Skip to main content
2021年2月26日20時01分更新
Go to homepage
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 書籍

『横浜の女性宣教師たち』 日本に生涯をささげた48人の軌跡

2018年3月27日07時38分
  • ツイート
印刷
関連タグ:横浜プロテスタント史研究会ジェームス・カーティス・ヘボンフェリス女学院横浜共立学園
『横浜の女性宣教師たち』 開港から戦後復興まで日本に生涯をささげた48人の軌跡+
横浜プロテスタント史研究会編『横浜の女性宣教師たち』(有隣堂、2018年3月)

幕末の1858(安政5)年、日米修好通商条約が締結されると、宣教師の来日が認められ、米国を中心に海外から宣教師が次々と来航した。その中でも横浜は、日本で最も大きな外国人居留地があり、多くの宣教師が訪れ、開国後の日本でキリスト教がいち早く受容された地だ。その横浜で活躍した女性宣教師48人の軌跡をまとめた『横浜の女性宣教師たち』(横浜プロテスタント史研究会編)が今月、有隣堂から出版された。

当時は女性が牧師となることも認められておらず、教会の開拓や神学教育、聖書の翻訳など、直接的な宣教の働きは主に男性宣教師が担っていた。女性宣教師はもっぱら、教育や社会福祉など、社会文化的活動に従事したが、数の上では女性宣教師の方が多かったという。本書では、横浜で活躍した48人の女性宣教師たちを、教派や関係したミッションスクール別ではなく、活動別に紹介。同研究会とYWCAの会員ら、横浜の宣教史に詳しい専門家計17人が執筆している。

本書が最初に紹介する宣教師は、ヘボン式ローマ字の考案者などとして知られる医療宣教師ジェームス・カーティス・ヘボンの妻、クララ・リート・ヘボン。2人は共に海外宣教を志していたことから結婚。結婚後半年もたたないうちに、夫婦で宣教師として米国を発ち、シンガポールと中国(当時は清)の厦門(アモイ)に滞在して宣教を行った。しかし、クララがマラリアに感染したため帰国。その後、ニューヨークで13年余り病院経営するが、再び海外宣教を志して資産をすべて売り払い、開港間もない1859年10月に横浜に到着する。

自宅でヘボンは医学を教え、クララは英語を教えた。これは「ヘボン塾」と呼ばれ、当時クララの英語の授業を受けた生徒には、第20代内閣総理大臣の高橋是清(これきよ)や、三井物産初代社長の益田孝、丸善創業者の早矢仕有的(はやし・ゆうてき)ら多くの俊秀がいた。

ミッションスクール関係では、横浜市内にあるフェリス女学院や横浜共立学園、横浜英和学院、捜真学院はいずれも、女性宣教師たちが創設に携わった。横浜共立学園の前身「アメリカン・ミッション・ホーム」の創立に携わった女性宣教師3人の1人であるジュリア・N・クロスビーは、讃美歌「主われを愛す」を最初に日本語に訳した人物でもある。日本語教師の助けも得て訳したものだが、軽快なメロディーと分かりやすい歌詞のため、子どもだけでなく、大人にも愛唱され、祈祷会の参加者を運んできた人力車の車夫まで口ずさみながら町中を走ったという。

一方、日本滞在中に殉職した宣教師もいる。フェリス和英女学校(現フェリス女学院)の校長だったジェニー・M・カイパーは、関東大震災で被災し、悲惨な死を遂げた。

1923(大正12)年9月1日、まだ夏季休暇中であったが、カイパーは秋学期の準備のため前日軽井沢から帰校し、朝から校長室で執務していた。11時近くに、地方で女学校教師をしている一卒業生が訪ねてきた。2人の会話はゲッセマネのキリストの絵から、苦しみの時の主の話題になった。カイパーは短い祈りをして、昼近くに卒業生を校門まで見送り、校長室に戻った時に大地震が襲来した。机を離れドアから逃げようとしたとき、建物が崩れ落ち梁(はり)の下敷きになった。倒れなかった新館から事務員が飛んできたが、校長は声だけで姿は見えない。聞けば体に負傷はないが手を挟まれて身動きがとれないと言う。来合わせた人の助けも借りて約1時間、懸命に救出しようとしたが、大きな木材はびくともせず、そのうち元町の火が山手に移り、強い風でたちまち校舎に燃え移った。このことを告げると、倒壊した建物の下から「私は神の御心のまま安らかにここに眠るから、学校の方々と国の友人たちによろしく。火が近づいたので早く安全なところに逃げてください」と。苦い杯を敢然と受け「御心を成し給(たま)え」の祈りを残して、カイパーは校舎とともに炎に包まれていった。(209〜210ページ)

また、オリーブ・アイアランド・ハジスとM・エヴェリン・ウルフは戦時中、外国人収容所で抑留生活を送っている。1941年初頭、すべての宣教師に引き揚げが命じられたが、横浜英和女学校(現横浜英和学院)の校長であったハジスは「今こそこの国に必要な仕事である」とし、国内に留まっていた。同年12月8日、ついに日本が米英に宣戦布告。警察が学校に来て、教壇に立つことを禁止され、外出制限など「敵国市民」としての生活が始まった。42年6月に、最初の日米交換船が出航し、第2便に乗れるだろうと通知を受けていたが、同年9月、警察が来てウルフと共に収容所に連行された。支度はたった1時間しか許されなかったという。

