Skip to main content
2025年8月28日16時14分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム

シドッチ神父の信仰 穂森幸一(41)

2016年6月24日22時33分 コラムニスト : 穂森幸一
  • ツイート
印刷
関連タグ:穂森幸一

「私の民よ。わたしがあなたがたの墓を開き、あなたがたを墓からひきあげる」(エゼキエル書37:13)

4月の初めに「東京の文京区のマンション工事現場で発見された人骨が300年前のイタリア人宣教師のものと断定された」というヤフーニュース速報に驚きを覚えました。

イタリア人のシドッチ神父は、江戸中期キリシタン禁制が厳しく、日本にはクリスチャンは皆無といわれた時代に宣教に来ました。1706年にスペイン船トリニーダ号で来ますが、夜陰にまぎれて種子島に上陸するつもりが、間違って屋久島に上陸しました。

シドッチ神父は日本に溶け込もうとしてまげを結い、着物を着ていて、腰には刀を差していたといわれます。体格の大きい西洋人が日本人の真似をするとかえって奇異に映り、役人に通報されたといわれます。

当時、外国から来るキリシタンを取り締まるのは、長崎奉行所になっていました。長崎から屋久島まで役人が到着するのに1週間かかったといわれますが、その間に島民はシドッチ神父にとても親切にしていたといわれます。

1カ月後に長崎に移送されたシドッチ神父は、徳川幕府から直接取り調べを受けるために江戸に出頭します。

新井白石はシドッチ神父に好意的で、何とか本国に送還できないかと頼んだそうですが、鎖国中であったため難しかったといわれます。

シドッチ神父はキリシタン屋敷に幽閉されていたといっても、棄教を迫られたわけではなく、祈祷書を持つことも許され、祈りも自由に行っていたといわれます。新井白石は尋問により『西洋紀聞』を著し、日本に西洋事情を知らしめたのです。また、カトリックの信仰についても詳しく聞き、書き記したといわれます。

当時の禁教下では考えられない奇跡が起きています。布教は許されなかったが、シドッチ神父自身の信仰は許されました。また、幕府は彼に給金25石払っているのです。今のお金に換算すれば、年間250万円です。住まいは供給されていますから、十分な金額です。そして、長助・おはるの老夫婦が身の回りの世話をするために住み込んでいました。

シドッチ神父は布教しませんでしたが、彼の日常の生き様を見ていた長助・おはる夫婦は、命を懸けてまでも同じ信仰を持ちたいと願うようになります。シドッチ神父に懇願して洗礼を受けますが、これが布教に当たる行為だということで3名とも同じ屋敷の地下牢に入れられてしまうことになります。

1714年にシドッチ神父は47歳で病死し、長助・おはる夫婦も同じころ亡くなったと思われます。

即刻打ち首になってもおかしくないような時代に7年間、西洋事情を語ることができ、2名の信仰者も与えられています。また、亡くなったとき、当時の日本では体を屈むように丸くし、死後硬直が始まる前にひもで縛ります。そして、棺桶に入れて埋葬します。

しかし、シドッチ神父と見られる人骨がキリスト教とほぼ同じ埋葬法で屋敷跡から見つかったといわれます。キリスト教では棺桶ではなく、棺が用いられ、寝姿で納棺されます。当時、長崎の隠れキリシタンを除き、日本にはクリスチャンは1人もいないはずです。誰がキリスト教葬儀について説明したのでしょうか。恐らくシドッチ神父が新井白石に語っていたキリスト教の習慣を書きまとめたものを参考にしたと思われます。

白石の心遣いが働いたのでしょうが、冷酷無比と思われた幕府の寛大さにも驚きです。また、同じ場所に長助とおはるを埋葬したのも思いやりを感じます。

300年の時を経て、シドッチ神父の骨は私たちに何かを訴えようとしているように思います。禁教下でも信仰を貫く、その霊性に学ぶことも大切だと思います。また、信教の自由が与えられている今日、十分に宣教しているか、使命を思い起こされます。

