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シドッチ神父の信仰 穂森幸一(41)

2016年6月24日22時33分 コラムニスト : 穂森幸一
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「私の民よ。わたしがあなたがたの墓を開き、あなたがたを墓からひきあげる」(エゼキエル書37:13)

4月の初めに「東京の文京区のマンション工事現場で発見された人骨が300年前のイタリア人宣教師のものと断定された」というヤフーニュース速報に驚きを覚えました。

イタリア人のシドッチ神父は、江戸中期キリシタン禁制が厳しく、日本にはクリスチャンは皆無といわれた時代に宣教に来ました。1706年にスペイン船トリニーダ号で来ますが、夜陰にまぎれて種子島に上陸するつもりが、間違って屋久島に上陸しました。

シドッチ神父は日本に溶け込もうとしてまげを結い、着物を着ていて、腰には刀を差していたといわれます。体格の大きい西洋人が日本人の真似をするとかえって奇異に映り、役人に通報されたといわれます。

当時、外国から来るキリシタンを取り締まるのは、長崎奉行所になっていました。長崎から屋久島まで役人が到着するのに1週間かかったといわれますが、その間に島民はシドッチ神父にとても親切にしていたといわれます。

1カ月後に長崎に移送されたシドッチ神父は、徳川幕府から直接取り調べを受けるために江戸に出頭します。

新井白石はシドッチ神父に好意的で、何とか本国に送還できないかと頼んだそうですが、鎖国中であったため難しかったといわれます。

シドッチ神父はキリシタン屋敷に幽閉されていたといっても、棄教を迫られたわけではなく、祈祷書を持つことも許され、祈りも自由に行っていたといわれます。新井白石は尋問により『西洋紀聞』を著し、日本に西洋事情を知らしめたのです。また、カトリックの信仰についても詳しく聞き、書き記したといわれます。

当時の禁教下では考えられない奇跡が起きています。布教は許されなかったが、シドッチ神父自身の信仰は許されました。また、幕府は彼に給金25石払っているのです。今のお金に換算すれば、年間250万円です。住まいは供給されていますから、十分な金額です。そして、長助・おはるの老夫婦が身の回りの世話をするために住み込んでいました。

シドッチ神父は布教しませんでしたが、彼の日常の生き様を見ていた長助・おはる夫婦は、命を懸けてまでも同じ信仰を持ちたいと願うようになります。シドッチ神父に懇願して洗礼を受けますが、これが布教に当たる行為だということで3名とも同じ屋敷の地下牢に入れられてしまうことになります。

1714年にシドッチ神父は47歳で病死し、長助・おはる夫婦も同じころ亡くなったと思われます。

即刻打ち首になってもおかしくないような時代に7年間、西洋事情を語ることができ、2名の信仰者も与えられています。また、亡くなったとき、当時の日本では体を屈むように丸くし、死後硬直が始まる前にひもで縛ります。そして、棺桶に入れて埋葬します。

しかし、シドッチ神父と見られる人骨がキリスト教とほぼ同じ埋葬法で屋敷跡から見つかったといわれます。キリスト教では棺桶ではなく、棺が用いられ、寝姿で納棺されます。当時、長崎の隠れキリシタンを除き、日本にはクリスチャンは1人もいないはずです。誰がキリスト教葬儀について説明したのでしょうか。恐らくシドッチ神父が新井白石に語っていたキリスト教の習慣を書きまとめたものを参考にしたと思われます。

白石の心遣いが働いたのでしょうが、冷酷無比と思われた幕府の寛大さにも驚きです。また、同じ場所に長助とおはるを埋葬したのも思いやりを感じます。

300年の時を経て、シドッチ神父の骨は私たちに何かを訴えようとしているように思います。禁教下でも信仰を貫く、その霊性に学ぶことも大切だと思います。また、信教の自由が与えられている今日、十分に宣教しているか、使命を思い起こされます。

「わたしがまた、わたしの霊をあなたがたのうちに入れると、あなたがたは生き返る。わたしは、あなたがたをあなたがたの地に住みつかせる。このとき、あなたがたは、主であるわたしがこれを語り、これを成し遂げたことを知ろう」(エゼキエル37:14)

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◇

穂森幸一

穂森幸一

(ほもり・こういち)

1973年、大阪聖書学院卒業。75年から96年まで鹿児島キリストの教会牧師。88年から鹿児島県内のホテル、結婚式場でチャペル結婚式の司式に従事する。2007年、株式会社カナルファを設立。09年には鹿児島県知事より、「花と音楽に包まれて故人を送り出すキリスト教葬儀の企画、施工」というテーマにより経営革新計画の承認を受ける。著書に『備えてくださる神さま』(1975年、いのちのことば社)、『よりよい夫婦関係を築くために―聖書に学ぶ結婚カウンセリング』(2002年、イーグレープ)。

株式会社カナルファホームページ
穂森幸一牧師のFacebook

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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