受難週と復活「互いに愛し合う教会」の誕生物語(3)布石の言葉 森正行

2016年3月12日14時20分 コラムニスト : 森正行 印刷
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布石の言葉

彼らが食事をしているとき、イエスはパンを取り、祝福して後、これを裂き、弟子たちに与えて言われた。「取って食べなさい。これはわたしのからだです。」

また杯を取り、感謝をささげて後、こう言って彼らにお与えになった。「みな、この杯から飲みなさい。

これは、わたしの契約の血です。罪を赦すために多くの人のために流されるものです。

ただ、言っておきます。わたしの父の御国で、あなたがたと新しく飲むその日までは、わたしはもはや、ぶどうの実で造った物を飲むことはありません。」

そして、賛美の歌を歌ってから、みなオリーブ山へ出かけて行った。

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。「あなたがたはみな、今夜、わたしのゆえにつまずきます。『わたしが羊飼いを打つ。すると、羊の群れは散り散りになる』と書いてあるからです。

しかしわたしは、よみがえってから、あなたがたより先に、ガリラヤへ行きます。」

すると、ペテロがイエスに答えて言った。「たとい全部の者があなたのゆえにつまずいても、私は決してつまずきません。」

イエスは彼に言われた。「まことに、あなたに告げます。今夜、鶏が鳴く前に、あなたは三度、わたしを知らないと言います。」

ペテロは言った。「たとい、ごいっしょに死ななければならないとしても、私は、あなたを知らないなどとは決して申しません。」弟子たちはみなそう言った。

(マタイ26:26~35、新改訳)

イエスは弟子たちに言われた、『今夜、あなたがたは皆わたしにつまずくであろう。・・・「よくあなたに言っておく。今夜、鶏が鳴く前に、あなたは三度わたしを知らないと言うだろう』」(マタイ26:31~34、口語訳)

囲碁の世界では、一般的に布石が最初に打たれます。「布石を打つ」とは、先回りをした一手を打つことを意味します。イエスが弟子たちに言われたこの言葉は、後に「互いに愛し合う」教会を生み出すために、主が先回りして打たれた〝布石〟となる言葉でした。

この時のペテロにとっては、最も嫌いな言葉でした。しかし、この言葉が先に語られていたからこそ、後にペテロは神の愛を深く悟るようになりました。

「誰が一番偉いのか」と度々口論を繰り返し、争い合った弟子たちの関係性が、この言葉の前では、やがて皆、お互い文句も言えない、裁くことなどできない関係になってしまうのです。また、この言葉は、イエスがペテロたちの〝弱い姿〟をあえて言い表した言葉です。

人が罪人となって見失ってしまったものの一つが〝弱さの価値〟です。だから、ペテロも私たちも〝弱さ〟〝弱い姿〟にマイナスイメージを持ってしまいやすいのです。

これは例えて言えば、人からばかにされたとき、人から低い評価を受けたとき、人前で失敗してしまったとき、落ち込んだり、反発したり、屈辱感や劣等感を感じたりすることと同じです。

悪質ないじめや嫌がらせは別として、私たちも、誰かの言葉や態度で憤りを感じたり、「プライドが傷ついた」と思ったことはないでしょうか。祈りの中で、思い出してみてください。

それは案外、真の〝弱さの価値〟を知らせ、悟らせるため、主があえて体験させておられるのかもしれません。

【祈り】 神様、私の心を探ってください。互いに愛し合う者となるために。

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森正行

森正行(もり・まさゆき)

1961年兵庫県西宮市出身。建設専門学校卒。不動産会社、構造建築事務所にて土木・建築構造設計部門を5年間勤務。1985年受洗。関西聖書神学校卒。岡山・岡南教会にて伝道師・副牧師3年間奉仕。1995年より現在、日本イエス・キリスト教団宮崎希望教会牧師。

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