Skip to main content
2021年1月21日23時17分更新
Go to homepage
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
星のかけら

【童話】星のかけら(7)クリスマス・その3 和泉糸子

2016年10月11日11時54分 コラムニスト : 和泉糸子
  • ツイート
印刷
関連タグ:和泉糸子

クリスマスイブの夕べになりました。少し暗くなると、外の大きな木につけたイルミネーションがキラキラかがやき出しました。昼の間お日さまの光をためたライトは、あたりが暗くなるとひとりでに光り出すのだそうです。

6時になるとイブ礼拝が始まりました。教会堂の電気は消えていますが、長いすの前の机には、1本ずつろうそくが用意され、ほのかな光の中でさんびかを歌ったりお祈りをしたり、牧師先生のお話も、とてもわかりやすいやさしいお話ですし、いつもより短いので、子どもたちもたいくつしません。

「きよしこの夜」を歌って、ほかの何曲かむずかしい歌を聞いて、最後に大きな声で「もろびとこぞりて」を歌いました。

ケンタは教会学校の先生に「もろびとって、どこの国の人ですか」と聞いて、「世界中の人みんなという意味だよ」と教えてもらって、そうなのかと新しい知しきを得たばかりでしたので、大きな声で「もーろびと こぞりて」と歌いました。

礼拝が終わって、電気がついた会堂の中は、ふき消したろうそくのけむりで、のどがイガイガしましたけれど、大人の人たちがすぐに窓を開けてくれ、紅茶(こうちゃ)とチョコレートとクッキーをもらいましたので、満足でした。

いつもは、夜、紅茶なんて飲まないのに、大人になったような気分でした。おまけに今から、クリスマスのキャロリングに行くのです。聖歌隊(せいかたい)の大人に交じって、3人組も出かけることがゆるされたからです。

行き先はレインボー・ホーム。ケンタのパパのつとめさきで、月山さんがいる老人ホームです。ケンタのパパやママ、シュンスケのパパやママ、それにユキトのママもいっしょに行きました。

最近はイブのキャロルも音がうるさいと言われて、昔のようにみんなの家を回れなくなったそうです。レインボー・ホームは1階の部屋の中で歌ってもいいとゆるしてもらえたけど、さわいじゃだめだよって、子どもたちは言われていました。

でも、夜、大人に交じってクリスマスの歌を歌うなんて、大こうふんでした。何人かのお年よりの中に月山さんがいました。車いすにすわった月山さんは元気そうでした。

クリスマスの歌を何曲か歌って、「メリークリスマス、メリークリスマス、メリークリスマス、ツーユー、メリークリスマス、メリークリスマス、メリークリスマス、ツーオール」と最後に短く歌い、みんなで「クリスマスおめでとうございます」とあいさつをしました。プレゼントを一人一人に配って、それから牧師さんが月山さんとあく手して、いろんな人が月山さんに声をかけ、最後に子どもたちも月山さんのそばに行きました。

「ああ、きみたちか」。月山さんは覚えていてくれました。そして、「プレゼントのお返しだよ」と言って、紙に包んだプレゼントを3人に1つずつ、わたしてくれたのです。

その翌日、3人は教会に集まりました。大人の人たちが後かたづけをしています。子どもたちは庭のすみっこで秘密会議をしています。ケンタのもらったプレゼントは緑のかけら、シュンスケのは青いかけら、ユキトのは赤いかけらでした。

おまけに小人のビタエからもらったプレゼントに重ねると、ぴったり合ってきれいな丸い玉になったからです。

「月山さん、ビタエに会ったことがあるんじゃないかな」

「どうして3つもかけらをもっていたんだろうか。どうしてぼくたちのもらったかけらの色がわかったんだろうか」

「こりゃあ、どうしても、もう一度月山さんに会わなきゃならないなあ。でも月山さん、認知症なんだよ。日によって具合のいい時と悪い時があるんだって。眠っている時もあるし」

「それに、今日の夕方、家に帰らなきゃならないし」とユキトが言うと、「じゃあ、今から行こうよ」「月山さんにプレゼントのお礼を言いに行くって、ことわって来るから」とケンタが言って、かけ出していきました。

「行ってもいいけど、車に気をつけなさいよって言われた」と聞くなり、子どもたちはレインボー・ホーム目指して、歩き出しました。ホームまでは20分くらいの道中でした。いいお天気で良かったですね。

月山さんはつかれて眠っていました。子どもたちは紙に「ありがとうございました」と大きな字で書きました。「ぼくの赤いかけらと、前にもらったかけらと合わせると赤い玉になりました・・ユキト」「青いかけらも同じです・・シュンスケ」「緑のかけらも玉になりました・・ケンタ」と、その下に書いて、「小人に会うにはどうしたらいいでしょうか」と、付け加えました。

まもなく正月になり、学校がまた始まって、ふつうの毎日が続きました。月山さんからは何の連絡(れんらく)もありませんでした。

<<前回へ     次回へ>>

◇

和泉糸子

和泉糸子

(いずみ・いとこ)