この他、本書では開国後のカトリック教会による「日本再宣教」と女子修道会についても、1章を割いて紹介。また「女性海外伝道協会の成立」と題した第1章では、家庭、あるいは教会のごく一部でしかリーダーシップを取る場がなかった当時の女性たちが、教会を拠点とした活動をきっかけに、次第に社会へと活動の場を広げていく様子が描かれている。それによると、皮肉にも女性たちの活動をより広範囲にさせる契機となったのは、南北戦争だった。教会は銃後の守りとしての女性の役割の重要性を説き、戦場へ送る医療物資の資金集めでも女性たちが活躍した。このような経験を通し、女性たちは組織の形成手腕を身に付け、その後の海外伝道の働きに生かされていった。「19世紀後半のアメリカに起こった女性海外伝道運動は、女性の領域を打破するのではなく、拡大することによって、花開いた運動」だという。

本書で詳しく紹介する48人を含む計256人の来日女性宣教師のリストや、横浜居留地の地図なども収録。開国、キリシタン禁制の高札撤廃、明治維新、関東大震災、そして太平洋戦争と、まさに激動の日本で生涯をささげた横浜の女性宣教師たちの歩みをまとめた本書。「あとがき」の最後の言葉に、本書の編集委員たちの思いが込められている。

「本書により、これまで歴史書に登場することの少なかった女性宣教師の存在が周知され、その働きが評価されること願ってやまない」

■ 横浜プロテスタント史研究会編『横浜の女性宣教師たち』(有隣堂、2018年3月)

関連タグ:横浜プロテスタント史研究会ジェームス・カーティス・ヘボンフェリス女学院横浜共立学園
  • ツイート
▼関連記事を見る  ▼クリスチャントゥデイからのお願い

関連記事

  • 日系カナダ人伝道に生涯をささげた女性 マーガレット・リッジウェイ(1)すべての始まり

  • 横浜馬車道で超教派による美術展 万国橋・クリスマス祝展2017

  • 横浜華僑キリスト教会 創立60周年目のクリスマス

  • 横浜英和女学院中学高等学校、青山学院大「系属校」に

  • ペリー来航と[日本語]賛美歌の誕生 横浜開港資料館で秋岡陽・フェリス女学院大学長が講演

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

新型コロナウイルス特集ページ

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 12歳のキリスト教徒の少女、誘拐後に性的暴行受け強制改宗・結婚 裁判所が解放を命令

  • 「聖書は神の言葉ではない」 進歩主義の米教会がSNSの投稿で炎上

  • 天皇代替わり行事「伝統超えた宗教的儀式」 NCC靖国問題委が総括文書公開

  • 「山上の説教」に基づいた回復の働き「セレブレイト・リカバリー」 創始者のジョン・ベーカー氏死去

  • 願ったらかなうのか? 菅野直基

  • 無神論からキリスト教信仰へ C・S・ルイスの回心描く映画、年内にも公開へ

  • 光は闇に勝利する 穂森幸一(177)

  • 委ねる 佐々木満男

  • 黒島天主堂、2年の耐震・保存修理工事終え一般見学再開

  • ビジネスと聖書(10)「すごさ」の認め方 中林義朗

  • 「聖書は神の言葉ではない」 進歩主義の米教会がSNSの投稿で炎上

  • 2021年の「レント(四旬節)」始まる、きょう「灰の水曜日」 その意味と由来

  • 無神論からキリスト教信仰へ C・S・ルイスの回心描く映画、年内にも公開へ

  • ラビ・ザカリアス氏性的不品行問題、独立調査の最終結果発表 団体が謝罪

  • 「クリスチャンだからこそ、もっと知って祈って関わってほしい」 人身取引に取り組む「ゾエ・ジャパン」

  • 12歳のキリスト教徒の少女、誘拐後に性的暴行受け強制改宗・結婚 裁判所が解放を命令

  • 委ねる 佐々木満男

  • 「山上の説教」に基づいた回復の働き「セレブレイト・リカバリー」 創始者のジョン・ベーカー氏死去

  • ビジネスと聖書(10)「すごさ」の認め方 中林義朗

  • IS斬首のコプト教徒21人、殉教から6年 記念式典に教皇やカンタベリー大主教ら

  • 2021年の「レント(四旬節)」始まる、きょう「灰の水曜日」 その意味と由来

  • 日本脱カルト協会理事、準強制わいせつ容疑で逮捕

  • コロナ禍で増える自殺、奥田知志牧師「宗教にできること、いっぱいあるのでは?」

  • 「聖職者による性被害の法的責任を正面から提起」 聖路加チャプレン訴訟第1回口頭弁論

  • 令和時代の「ヤクザ映画」考 「ヤクザと家族 The Family」と「すばらしき世界」

  • 「聖書は神の言葉ではない」 進歩主義の米教会がSNSの投稿で炎上

  • 2020年版『宗教年鑑』発表 キリスト教系は信者数・宗教団体数・教師数で微減

  • 中国のキリスト教人口、2030年に3億人か 共産党指導部に募る危機感

  • ラビ・ザカリアス氏性的不品行問題、独立調査の最終結果発表 団体が謝罪

  • 同志社の次期総長に現職の八田英二氏

編集部のお勧め

  • パンデミック時代の宗教の可能性探る IPCR国際セミナーで日中韓のキリスト者も発題

  • コロナ禍で増える自殺、奥田知志牧師「宗教にできること、いっぱいあるのでは?」

  • 日本から遠く離れた地の日本人伝道最前線 駐在員家族120人に福音伝える英語教室

  • 「開拓伝道は失われた人々への憐れみの心」 第23回断食祈祷聖会1日目

  • クリスチャン画家の山田桂子さんが姫路市美術展に入選 日米でアートミニストリー展開

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 論説委員・編集部
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 問い合わせ・アクセス
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • Twitter
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2021 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.