神戸国際支縁機構が100回目の「東北ボランティア」 8年で延べ2千人が参加

2019年10月12日11時12分 印刷
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雨が降る中、台風15号により崩れた千葉市今井にある倉庫のがれき撤去作業を行う神戸国際支縁機構のボランティアたち。100回目となる東北ボランティアに向かう途上、千葉市の他、被害の大きかった南房総の幾つかの自治体を訪れ、1回目となる千葉災害ボランティアを行った。(写真:同機構提供)

東日本大震災が発生してからすぐに被災地現地に赴き、支援活動を継続してきた神戸国際支縁機構(岩村義雄理事長)が、東北で100回目となるボランティア活動を宮城県石巻市で行った。この8年余りの間、阪神・淡路大震災で同じく被災した神戸から、延べ約2千人が同機構を通して東北の被災地を訪れ、活動を行ってきた。

100回目となった9月18日のボランティア活動では、震災翌年から同市の長浜幼稚園(後藤竜記園長)などと協力して、被災地の子どもたちと共に育ててきた無農薬・有機栽培の稲の8回目となる稲刈りを行った。同機構は神戸市西区の友清でも有機農業を行っている。石巻市では毎年、「トロトロ層作り」(しろかき)から田植え、稲刈り、脱穀、収穫祭と、稲作を通年で体験できる年5回のプログラムを、同園の園児たちに提供している。

田んぼは、同市渡波(わたのは)地区の農家、亀山繁さんから毎年借りており、大きさは一般的なバスケットコートほど。園児たちは、専用の稲刈り鎌を使って、黄金色の稲穂を垂らした稲を刈り、「稲架掛(はさか)け」に掛けていった。約60人の園児が参加し、阿部世奈(せな)ちゃん(5)は「サクッと稲の束を切れて気持ちよかった」と喜んで語った。

現代の稲作はあらゆる場面で農機が使われているが、同機構では、昔ながらの手作業による農法や地産地消にこだわっている。「田・山・湾の復活」をスローガンに掲げ、「自然を支配・利用する」農業ではなく、「自然と共存する」農法を目指しているからだ。牧師でもある岩村氏は、「人間が繁栄のために自然を支配し、利得の手段とすることはあってはならないこと。神は、創造されたこの『地』を人間が責任を持って世話することを望まれているはず」と話す。

神戸国際支縁機構が100回目の「東北ボランティア」 8年で延べ2千人が参加
無農薬・有機栽培で育て刈り取った稲を抱えるように持つ長浜幼稚園の園児(写真:同上)

一方、子どもたちには、直接土に触れ、昆虫や小さな動物たちとの出会いもある稲作体験が、大人になっても忘れられない良い思い出になればと願っている。「全身で吸い込んだ、都会では味わえない空気が、故郷を愛する貴重な原点になればと願っています」

東北での活動は、同機構にとっても大きな転換点となった。2001年の設立時、名称は「神戸国際支援機構」だった。しかし、東日本大震災の支援活動を行う中で、神戸から来たボランティアと東北の被災者の間に、これまでにない交流が生まれた。ボランティアとは「縁(人とのつながり)を支える」働きだ。そう考え、名称中の「支援」を「支縁」に変えた。何よりも被災者に寄り添うことを大切にする同機構の活動を、岩村氏は「ボランティア道」と呼び、「この働きは、終始一貫して『弱い人』と『共生・共苦・苦縁』をまっとうするものです」と話す。

これまでも、東日本大震災をはじめ、鬼怒川水害や熊本・大分地震、九州北部豪雨、西日本豪雨、北海道地震、 佐賀水害など、自然災害が発生すれば、直ちに現地に向かい、炊き出しや傾聴ボランティアなどを行ってきた。最近の台風15号についても、東北のボランティアに向かう途上、被害が大きかった千葉県南房総の館山市布良(めら)地区や鋸南町(きょなんまち)などを訪れ、がれき撤去や傾聴ボランティア、強風で破損した屋根の修理などを行った。

神戸国際支縁機構が100回目の「東北ボランティア」 8年で延べ2千人が参加
台風15号の被害を受けた千葉県館山市布良(めら)地区=9月17日(写真:同上)

一方、岩村氏は、数多くの被災地を見てきた経験から、現在の「行政が民間のボランティアを管理する」ような体制には批判的だ。ボランティアの自発性を重んじ、それぞれの助け合いの精神を促すことが大切だと指摘。「必要なのはルールではなく隣人愛です」と話す。

同機構のボランティア活動には誰もが参加できる。「性別、年齢、国籍はもとより、いかなる資格、経験、健常者かどうかも問いません。なぜなら被災者の中には、ハンディキャップがある人や外国語しか話せない人、心を病んでいる人など、さまざまな人がいるからです。ボランティアも、あらゆる人で構成されるべきだと願っています」

101回目となる東北ボランティアは今月13日~16日に、3回目の千葉災害ボランティアに続いて行う。園児たちと共に、先月収穫した稲を脱穀する予定だ。さらに11月には収穫祭を開き、脱穀した米でおにぎりを作り、養殖ボランティアで収穫した海苔(のり)や鹿肉を用いて、地域の人たちや独居の高齢者に例年のように振る舞うことになる。

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