1944年生まれ、福岡市出身。1965年、福岡バプテスト教会で受洗、のちに日本基督教団の教会に転入し、Cコースで補教師試験に合格。1996年より我孫子教会担任教師、2005年より主任担任教師となり、20年間在職。現在日本基督教団隠退教師。

九州大学文学部卒業。東京都庁に勤務後、1978年より2002年まで、船橋市で夫と共にモンテッソリー教育を取り入れた幼児教育や、小中学生対象の教えない教育という、やや風変わりな私塾(レインボースクール)を運営。

童話「星のかけら」は、小学生の孫のために書いたものですが、教会学校の子どもたちが少なくなっている今、お話を通して教会や神様に少しでも出会える場が与えられればうれしいです。

関連タグ:和泉糸子
  • ツイート
▼関連記事を見る  ▼クリスチャントゥデイからのお願い

関連記事

  • 【聖書クイズ】安息日に歩くことが許されていた距離は何メートル?

  • 生命への畏敬―アルベルト・シュヴァイツァーの生涯(1)動物の苦しみ

  • 社会的弱者の友として―賀川豊彦の生涯(1)暗い出生

  • 非暴力で差別と闘った人―キング牧師の生涯(1)どうして黒人は差別されるの?

  • 貧民救済に命賭けて―山室軍平の生涯(1) 強さと優しさと

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

新型コロナウイルス特集ページ

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 米国の大統領交代、トランプ氏の功績とは?

  • バイデン新大統領誕生、聖書の詩篇を引用し「米国の結束」呼び掛ける就任演説

  • カトリック東京大司教区の司祭1人が新型コロナに感染 隔離静養中

  • 「海外宣教」と「ラディカル・リベラリズム神学」 第23回断食祈祷聖会2日目

  • (み使いダニエル・信仰者編)シュンのものがたり

  • 世界3億4千万人のキリスト教徒が迫害下に コロナ禍で差別増、北朝鮮が20年連続ワースト1位

  • 「ワクチン接種は隣人愛の一部」 カンタベリー大主教がコロナワクチン接種

  • 群馬県太田市の教会クラスター、感染者78人に 県内最大規模

  • 真理はあなたを自由にします イエス・キリスト・エクレシアよろこび研究会

  • 米、中国のウイグル族など少数派に対する「ジェノサイド」を認定

  • 群馬県太田市の教会クラスター、感染者78人に 県内最大規模

  • バイデン新大統領誕生、聖書の詩篇を引用し「米国の結束」呼び掛ける就任演説

  • 世界3億4千万人のキリスト教徒が迫害下に コロナ禍で差別増、北朝鮮が20年連続ワースト1位

  • 映画「羊飼いと風船」 宗教と現代性、その普遍的な対立を見事に描き切った秀作

  • トランプ氏続投と「誤って預言した」 ジェレマイア・ジョンソン氏が謝罪

  • 米国の大統領交代、トランプ氏の功績とは?

  • 真理はあなたを自由にします イエス・キリスト・エクレシアよろこび研究会

  • 緊急事態宣言、7府県に拡大 対象地域のカトリック教区が相次いで対応方針発表

  • 映画「聖なる犯罪者」に見るヨーロッパ的「救い」の危うさ

  • 「開拓伝道は失われた人々への憐れみの心」 第23回断食祈祷聖会1日目

  • 米下院で「父」や「母」などの単語使用不可に フランクリン・グラハム氏「神の権威否定する」と批判

  • 群馬県内の教会でクラスター発生 40人が感染

  • トランプ氏続投と「誤って預言した」 ジェレマイア・ジョンソン氏が謝罪

  • 群馬県太田市の教会クラスター、感染者78人に 県内最大規模

  • トランプ支持者が米議会占拠 米キリスト教指導者らが相次ぎ批判、祈り呼び掛け

  • 映画「聖なる犯罪者」に見るヨーロッパ的「救い」の危うさ

  • コロナと自殺、必要なのは「絆」の再形成 精神科医の山中正雄牧師

  • バイデン新大統領誕生、聖書の詩篇を引用し「米国の結束」呼び掛ける就任演説

  • 榊原寛氏死去、79歳 お茶の水クリスチャン・センター顧問

  • イエス時代の儀式用沐浴槽、ゲツセマネで発見 地名の由来裏付けに

編集部のお勧め

  • 「開拓伝道は失われた人々への憐れみの心」 第23回断食祈祷聖会1日目

  • クリスチャン画家の山田桂子さんが姫路市美術展に入選 日米でアートミニストリー展開

  • コロナと自殺、必要なのは「絆」の再形成 精神科医の山中正雄牧師

  • 「聖書通読、回重ねるごとに喜びがある」 『1年で聖書を読破する。』の鈴木崇巨牧師

  • 「母は中絶を拒否した」 アンドレア・ボチェッリの証し

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 論説委員・編集部
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 問い合わせ・アクセス
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • Twitter
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2021 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.