百人一読―偉人と聖書の出会いから―(97)大平正芳 篠原元

2018年6月5日13時49分 コラムニスト : 篠原元 印刷
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大平正芳(1910~80)
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皆さんは、「今何を持っているの?」と聞かれたら、どうお答えになりますか?カバンの中には、いろんなものが入っているでしょうし、ご自宅やお部屋には、いろんな電子機器や飾り物、本や宝物などがありますよね。私たちは、何も持っていないようでも、何かしら持っているものです。

「私は、あの人と違って何にも持ってないよ!」と思っていても、また「あいつには金があるけど、こっちは・・・」と思ってしまうにしろ、本当に何も持っていないわけではないですし、億万長者と同じく1日24時間の中に生きている、このことはみんな同じです。その24時間、1秒1秒を何のために使うか、どのように使うかが大事なことではないでしょうか?

また、持っているものを何のために使うか、どのように使うかが大事ではないでしょうか?どんなに優れた頭脳があっても、その頭脳を、人を騙してお金を奪うため使う、または、悪いことを練るために使っていては、何の意味もありませんよね。

エネルギーに溢れる健康で若々しい体があったとしても、それでもって悪いことに力を費やしたり、自分の体を売ってお金を得るようなことをしていたら、本当に何の意味もありません。要は、持っているものをいかに使うかが大事だということですね。

映画「いぬやしき」(2018年4月公開。木梨憲武さん、佐藤健さん主演)では、人間離れした特別な力を得てしまった初老の男性と若者が出てきます。常識を超えた力を2人の男がある日突然手に入れてしまうわけですが、その後が違います。若者は、その力を自分の意のままに使い、人をいとも簡単に殺し、金を違法に手に入れるというような、本当にとんでもないことをしまくるわけです。

一方の冴えないサラリーマン犬屋敷さん(主人公)です。彼は、その力や能力を使って病人を助けてあげる、そして、あの若者の暴走を止めようとするわけです。若者は、得た能力&力を好き勝手に使い、悪事の限りを尽くします。一方の、家族からも職場からも疎まれている犬屋敷さんは、その力や能力を良いことのために、人のために使うわけです。

皆さんは、与えられている能力や才能を世のため人のために使っておられますか?それなら、よいことですね。もしそうでなく、好き勝手に使い、自分のことしか考えないような生き方をしているなら、今日からその生活をやめにしませんか?

そして、与えられている健康を、与えられている体力を、与えられている若さを、困っている人のため、弱い人のために使って生きませんか?今は想像もできないような、素晴らしい人生が始まるはずです。

さて、日本で第68代、69代の首相を務めた大平正芳という人物がいました。若い方の中には名前を知らないという方も多いと思います。大平さんは、演説や答弁をするときに、「あー」とか「うー」とか前置きをしていたので、「アーウー宰相」の異名がある人です。11期衆議院議員を務め、官房長官、外務大臣、大蔵大臣なども歴任した人物です。

その大平さんがこう語っています。「友だちを慰めたり、わずかな持ち合わせのものを分け合って食べるとかの営みを懸命にやっていく姿、その中に神の国があるんじゃないか」(『100人の聖書』149ページ)。この大平正芳の言葉についてどう思われますか?

さて、またまた映画の話ですが(今日は映画の話が多く出てきます)、「君の膵臓をたべたい」(2017年7月公開。浜辺美波さん、北村匠海さん主演)を観た方は、どれくらいいらっしゃるでしょうか?篠原も観てきました。

でも、別に難癖付けるわけではありませんが、実際問題として、目の前の人の、もしくはクラスメートの、または恋人の膵臓を食べるなんてできるわけありません。もしそんなことしてしまったら(いえ、しようとするだけでも)、アウト=法にひっかかりますよね。

実際に、映画の中でも膵臓を食べるシーンなんてありませんでしたが、とにかく「お互いの膵臓を分け合って食べよう」とか言う必要もないし、そんなことしないでいいのです(というより、してはいけませんから)。私たちは、実際に分け合えるものを分け合い、自分が持っているものでゆずれる「モノ」があれば、ゆずってあげればいいんですよね。

