Skip to main content
2025年7月12日10時33分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
ナッシュビルからの愛に触れられて

ナッシュビルからの愛に触れられて(27)ナッシュビルツアー2012・その4:最高の喜び、帰国後の洗礼式 青木保憲

2018年12月22日14時00分 コラムニスト : 青木保憲
  • ツイート
印刷
関連タグ:青木保憲
ナッシュビルからの愛に触れられて(27)ナッシュビルツアー2012・その4:最高の喜び 帰国後の洗礼式
お別れ会の一コマ

驚きと興奮、そして感動に満ちたナッシュビルツアー2012もいよいよ終わりに近づいていた。フランクリンとナッシュビル両市長との面会を果たし、あとはお土産を買って帰国するだけとなった数日間は、今までと景色が異なって見えた。リラックスしたということだろう。

南部料理を楽しみ、ミュージックシティならではのお土産を買い、そしてついに最後の夜を迎えた。この日は、クライストチャーチクワイアの皆さんが「お別れ会」を開催してくれた。練習を少し早く切り上げて、皆で楽しくパーティーをすることになったのだった。

そこで忘れられないプレゼントを頂くことになった。それは、亡きモリース・カーター氏との思い出の詰まったスナップ写真集であった。クリス氏と共にその写真を見ながら、しばし感慨に浸ることができた。

ナッシュビルからの愛に触れられて(27)ナッシュビルツアー2012・その4:最高の喜び 帰国後の洗礼式
モリース氏のフォトブックを持ってクリス氏と。

翌日、私たちは20時間以上をかけて帰国することになった。皆、それぞれが楽しくも有意義な思い出をたくさん頂いた。そのことを話しながら空港の通路を歩いていた。しかし、一人の大学生が何やら深刻な顔をしている。

「どうしたの?」。思わず尋ねた。それくらい異様で、皆の華やいだ雰囲気からは程遠いものだったからである。すると彼はこう尋ねてきた。「ナッシュビルの皆さんが一番喜ぶことって何でしょうかね?」

詳しく聞くと、本当によくしてもらった10日間だったので、彼らが喜ぶお礼をしたいと思うが、自分にできることは何もない。でも何かさせてもらいたい、そんな気持ちが高まってきたのだという。

ナッシュビルからの愛に触れられて(27)ナッシュビルツアー2012・その4:最高の喜び 帰国後の洗礼式
ナッシュビル空港にて

彼と私は同じホームステイ先であったため、ホストファミリーがどんなに手厚くしてくれたかを知っていた。例えば、毎晩どんなに遅くに帰ってきてもちゃんと起きていてくれて、ベッドには人数分の一口チョコが置いてあったり、朝になると「食べたいものは何か?」と必ず聞いてきてくれて、なんと日本の海苔を買ってきてくれたりしたのである。さらに彼は言った。

「青木先生がスターバックスのパンプキン・ラテがおいしかった、と言ったら、すぐに次の日には用意してくれたじゃないですか。ホットなクリスピークリームドーナツが食べたいと言うと、それもちゃんと買って、温めて出してくれましたよね」

ここまでだと、何だか私たちが食べて飲んでばかりいた食いしん坊のような誤解を招くだろうが、ホストファミリーのおもてなしはそれくらい心づくしであったことは確かだ。

私はその話を聞き、ある種軽い気持ちでこう言った。「君が洗礼を受けてクリスチャンになることが一番のプレゼントじゃないかな?」

彼との会話はそれで終わった。空港は予想以上に混んでいて、その後は顔を突き合わせて話し合う機会などなかったからである。私たちは事故なく、無事に帰国することができた。

事件はその翌週の日曜日に起こった。

いつものように礼拝の準備をしていると、その彼がこちらにやってきて、あいさつもそぞろにこう言った。「青木先生、僕、洗礼を受けたいんですけど」

私はあの時、自分が軽い気持ちで伝えたことを少し後悔した。やはり洗礼を受けるというのは、誰かのためではなく、自分がイエス・キリストを真心から受け入れる決心をしなければよくないからである。

しかし、彼はこう語り出した。「この前、青木先生に勧められたからではないんです。帰りの機内で、この10日間のことをいろいろ考えたんです。僕は、彼らみたいになりたいんだと思いました。それは音楽家としてではなく、人のために一生懸命に尽くすその姿です。もしあれが『クリスチャン』というものだとしたら、僕もそうなりたいです。心から人のために、周りの方々のためになる言葉や態度を示せるような、そんな信仰者になりたいんです」

彼ともう一人の友人が、その翌週に洗礼を受けることとなった。私としてはこの上ない喜びのひとときであった。

洗礼式の日、彼らはそれぞれが洗礼を受ける前に証しをした。その様子をビデオに録り、ナッシュビルへ送ることにした。この洗礼式の模様が、何とクライストチャーチの礼拝で流され、その様子を私たちはアーカイブで拝見することになった。

