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赦しの秘跡 穂森幸一(129)

2019年4月18日21時33分 コラムニスト : 穂森幸一
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神は、私たちを暗やみの圧制から救い出して、愛する御子のご支配の中に移してくださいました。この御子のうちにあって、私たちは、贖(あがな)い、すなわち罪の赦(ゆる)しを得ています。(コロサイ1:13、14)

人間社会において最も困難なことの一つは、「赦す」という行為ではないかと思います。もし赦しを実現できるなら、気持ちも軽やかになり、心も晴れ晴れとするでしょうが、人は「あの人のあの行為だけは絶対に赦せない、あの言葉は死んでも忘れない」という思いを潜在意識の中に潜めているといわれます。

ある人は学生時代に、友人とラーメンの食べ方で口論になり、仲違いしてしまったという話があります。その友人は、ラーメン道に凝っていて、最初にスープを味わい、麺をかみしめて食べるというのにこだわっていました。

ところが、その人は「自分の好きなように食べればいい」という主義でした。自分の好きな煮卵を先に食べたということで口論になったみたいです。ラーメンの食べ方などどうでもいいと思うのですが、世の中には自分の勝手なこだわりから他者を「絶対に赦せない」と息巻く人が少なくないのです。

しかし、信頼していた人の裏切りは、心の中の大きな傷となり、癒やしがたいものとして残ってしまいます。特に、結婚生活の中で配偶者の不貞や裏切りがあれば、立ち直れないほどの打撃になってしまいます。

私は若いころ、語学研修を通して、法務局で働く方と知り合いになることができました。その方は仕事柄、いつも犯罪の状況、裁判所で刑が確定して、刑務所に送られた人のことなどを見ておられました。その方が次のように話されました。

「人間というのは例外なくみんなとても弱いものを抱えているような気がします。誰でも刑務所の塀の上を歩いているようなものです。倒れたときに塀の内側に落ちるか、外側に落ちるかは、運次第と思っています。塀の内側の人と外側の人と大差ないように思います。人は皆、誘惑に直面したら、弱さに負けてしまうのではないかと思います」。私はこの人の言葉にとても重みを感じました。

ある人は奥さんの不貞の事実を知ったときに、ショックで食事も喉を通らなくなります。うつ状態になり、通院しなければならなくなります。今までの深い愛情が憎しみと怒りに変わっていきました。

自分の奥さんにも間男にも徹底的に制裁しようとして証拠を集め、弁護士に相談します。弁護士は、制裁はあくまでも金銭という形でしか行えないことを伝え、決して感情を爆発させないで、冷静に妻と話すように諭します。

しかし、いざ妻と話をすると感情を抑えきれずに証拠を突きつけ、感情を爆発させて相手を責め続けました。妻がいくら詫びても何をしてもその責めは終わりませんでした。その奥さんはとうとう寝室で自殺してしまいました。その男性は、自分が妻を自殺に追いやってしまったことで自責の念に苦しみ、生きる気力をなくし、仕事もできなくなりました。

愛情を裏切られると、多額の慰謝料を払っても謝罪しても気持ちはすっきりしないのです。罪を犯すと死の淵まで、どちらの当事者も追い詰められてしまいます。「欲がはらむと罪を生み、罪が熟すると死を生みます」(ヤコブ1:15)

「赦しなさい」と第三者が言うのはとてもたやすいのですが、いざ当事者になってみるとこれほど難しいことはありません。赦したつもりになっていても、いざ当時の出来事がフラッシュバックしてくるとパニックになってしまいます。

誰かを責めたくなったら、キリストの十字架を思い出すしかありません。キリストが私たちの身代わりとなって、その責めを受け、血を流してくださっているのです。十字架のキリストを見ることによって、「赦します」という言葉が出てきます。

一方、責められて負い目に苦しむ人もキリストの十字架によって立ち直る機会が与えられます。キリストの血潮は傷ついた人々の心を癒やし、生きる力を与えてくれます。

私は、赦すことのできる人は素晴らしいと思います。大げさに言えば、赦すことのできる人は聖人に匹敵します。赦すことで新しい世界が展開していきます。

これはある人に実際に起こった出来事です。新婚のカップルだったのですが、奥さんが前に働いていた研究室の上司が栄転することになり、お祝いの席に招かれます。お酒が入っていたこともあり、その奥さんは元の上司と一夜の過ちを犯します。それだけでなく、妊娠してしまうのです。

奥さんは後悔し、苦しみます。どんな仕打ちも受けると決意して夫と話し合います。夫も苦悩し、苦しみます。何日も考えたあげく、再構築を目指すことにします。奥さんは何でも夫に従う決意でしたので、夫のそばにいて一生償っていく決心をします。

夫は生まれてくる子どもは自分の子どもとして受け入れること、そのあとに自分の子が生まれても何の差別もしないことを約束します。元上司から慰謝料、認知、養育費の申し出がありましたが、一切拒否しました。

約束通り、子どもが生まれたら自分の子としてかわいがりました。そのあとに2人の子どもも生まれましたが、何の差別もしませんでした。苦しかったけど、赦したことで清々しい気持ちになれたと語りました。

奥さんのほうは過去の出来事を思い出すとつらくなることもありましたが、夫の支えで乗り越えることができました。このような事例は本当にまれなことかもしれません。

責める気持ちを持っていても心のとげは取れません。赦すことによって道は開けます。そのように導いてくださるのが聖霊なのです。

それで、律法によれば、すべてのものは血によってきよめられる、と言ってよいでしょう。また、血を注ぎ出すことがなければ、罪の赦しはないのです。(ヘブル9:22)

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◇

穂森幸一

穂森幸一

(ほもり・こういち)

1973年、大阪聖書学院卒業。75年から96年まで鹿児島キリストの教会牧師。88年から鹿児島県内のホテル、結婚式場でチャペル結婚式の司式に従事する。2007年、株式会社カナルファを設立。09年には鹿児島県知事より、「花と音楽に包まれて故人を送り出すキリスト教葬儀の企画、施工」というテーマにより経営革新計画の承認を受ける。著書に『備えてくださる神さま』(1975年、いのちのことば社)、『よりよい夫婦関係を築くために―聖書に学ぶ結婚カウンセリング』(2002年、イーグレープ)。

株式会社カナルファホームページ
穂森幸一牧師のFacebook

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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