなさい。神は、世の貧しい人を選んで信仰に富ませ、ご自分を愛する者に約束された御国を、受け継ぐ者となさったではありませんか」(ヤコブ2:5)。このように「神は、世の貧しい人を選んで」と書かれている通りです。釜ヶ崎で「解放の神学」を唱える本田哲郎神父は「貧しい人を信仰に富む者にした」のではなく、「その人たち=神の国を受け継ぐにふさわしい者」だと言っている、とギリシャ語原典から説いています。「憎むべきものが、聖なる場所に立つのを見たら――読者は悟れ――、その時、ユダヤにいる人々は山に逃げなさい」とキリストは啓示を与えられました(マタイ24:15~16、ダニエル9:26~27参照)。

西暦66年に、シリア総督ケスティウス・ガルスはエルサレムを包囲しました。だが陥落を目前にしながら撤退したのです。理由はいまだに不明です。イエスのメッセージを心に留めていたキリストの道に従う者たちは、エルサレムから山伝いに小アジア方面に逃げました。死海文書翻訳委員会は、西暦68年、ローマ軍の攻撃の前に、死海文書を記したとされるクムラン教団の施設が壊滅し、他方、西暦30年前後に成立したキリスト教の指導的立場にあったエルサレム教会は、ローマ軍による攻撃の直前、エルサレムからヨルダン川東岸のペラに移動したことについて言及しています。この第1次ユダヤ戦争で、ユダヤ人は約110万人が殺され、約9万7千人が奴隷として売られたとされています(申命記28:68参照)。

回心する前、パウロは最初の殉教者であるステファノを「殺す人」(ホモ・ネカーンス)でした。パウロが最も活躍したエフェソス近郊のスミルナが現在のイズミルで、そこで今回、地震が起こったのです。かつてオスマン帝国だったトルコは現在、中東イスラム世界の中心になっており、目が離せません。(続く)

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■ キリストはキリスト教だけのものではない:(1)(2)(3)(4)

◇

岩村義雄

岩村義雄

(いわむら・よしお)

2001年の9・11以降、難民支縁、被災者に寄り添う「ボランティア道」や「田・山・湾の復活」を展開。これまでに150回を超える東北ボランティアや熊本豪雨の被災者支援を行い、千葉県布良(めら)、北海道厚真(あつま)町、岡山県真備(まび)、福岡県松末(ますえ)、熊本県益城(ましき)、東遊園地(神戸市役所隣)で炊き出しを行ってきた。海外では、ネパール、シリア、北朝鮮など10カ国以上で孤児施設の開設に取り組んでいる。神戸国際支縁機構代表、「みんなで『死』を考える会」会長、エラスムス平和研究所所長、「阪神宗教者の会」代表世話人、「カヨ子基金」前代表、神戸新聞会館講師、神戸国際キリスト教会牧師。著書、資格、表彰はなし。

関連タグ:岩村義雄トルコエフェソの信徒への手紙
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