「わたしがまた、わたしの霊をあなたがたのうちに入れると、あなたがたは生き返る。わたしは、あなたがたをあなたがたの地に住みつかせる。このとき、あなたがたは、主であるわたしがこれを語り、これを成し遂げたことを知ろう」(エゼキエル37:14)

<<前回へ     次回へ>>

◇

穂森幸一

穂森幸一

(ほもり・こういち)

1973年、大阪聖書学院卒業。75年から96年まで鹿児島キリストの教会牧師。88年から鹿児島県内のホテル、結婚式場でチャペル結婚式の司式に従事する。2007年、株式会社カナルファを設立。09年には鹿児島県知事より、「花と音楽に包まれて故人を送り出すキリスト教葬儀の企画、施工」というテーマにより経営革新計画の承認を受ける。著書に『備えてくださる神さま』(1975年、いのちのことば社)、『よりよい夫婦関係を築くために―聖書に学ぶ結婚カウンセリング』(2002年、イーグレープ)。

株式会社カナルファホームページ
穂森幸一牧師のFacebook

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:穂森幸一
  • ツイート

関連記事

  • キリシタン屋敷跡から出土した人骨が語る、宣教師シドッチの信仰

  • 人の子か来たのは、仕えられるためではなく 穂森幸一(40)

  • 私は、私を強くしてくださる方によって、どんなことでもできるのです 穂森幸一(39)

  • 甘いワインの香りの満ちる安息日 穂森幸一(38)

  • 人生にハプニングはつきものです 穂森幸一(37)

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 米カトリック教会で銃乱射事件 ミサ参加中の付属学校の子どもら2人死亡、17人負傷

  • 牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(11)「苦しみ」が始まるまでの経緯(後半)救いの計画 三谷和司

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(11)「苦しみ」が始まるまでの経緯(前半)悪魔の起源 三谷和司

  • 進藤龍也氏×山崎純二氏対談イベント「神様との出会いで人生が変わった」 埼玉・川口市で8月30日

  • 21世紀の神学(30)伊藤貫氏が提唱する古典教育とセオセントリズムの復権 山崎純二

  • 米福音派の重鎮、ジェームス・ドブソン氏死去 フォーカス・オン・ザ・ファミリー創設者

  • ワールドミッションレポート(8月22日):コンゴのレンドゥ族のために祈ろう

  • 幸せな人生とは 菅野直基

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも

  • 花嫁(31)神に従う者の道 星野ひかり

  • 米福音派の重鎮、ジェームス・ドブソン氏死去 フォーカス・オン・ザ・ファミリー創設者

  • 進藤龍也氏×山崎純二氏対談イベント「神様との出会いで人生が変わった」 埼玉・川口市で8月30日

  • 「森は海の恋人」の畠山重篤さん、気仙沼市の名誉市民に

  • 米カトリック教会で銃乱射事件 ミサ参加中の付属学校の子どもら2人死亡、17人負傷

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(229)コロナ禍による信仰生活への影響 広田信也

  • 主キリストの大きな力で癒やされよう 万代栄嗣

  • 幸せな人生とは 菅野直基

  • 牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 新約聖書学者の田川建三氏死去、89歳 新約聖書の個人全訳を出版

  • キリスト教徒が人口の過半数を占める国・地域、この10年で減少 米ピュー研究所

  • N・T・ライト著『わたしの聖書物語』が大賞 キリスト教書店大賞2025

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(10)「苦しみ」から「苦しみ」へ 三谷和司

  • 日本キリスト教協議会、戦後80年の平和メッセージ キリスト者の戦争加担にも言及

  • 日本基督教団、戦後80年で「平和を求める祈り」 在日大韓基督教会と平和メッセージも

  • コンゴで教会襲撃、子ども含む43人死亡 徹夜の祈祷会中に

編集部のおすすめ

  • 「罪のない赤ちゃんを殺さないで」 東京でマーチフォーライフ、中絶の問題を訴え

  • 教育改革が「日本のリバイバルにつながっていく」 牧師の金子道仁参院議員が講演

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.