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星のかけら

【童話】星のかけら(7)クリスマス・その3 和泉糸子

2016年10月11日11時54分 コラムニスト : 和泉糸子
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関連タグ:和泉糸子

クリスマスイブの夕べになりました。少し暗くなると、外の大きな木につけたイルミネーションがキラキラかがやき出しました。昼の間お日さまの光をためたライトは、あたりが暗くなるとひとりでに光り出すのだそうです。

6時になるとイブ礼拝が始まりました。教会堂の電気は消えていますが、長いすの前の机には、1本ずつろうそくが用意され、ほのかな光の中でさんびかを歌ったりお祈りをしたり、牧師先生のお話も、とてもわかりやすいやさしいお話ですし、いつもより短いので、子どもたちもたいくつしません。

「きよしこの夜」を歌って、ほかの何曲かむずかしい歌を聞いて、最後に大きな声で「もろびとこぞりて」を歌いました。

ケンタは教会学校の先生に「もろびとって、どこの国の人ですか」と聞いて、「世界中の人みんなという意味だよ」と教えてもらって、そうなのかと新しい知しきを得たばかりでしたので、大きな声で「もーろびと こぞりて」と歌いました。

礼拝が終わって、電気がついた会堂の中は、ふき消したろうそくのけむりで、のどがイガイガしましたけれど、大人の人たちがすぐに窓を開けてくれ、紅茶(こうちゃ)とチョコレートとクッキーをもらいましたので、満足でした。

いつもは、夜、紅茶なんて飲まないのに、大人になったような気分でした。おまけに今から、クリスマスのキャロリングに行くのです。聖歌隊(せいかたい)の大人に交じって、3人組も出かけることがゆるされたからです。

行き先はレインボー・ホーム。ケンタのパパのつとめさきで、月山さんがいる老人ホームです。ケンタのパパやママ、シュンスケのパパやママ、それにユキトのママもいっしょに行きました。

最近はイブのキャロルも音がうるさいと言われて、昔のようにみんなの家を回れなくなったそうです。レインボー・ホームは1階の部屋の中で歌ってもいいとゆるしてもらえたけど、さわいじゃだめだよって、子どもたちは言われていました。

でも、夜、大人に交じってクリスマスの歌を歌うなんて、大こうふんでした。何人かのお年よりの中に月山さんがいました。車いすにすわった月山さんは元気そうでした。

クリスマスの歌を何曲か歌って、「メリークリスマス、メリークリスマス、メリークリスマス、ツーユー、メリークリスマス、メリークリスマス、メリークリスマス、ツーオール」と最後に短く歌い、みんなで「クリスマスおめでとうございます」とあいさつをしました。プレゼントを一人一人に配って、それから牧師さんが月山さんとあく手して、いろんな人が月山さんに声をかけ、最後に子どもたちも月山さんのそばに行きました。

「ああ、きみたちか」。月山さんは覚えていてくれました。そして、「プレゼントのお返しだよ」と言って、紙に包んだプレゼントを3人に1つずつ、わたしてくれたのです。

その翌日、3人は教会に集まりました。大人の人たちが後かたづけをしています。子どもたちは庭のすみっこで秘密会議をしています。ケンタのもらったプレゼントは緑のかけら、シュンスケのは青いかけら、ユキトのは赤いかけらでした。

おまけに小人のビタエからもらったプレゼントに重ねると、ぴったり合ってきれいな丸い玉になったからです。

「月山さん、ビタエに会ったことがあるんじゃないかな」

「どうして3つもかけらをもっていたんだろうか。どうしてぼくたちのもらったかけらの色がわかったんだろうか」

「こりゃあ、どうしても、もう一度月山さんに会わなきゃならないなあ。でも月山さん、認知症なんだよ。日によって具合のいい時と悪い時があるんだって。眠っている時もあるし」

「それに、今日の夕方、家に帰らなきゃならないし」とユキトが言うと、「じゃあ、今から行こうよ」「月山さんにプレゼントのお礼を言いに行くって、ことわって来るから」とケンタが言って、かけ出していきました。

「行ってもいいけど、車に気をつけなさいよって言われた」と聞くなり、子どもたちはレインボー・ホーム目指して、歩き出しました。ホームまでは20分くらいの道中でした。いいお天気で良かったですね。

月山さんはつかれて眠っていました。子どもたちは紙に「ありがとうございました」と大きな字で書きました。「ぼくの赤いかけらと、前にもらったかけらと合わせると赤い玉になりました・・ユキト」「青いかけらも同じです・・シュンスケ」「緑のかけらも玉になりました・・ケンタ」と、その下に書いて、「小人に会うにはどうしたらいいでしょうか」と、付け加えました。

まもなく正月になり、学校がまた始まって、ふつうの毎日が続きました。月山さんからは何の連絡(れんらく)もありませんでした。

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◇

和泉糸子

和泉糸子

(いずみ・いとこ)

1944年生まれ、福岡市出身。65年、福岡バプテスト教会で受洗、後に日本基督教団の教会に転入し、Cコースで補教師試験に合格。96年より我孫子教会担任教師、2005年より主任担任教師となり、20年間在職。現在日本基督教団隠退教師。九州大学文学部卒業。東京都庁に勤務後、1978年より2002年まで、船橋市で夫と共にモンテッソリー教育を取り入れた幼児教育や、小中学生対象の教えない教育という、やや風変わりな私塾(レインボースクール)を運営。(2017年7月17日死去、プロフィールは執筆当時のものです)

【執筆者からのコメント:童話「星のかけら」は、小学生の孫のために書いたものですが、教会学校の子どもたちが少なくなっている今、お話を通して教会や神様に少しでも出会える場が与えられればうれしいです】

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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