(ちなみに、「君の膵臓をたべたい」の劇場アニメ版が、今年の9月1日全国ロードショーされます!キャストは、「僕」が高杉真宙さん、「山内桜良」が Lynn さんです!キミスイのファンの方はお見逃しなく)

ここで、映画の話から、聖書の話になります。世界のベストセラーである聖書はこのように教えています。

「弱い人々を助け、主イエスご自身が言われた『受けるよりは与えるほうが幸いである』という言葉を、心に留めておくように・・・」

これは、新約聖書の使徒の働き、という書に記されている言葉です。分かりやすい言葉です。受けるよりは与える方が幸いということですね。また、もらうよりはあげる方が幸いということです。

極端な例えになるかもしれませんが、人をバカにするよりは、バカにされた方がいいってことですよね。人を騙して金を奪って、そんなお金で生活をするよりは、騙された方がまだましということです。実際、そうではありませんか?

本当に、現代は騙す人や詐欺犯が多いですよね。私の住んでいる家がある足立区では、毎日ではありませんが時々、区役所が無線放送を使って(夕焼けチャイムとかと同じような感じです)、特殊詐欺に対する注意を喚起することがあります。「こちらは足立区役所です。警察署からのお知らせです。現在この地域に振り込め詐欺の電話がかかっています。ご注意ください」という内容です。

このような内容の放送をしないといけないほど、騙そうとする人間がいっぱいいて、騙されてしまう人もいて、そして大金が奪い取られているわけですよね。本当に今は悪い時代で、詐欺犯がいっぱい存在します。詐欺犯だけでなくて、騙す人は身近にもいるかもしれません。

皆さんが友達だと思っていても、もしかしたらそうではない人、そんな人もいるはずです。皆さんが味方だと思っていても、皆さんの知らないところで皆さんのライバル側に通じている人がいるかもしれません。

映画「女神の見えざる手」(2017年10月日本において公開。ジェシカ・チャステインさん主演)では、ある側の味方のように見えていた女(多くの同僚たちが別のところに移っていっても、自分は元のところに残り続け、それまでのボスにちゃんと仕えていた女)が、実はライバル側の人間だったことが判明します。ある意味ショックです!

まさか、こいつ(汚い言葉ですいません。あの女性)が、あいつ(これまた汚い言葉ですいません。この映画の主人公)の味方だったとは、というような驚きです。裏切られた側から言わせれば、「最後まで残ってくれたお前までも裏切り者だったのか?」だと思います。主人公側から言わせれば、作戦であり、作戦勝ちですが、裏切られた側から言わせれば、大変なショックです。

多くのメンバーが他のところに移っていって「ライバル」となっても、忠実に自分のところに残ってくれた部下の女性が、実は自分のところの情報を「ライバル」側に流すために置かれていた(残ったフリをしていた)とは・・・。

ま、こんなことが実際に会社や組織ではあるのかもしれませんね。だから、誰も信じることができなくなりますよね。「この子は信用できる!」と思っていても、もしかしたら敵側やライバル社側の人間で、情報を盗むために入ってきたのかもしれませんから。とにかく、今は、そういう時代です。

(ちなみに、先にご紹介した映画、観ることはお勧めできません)

それから、もう1本ですが、映画「ちょっと今から仕事やめてくる」(2017年5月公開。福士蒼汰さん、工藤阿須加さん主演)を観られた方は、どれくらいいらっしゃるでしょうか?

この映画で、主人公の青山(福士さんが演じます)に親切にしてくれている営業のエースで、五十嵐という先輩の女性が出てきます。営業課の星で、営業成績は毎月トップの五十嵐(黒木華さんが演じます)は、青山に優しくしてくれ、青山の失敗のしりぬぐいをしてくれるような良い女性のように思えますが、実際はそうではなかったのです!

