シリアで拘束の安田純平さん、妻のMyuさんが緊急会見 「一刻も早く帰ってきて」

2018年8月7日23時54分 印刷
Facebookでシェアする Twitterでシェアする
関連タグ:シリア後藤健二
+シリアで拘束の安田純平さん、妻のMyuさんが緊急会見 「一刻も早く帰ってきて」
記者会見に臨んだ安田純平さんの妻であるMyu(ミュウ)さん(中央)と「安田純平さんを救う会」のメンバーで、Myuさんの代理人である岩井信弁護士(左)。右端は、司会を務めた日本記者クラブの川村晃司企画委員(テレビ朝日)=7日、日本記者クラブ(東京都千代田区)で
- 広告 -

2015年6月に中東のシリアで消息が途絶え、武装組織に拘束されているとみられるジャーナリストの安田純平さん(44)について、妻で歌手のMyu(ミュウ)さんが7日、日本記者クラブ(東京都千代田区)で緊急会見を開き、安田さんの救出を涙ながらに訴えた。

Myuさんはこれまで、「すべての責任は自分にある」と話してきた安田さんの意思を尊重し、また救出活動に悪影響が出ることを懸念して、拘束から3年余り沈黙を守ってきた。しかし、先月末に安田さんとみられる男性が映った新たな映像が公開されたことで「楽観視できない切迫した状況」と認識。「一刻も早く帰ってきてほしい。日本の地を踏んでほしい」と述べ、今回会見を開いた経緯を説明した。

会見冒頭では、救出に向けて取り組む政府関係者に感謝の意を示すとともに、「日本中の皆様に対して、安田純平の件でご心配とご迷惑をおかけしたことを心から深くお詫び致します」と謝罪。しかし3年という月日が流れる中で「時間は無限ではない、有限だということを実感してきました」「沈黙を守るだけで、何もやってこなかった。その間、何も動かず、月日だけが過ぎていったと後悔もしました」と思いを語った。

当日配られた報道資料によると、安田さんは2015年中旬に日本を出発し、欧州を経て、トルコ領内でシリアとの国境に近い地域で取材活動をしていた。そして、同年6月22日(日本時間23日)にMyuさんに連絡した後、シリアへ越境し、何らかの理由で武装組織に拘束されたとみられている。

シリアで拘束の安田純平さん、妻のMyuさんが緊急会見 「一刻も早く帰ってきて」
涙ながらに安田さんの救出を訴えるMyuさん

この連絡で、安田さんが「これから、もしかしたら連絡がつながらなくなるかもしれない」と伝え、Myuさんが「頑張ってきてね」と返したのが最後の会話だった。これまでも危険な地域で取材するときは、連絡が取れなくなることはあったというが、Myuさんは声を詰まらせながら当時を振り返った。

Myuさんによると、外務省の担当者とは少なくとも1週間に1、2度は連絡を取り合っているが、安田さんの状況に関する詳細は一切知らされていない。またこれまでのところ、身代金の話も出ていないという。首相官邸には毎日電話で連絡をし、救出に向けての依頼をしており、「本当にこれまでサポートしてくださったことに感謝しています。一番の鍵を握っているのは、日本政府だと思っています。菅(義偉)官房長官が記者会見でおっしゃったことをずっと信じてきましたし、これからも家族で信じていきたいと思っています」と語った。

Myuさんによると、これまでに公開された映像で安田さんが着ていた衣服は、すべて安田さん自身のものではないという。一方、7月31日に公開された映像では、安田さんは自身のことを韓国人だと話していたが、それについては、理由は分からないと答えた。

Myuさんは、中東の取材から戻ると、いつも写真を見せながら現地の友人の話をしてくれたと振り返る。安田さんを拘束している武装組織に対しては「主人の話を聞いていると、(安田さんを)捕まえている人たちも最初から悪い人ではなかったと思います。日本には主人を待っている友人・知人がいっぱいいます。主人のことを返してください」と訴えた。

シリアで拘束の安田純平さん、妻のMyuさんが緊急会見 「一刻も早く帰ってきて」
会見の様子

安田さんが拘束される約半年前、シリアでは後藤健二さんと湯川遥菜さんが過激派組織「イスラム国」(IS)に拘束された後、殺害されている。Myuさんによると、同じジャーナリストであった後藤さんとは家族ぐるみの付き合いで、安田さんは当時「どうして、あの慎重な後藤さんが」と繰り返し話していたという。

会見には、Myuさんの代理人で「安田純平さんを救う会」のメンバーである岩井信弁護士も同席。「まずは奥様の声を通して、多くの方に(安田さんのことを)知ってほしい」と話した。救う会としての今後の活動はまだ具体的に決まっていることはなく、Myuさんと話しながらできることをしていきたいと述べた。

<安田さんのシリア拘束事件の経緯>

<2015年>
5月中旬 日本を出国
欧州滞在
トルコ領内のシリアとの国境に近い地域で取材活動
6月22日 シリアへ越境し、その後、武装組織に拘束される
7月9日 官房長官が会見で質問されるも拘束情報なしと回答
12月22日 国境なき記者団が、安田さんの拘束について声明を発表
これを受けメディア各社が拘束の一報を順次報道
12月24日 官房長官が会見で情報収集をしていることを認める
 
<2016年>
3月16日 安田さんの誕生日
武装組織が映像①を撮影か
3月17日 映像①が公開される(黒セーターにチェックのマフラー、英語で発言)
5月29日 安田さんの写真が公開される(オレンジ服、日本語のプラカード)
 
<2017年>
10月17日 武装組織が映像②を撮影か
 
<2018年>
6月12日 武装組織が映像③を撮影か
7月6日 映像②が公開される(黒バックに黒Tシャツ、英語で発言)
7月17日 映像③の一部静止画を通信社が報じる(赤バックにチェック柄シャツ)
7月25日 武装組織が映像④を撮影か
7月31日 映像④が公開される(オレンジ服、両脇に覆面戦闘員2人、日本語で発言)

※ 配布された報道資料に基づく。

Facebookでシェアする Twitterでシェアする
関連タグ:シリア後藤健二

関連記事

クリスチャントゥデイからのお願い

いつもご愛読いただき、ありがとうございます。皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。

記事の一つ一つは、記者が取材をして書き上げ、翻訳者が海外のニュースを邦訳し、さらに編集者や校閲者の手も経て配信しているものです。また、多くのコラムニストや寄稿者から原稿をいただくことで、毎日欠かすことなくニュースやコラムを発信できています。

この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、読者の皆様にはぜひ、祈りと共に、定期的にサポートする「サポーター」として(1,000円/月〜)、また単発の「サポート」(3,000円〜)によって応援していただきたく、ご協力をお願い申し上げます。支払いはクレジット決済(Paypal)で可能です。希望者には、週刊メールマガジンも送らせていただきます。サポーターやサポートの詳細、またクレジットカードをお持ちでない方はこちらをご覧ください。

  • 金額を指定:
  • 金額を選択:

社会の最新記事 社会の記事一覧ページ

主要ニュース

コラム

人気記事ランキング