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「命は神様のもの」 無脳児を授かり得た確信 へき地医療に13年従事する廣田俊夫医師

2019年8月21日19時34分
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「命は神様のもの」 無脳児を授かり得た確信 へき地医療に13年従事する廣田俊夫医師+
津保川診療所(岐阜県関市)の所長を務める廣田俊夫さん

岐阜県中南部に位置する関市。その山間部で、13年にわたってへき地医療に従事しているクリスチャンの医師がいる。津保川診療所の所長を務める廣田俊夫(ひろた・としお)さん(51)だ。医学生の時に洗礼を受け、医師となってからは病院勤めをしながら神学校を卒業。所属する教会では、専任の牧師が決まるまで、長年にわたって説教奉仕をしてきた。

「教会に誘われなかった」ことで教会へ

廣田さんが初めての教会を訪れたのは、医学部6年の夏。サークルにいたクリスチャンの後輩から「教会に誘われなかった」ことがきっかけだった。その後輩は、サークル内にいた廣田さんの同期はほぼ全員、一度は教会に誘っていた。しかし廣田さんだけは「誘っても絶対に来ない」と思い、一度も声を掛けたことがなかった。それを知り、「散々メシを食わしてやったのに、何だ! 明日の朝、迎えに来い!」と後輩に命じ、礼拝に連れて行ってもらったのが始まりだった。

「初めて参加した礼拝は、さっぱり分かりませんでした」。しかし、その礼拝で出会った一人の婦人から掛けられた言葉が心深くに残った。「あなたのような方が礼拝に来てくださるのを、ずっと祈っていました」という言葉だった。初対面にもかかわらず、教会を訪れた人を温かく迎える姿勢に感動した廣田さんは、翌週からは自分の意思で進んで礼拝に参加するようになった。そして、時を待たずに信仰を決心する。決心を後押ししたのも、最初に出会った婦人の信仰の姿勢だった。「あの婦人のように、人を受け入れることができるようになりたい。主に自分を変えていただきたいと思いました」。その夏には教会のキャンプにも参加し、青年たちとさまざまな奉仕をしながら、良い交流を持った。そしてその年のクリスマスに洗礼を受けた。

わずか半年余りの間に、教会に導かれ、信仰を決心し、そして受洗と続いたが、大学卒業後は一時期、教会から遠ざかる期間があった。大学病院での研修の忙しさに負け、礼拝にも出席せず、夜通し働いてはお酒を飲んで寝るという日々を送るようになってしまったのだ。「礼拝出席など頭の片隅にも残っていない毎日でした」。しかし教会に通う男性が、廣田さんの勤務する大学病院に入院。それがきっかけとなり、再び教会に引き戻された。そして、後に妻となる当時の交際相手も信仰を与えられ、結婚。相手の女性は、待望の第一子を身ごもった。

無脳児が与えてくれた「命は神様のもの」という確信

しかし喜びも束の間、その子が無脳症であることが判明する。先天性の奇形症で、大脳が完全に欠損しているか縮小した状態になる病気だ。原因も分からず、治療法もない。多くの場合、死産か、出産しても数日で死亡してしまうケースがほとんどだ。

妻の持病もあり、担当の産科医からは中絶を提案された。しかし2人で悩み祈った末、出産することを決めた。この間、廣田さんは「命と神様」について何度も思い巡らしたという。その中で答えになったのが、人を母の胎内で形作り、その時から命を与え、愛しているという神を証しする詩編139篇だった。

それはあなたが私の内臓を造り、母の胎のうちで私を組み立てられたからです。(13節)

あなたの目は胎児の私を見られ、あなたの書物にすべてが、書きしるされました。私のために作られた日々が、しかも、その一日もないうちに。(16節)

無脳症の子は出産までこぎ着けたが、生まれた当日に亡くなった。

「呼吸ができませんでしたので、数分でした。まだ温かさの残るえい児を抱きながら、妻のお腹にいるときは確かに命が与えられ、主に生かされていたのだと実感しました。この時にはっきりと、人は主に生かされているのだと確信しました。自分の命も主のものだと思いました」