彼女もいわば被害者なのですが、彼女が隠れてしていたことは、ショッキングな事実です。ネタバレを最小限にしますが、青山に親切にしてくれていた五十嵐が、青山がいないときに彼のパソコンをいじって、あることをしていたのです(詳しくは、実際にDVDを観てからということで)。

そんなわけで、映画の中でも、実際の世の中、職場、学校、家庭の中でも裏切り者や騙す人が多い、そんな時代です。ある意味気を付けて、用心深く生活していかないといけませんが、だからといって、「こいつ、もしかして裏切り者なんじゃ・・・?」という目でいろんな人を見てしまう、または、「この子、こんな顔しているけど、もしかして・・・」と猜疑心のかたまりになってしまっては、元も子もありません。

だからこそ、最後ですが、皆さんが「絶対に裏切らない人間」になりませんか?周囲は、騙し騙されることでいっぱいです。周囲は、裏切りでいっぱいです。自分のため、金になると判断すれば、簡単に親友さえも裏切るような人がいっぱいです。

皆さんも今までたくさん騙されてきたはずです。そんな時代、そんなひどいことをする人が多い世の中だからこそ、「絶対に裏切らない人間」&「騙さないで誠実に生きる人」になりませんか?時代に逆行して、愚直なまでに裏切らない&誠実な生き方を貫いてみませんか?そんな生き方こそ、本当にカッコいい生き方ではないでしょうか?

絶対に人を騙さない。たとえ、周囲では騙し、騙されるようなことがあったとしても、自分は絶対に人を騙すようなことはしない!絶対に友を裏切らない。たとえ周りでは友を裏切り、上司を見捨てるようなことがあっても、自分は絶対に友や上司や仲間を裏切らないし、見捨てない!そんなカッコいい生き方を選び、そして、実践していきませんか?

また、今日から一歩踏み込んで、第68代、69代首相を務めた大平正芳が語っているように、「友だちを慰めたり、わずかな持ち合わせのものを分け合って食べる・・・」、このような歩みをしていきませんか?

こんな行いをしている人、こんな生き方をしている人って、カッコいいし、美しいですよね。困っている友人、落ち込んでいる親友に声を掛けて慰めてあげる。まさに裏切られてショックを受けている、そんな友や同僚や上司を励ましてあげる。

当然のことのようですが、なかなかできる人は少ないはずです。だからこそ、意識さえしているなら、そんなカッコいい生き方、美しい歩み方が皆さんにはできることなのだと思います!

そして、意識して、時にはおごってあげる&プレゼントしてあげる。割り勘とか自分の分だけ払うとかは普通です。ま、毎回はキツイかもしれませんが、今日は、さっと同僚の分、親友の分も払ってあげるとか。

ちょっとした瞬間に、チョコでもグミでもあげるとか。クラスでお昼休みに、揚げパンの1つでもプレゼントしてあげるとか・・・。そんな言葉と行動で人に与える、人のために「してあげる、あげる」人生、絶対にカッコいいと思います!

最後ですが、あげることはできなくても、貸してあげるだけでもいいわけですよね。買ったばかりのマンガ、自分だけで読むのか。新作のソフト、自分だけで楽しむのか。あげることは難しくても、プレゼントはできなくても、少しだけ貸すことならできるのではないでしょうか?

貸してあげるだけでも、大きな大きな希望があります。持っていない人からすれば、貸してもらえるだけでもうれしいものですよね。

「俺は金なんか持ってないよ!」とか「私は貧乏だから、スゴイものなんか持ってないし・・・」と思っていたとしても、皆さんが当たり前のように持っているその「モノ」を持っていない、その「モノ」を喉から手が出るほど欲しいと思っている、友人、クラスメート、同僚がいるかもしれません。

急に、電子辞書の話になってしまいますが、皆さんに電子辞書があるなら、それだけでもスゴイことです。電子辞書に手が届かない、欲しいけれど買えずに、辞書で我慢しているクラスメートや同級生がいるはずです。