見ると、日本ツアーに参加した者たちは皆が涙を流し、礼拝堂に集う数千人の会衆は拍手喝采で日本人大学生の洗礼式の様子を見守っていた。

ナッシュビルからの愛に触れられて(27)ナッシュビルツアー2012・その4:最高の喜び 帰国後の洗礼式
洗礼式

ここで一つのことを学んだ。この時、洗礼を受けた学生たちは、その年の初夏あたりまではまったくキリスト教には無関心な若者であった。そんな彼らをして、「イエス様に従っていきたい」と願うようにさせたものとは何か?それは神学的な教義でもなければ心地よいゴスペルの調べでもなかった。端的に言えば「寝る前に添えられたチョコレート」「朝食で用意された海苔」「朝食に間に合うよう運び込まれたアツアツのドーナツ」である。

それらにはすべてホストファミリーの「信仰」が込められている。彼らのクリスチャニティが形を取った結果である。日本からナッシュビルへ向かった学生たちは、彼らの「信仰」の発露に触れたのである。そして、クリスチャンである私が見落としがち(どうしても神学や教義に目が行ってしまう)な「まごころ」を、一つ一つ大切に自らに取り込んだのであった。

キリスト教界は、このような善意と真心を外部に向かってささげる生き方を常に選択すべきである。一見、信仰とは関係ないように思える数々の行為も、クリスチャンでない方々だからこそ、その本質にあるものに気付くことができるのだ。教会とは、そしてクリスチャンとは、そのような純度100パーセントの善意をお互いに与え合う場所、存在なのだ。

2012年のナッシュビルツアーは大成功のうちに幕を下ろすこととなった。

<<前回へ     次回へ>>

◇

青木保憲

青木保憲

(あおき・やすのり)

1968年愛知県生まれ。愛知教育大学大学院卒業後、小学校教員を経て牧師を志し、アンデレ宣教神学院へ進む。その後、京都大学教育学研究科修了(修士)、同志社大学大学院神学研究科修了(神学博士)。グレース宣教会牧師、同志社大学嘱託講師。東日本大震災の復興を願って来日するナッシュビルのクライストチャーチ・クワイアと交流を深める。映画と教会での説教をこよなく愛する。聖書と「スターウォーズ」が座右の銘。一男二女の父。著書に『アメリカ福音派の歴史』(明石書店、12年)、『読むだけでわかるキリスト教の歴史』(イーグレープ、21年)。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:青木保憲
  • ツイート

関連記事

  • ナッシュビルからの愛に触れられて(26)ナッシュビルツアー2012・その3:市長との面会 青木保憲

  • ナッシュビルからの愛に触れられて(25)ナッシュビルツアー2012・その2:ブリッジ・ミニストリー 青木保憲

  • ナッシュビルからの愛に触れられて(24)ナッシュビルツアー2012・その1 青木保憲

  • ナッシュビルからの愛に触れられて(23)ゴスペル合宿で学生たちが自ら祈ることを決心! 青木保憲

  • ナッシュビルからの愛に触れられて(22)ジェン・クライダーはあのゴスペル界大御所の娘だった! 青木保憲

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 教育改革が「日本のリバイバルにつながっていく」 牧師の金子道仁参院議員が講演

  • 米テキサス州洪水、死者100人超える キリスト教サマーキャンプ参加の少女ら多数犠牲

  • Gゼロ時代の津波石碑(4)芥川を自死に至らしめた「ぼんやりした不安」と2つの遺書 山崎純二

  • 中国・臨汾で2つの「家の教会」の牧師や信者らに有罪判決 最大拘禁9年2カ月

  • 見捨てない神 穂森幸一

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(226)葬儀文化を受け継ぎ、教会がエンディングを支える時代が来る 広田信也

  • 約3年ぶりに死刑執行、日本カトリック司教協議会社会司教委員会と矯風会が抗議

  • 初めの愛に戻りなさい 佐々木満男

  • 第一のことを第一にする人生の祝福 菅野直基

  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(7)共同体の重視 臼田宣弘

  • 米テキサス州洪水、死者100人超える キリスト教サマーキャンプ参加の少女ら多数犠牲

  • 学校法人聖学院、新理事長に田村綾子氏

  • 教育改革が「日本のリバイバルにつながっていく」 牧師の金子道仁参院議員が講演

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(8)「建物の話」 三谷和司

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 紛争地の宗教者らが参加、第3回東京平和円卓会議 赦しの重要性、即時停戦など呼びかけ

  • 約3年ぶりに死刑執行、日本カトリック司教協議会社会司教委員会と矯風会が抗議

  • 聖書から事実を引き出す学び「IBS」を分かりやすく説明する講座 7月12日から

  • 中国・臨汾で2つの「家の教会」の牧師や信者らに有罪判決 最大拘禁9年2カ月

  • 初めの愛に戻りなさい 佐々木満男

  • 米テキサス州洪水、死者100人超える キリスト教サマーキャンプ参加の少女ら多数犠牲

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 学校法人聖学院、新理事長に田村綾子氏

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(8)「建物の話」 三谷和司

  • 米国の福音派牧師は半数近くが兼業している 調査で判明

  • 教育改革が「日本のリバイバルにつながっていく」 牧師の金子道仁参院議員が講演

  • 聖書から事実を引き出す学び「IBS」を分かりやすく説明する講座 7月12日から

  • 紛争地の宗教者らが参加、第3回東京平和円卓会議 赦しの重要性、即時停戦など呼びかけ

  • 約3年ぶりに死刑執行、日本カトリック司教協議会社会司教委員会と矯風会が抗議

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.