そして、神が与えた命に関わる職業に就く者として、神学校への入学を決める。東海聖書神学塾の教職志願者コースを、病院勤めをしながら7年かけて卒業した。

既存の宗教文化が根強いへき地医療の現場

勤務先の大学病院では、それなりの立場が与えられ、診療や研究に励んだ。しかし、患者とより近いところで関わりを持ちたいという思いが与えられていく。「立派な証しができるわけではありませんが、人と近い医療を通して宣教できればと思うようになりました」。そうして与えられた新たな職場が、後に現在の津保川診療所に統廃合されることになる上之保診療所だった。

津保川診療所が担う武儀・上之保地区は、2005年に平成の大合併で旧関市に吸収合併された旧武儀町と旧上之保村があった地区だ。合併後もそれぞれに診療所があったが、人口減少と医師不足から、12年に2つの診療所が統廃合された。

津保川診療所の診療圏には、約3500人が住んでいる。そのうち65歳以上の高齢者が約45パーセントを占める。初期研修医の教育診療所に指定されているため、研修医や医学生が研修や実習のために1年を通して来るが、車で片道40分かかる診療圏を専任で担当する医師は、廣田さん一人だけだ。

少子高齢化、人口流出が激しく、高齢夫婦、高齢独居の世帯が多い。高齢者同士による「老老介護」も増えている。「診療は高齢者の生活習慣病がほとんどです。また、独居や加齢による高齢者特有のそこはかとない不安を訴える方が多いです。脳卒中や加齢、その他の疾患で寝たきりになった方への訪問診療、がんや老衰によるおみとりも行います」

「命は神様のもの」 無脳児を授かり得た確信 へき地医療に13年従事する廣田俊夫医師

しかし、困難なことばかりではない。患者の介護で大変だろうと、近所の人が介護者へ食事の差し入れをしたり、介護者に代わって農作業をしたりと、へき地特有の助け合いがある。だがそれでも、進む高齢化によりこうした相互扶助の世代交代もできなくなりつつあり、「今後は機能不全になっていくでしょう」と不安視する。

宣教の面でも困難の多い地域だ。「高齢化の激しいへき地ですから、当然、既存の宗教文化が根強い地域です。福音宣教とはほど遠いのが現実です」と廣田さんは言う。

「真意が伝わっているかどうかは分かりませんが、高齢者が『先に死んだじいさん(ばあさん)が迎えに来てくれないかしら』と言うと、『僕はキリスト教徒だから、じいさん(ばあさん)が迎えに来るのかどうか知らないけれど、お誕生日がめでたかったように、きっと神様は一番良い時に「終(しま)い」を下さると思うよ』とか、『神様が下さった寿命だから、喜んで生きないとね』などとお話ししています」

葛藤しつつ信仰生活をしている小さき者

現在通う教会は、廣田さんの母教会が2004年に伝道所として開設した。当初は説教奉仕者がおらず、また廣田さん夫妻の間にはその後、4人の子どもが与えられ、子育てで大変な時期でもあったが、廣田さんが説教をし、妻が昼食の用意をするなどして、教会に来る一人一人を温かく迎え入れてきた。その後、母教会に副牧師が招聘(しょうへい)されてからは、正牧師と交代で説教奉仕をするようになり、昨春からは正牧師が伝道所の専任となり、説教奉仕からは引退。今年1月には新会堂が与えられた。説教奉仕からは退いたが、現在も財務管理など教会の別の奉仕を任されており、教会員の心や体のケアについて、牧師夫妻から相談を受けることもあるという。

地域に仕え、教会に仕える廣田さんだが、「社会の要求や世の業ゆえに葛藤しつつ信仰生活をしている愚か者です。かくありたい姿を知っていながら、そのようにできない小さき者です」と謙遜だ。だからこそ神様は、困難の多いへき地医療に廣田さんを従事させたのかもしれない。「命は神様のもの」という確信を胸に、今日も廣田さんは、命ある一人一人のために医療を通して仕えている。

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