映画「となりの怪物くん」(2018年4月公開。菅田将暉さん、土屋太鳳さん主演)では、友達も恋人もいないガリ勉で冷血な女子高生・雫(土屋さんが演じます)が登場します。とにかく勉強一筋の雫。そんな彼女が、ある1人のクラスメートとの出会いをきっかけに、どんどん変わっていくのです。

それで篠原がこの映画のことで思うのは、以下のことです。

もし、皆さんが電子辞書を持っているならば、それは本当に幸せなことです。勉強が好きで好きでたまらなくて、必死に頑張っていても、家の都合で電子辞書が買えなくて、辞書で我慢している子がいるはずです。

欲しくても買うことのできない、そんな人が絶対に周りにいるはずです。ちょっと意識して見渡してみてそんな子がいたら、そっと貸してあげられるようになりたいですね。

さっきの映画の中の話ですが、塾で雫の隣に座った男子が電子辞書を持っているのです。電子辞書を持っていない雫は、その彼の電子辞書をジーっと見つめます。そんな雫に気付いたその男子は「あげる」と言ってなんと・・・実際に、電子辞書をあげたわけです。電子辞書をですよ!

でも、彼女に電子辞書を手渡してあげるわけでもなく、少し使わせてあげるわけでもなく、ヒョイと電子辞書を上に持ち上げて、それで終わりです。そんな生き方は、絶対ダメですよ!実際に、優しさを持って貸してあげる、そんな生き方をしたいですね。

落ち込んでいる親友がいるなら慰めてあげ、時にはおごってあげ、自分が持っているものを持っていない子には、それを貸してあげる。そんな生き方をしていきたいですね。

2018年も6月になりました。あっという間です。もうあっという間に2018年も終わるはずです。これからの毎日、絶対に親友を裏切らない人として過ごしませんか。また、絶対に人を騙さない誠実な生き方をしていきませんか。

そして、時にはおごってあげる。気落ちした友がいるならそっと慰めてあげる。周囲に視線を向けて、時には自分のモノを貸してあげる。そんな美しい日々を過ごしていきませんか?

皆さんを通して、皆さんを媒介として、クラスメートに同僚に、また皆さんの周りの人、ご家族に、希望や温かな感動が届けられる、2018年の残りの日々となることを願っています。

来週の百人一読は、日本の第20代内閣総理大臣高橋是清が登場します。人は本当にみんな違いがあって、みんな良いものを持っていて、そして、みんな欠点もあります。だからこそ、美しい何かがあるわけです。

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【書籍紹介】
篠原元著『100人の聖書

『100人の聖書』

本書を推薦します!
「他の追随を許さない数と挿話」
――奥山実牧師(宣教師訓練センター[MTC]所長)
「牧師の説教などに引用できて便利」
――中野雄一郎牧師(マウント・オリーブ・ミニストリーズ)
「聖書に生きた偉人たちの画廊」
――峯野龍弘牧師(ウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会)

ご注文は、全国の書店・キリスト教書店、Amazon、または、イーグレープのホームページにて。

篠原元

篠原元(しのはら・げん)

1991年7月、東京都千代田区生まれ。プロテスタント・炎リバイバル教会伝道師。JTJ宣教神学校卒業、アンテオケ国際宣教神学校卒業、同神学院中退。現在、VIPクラブ、キリスト教各団体、ホテルなどにて講演、またテレビ番組「ライフ・ライン」などに出演するなど多方面で活動中。2017年1月に有志のメンバーにより設立された社会福祉活動団体「100人の聖書基金」の、学校・児童養護施設・病院などへの書籍寄贈活動に著者として携わっている。著書に『100人の聖書』(発行:イーグレープ)がある。

各種依頼などに関する問い合わせは、以下の教会ホームページまたは「100人の聖書基金」ホームページを参照。

炎リバイバル教会ホームページ
「100人の聖書基金」ホームページ

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