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袴田巖さん「死刑廃止を国に認めてもらいたい」 死刑を考える国際シンポ会場で語る

2014年10月26日20時48分 記者 : 行本尚史
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関連タグ:死刑聖エジディオ共同体袴田巖
「死刑廃止を国に認めてもらいたい」袴田巌さん、聖エジディオ共同体などの国際会議後に語る+
シンポジウムの参加者たち。中央は袴田巖さん。

衆議院第一議員会館国際会議場で23日、カトリックの国際団体「聖エジディオ共同体」(本部=ローマ)が、欧州委員会とイタリア議会との共催で、「共に死刑を考える国際シンポジウム いのちなきところ正義なし2014」を開催した。会場では、死刑判決を受けて48年間獄中で無実を訴え、今年の3月に釈放されたカトリック信徒の袴田巖さんが集会後、記者団を前に、「死刑廃止を国に認めてもらいたい」と語った。

この集会で巖さんに同席した姉の秀子さんによると、巖さんは「48年間という拘置生活のために拘禁症がまだ抜けていない」という。巖さんは釈放後、病気のために入院したが、最近退院し、その後は積極的に外に出るようにしているという。「言うことはちょっとおかしいが、巖は巖なりに考えて言っていると思う。死刑廃止の集会の時には『死刑反対』ということを言っていた」と秀子さんは語った。

この集会で基調講演を行ったイタリア共和国下院議員で同院人権委員会議長のマリオ・マラッツィーティー氏は、初めに、「死刑制度は重要犯罪と闘うための唯一の方法なのか。果たして日本の文化のアイデンティティに基づいたものなのか。私たちがここにいるのは、世界が変革しているからだ。世界が急激に変わっている。25世紀、つまり2500年の間、死刑の問題について世界には変化が見られなかった。なぜかというと、その間ずっと世界の国々が死刑を実行してきたからだ。1970年には全世界の20カ国が死刑を廃止した。しかし今、143の国が死刑を廃止している。ということは、この2500年の間に変わらなかったことが、いま変わりつつある」と語った。

マラッツィーティー氏は、「死刑というのは数世紀まで普通に認められていた。なぜいま死刑が間違いだと考えるようになったか。国家が自国民を殺害することは、自国民の殺害行為と同じレベルに引き下がることになるからだ。そして国家が殺害するときは、冷静に計算された上で殺害する。だから、国家が行う死刑というものは、通常の殺人よりももっと重い罪だ。日本がそこから脱出することは、日本にとって光栄あることだ」と述べた。また、「死刑によって、殺害された犠牲者の遺族たちが全員癒やされるわけではない。だから死刑というものは、より安全な社会を作ることにも、遺族の心を癒やすことにもならない。死刑に処せられた犯人の家族たちは、何も悪いことをしていないのに犠牲者となる。私たちはみな殺害者と同じ立場に立つことはできない」と付け加えた。

「死刑廃止を国に認めてもらいたい」袴田巌さん、聖エジディオ共同体などの国際会議後に語る
基調講演を行ったイタリア共和国下院議員で同院人権委員会議長のマリオ・マラッツィーティー氏(右)と亀井静香衆議院議員。

死刑が日本のアイデンティティの一部であるかどうかについては、「『はい』とも『いいえ』とも言える。なぜなら、この50年間に死刑を廃止した国々も、自分たちの国にとってずっと必要不可欠なアイデンティティの一部だと思ってきたからだ。しかし世界は変わっていく」と指摘した。

マラッツィーティー氏は、日本における死刑の歴史にも言及した。「日本では西暦724年に死刑が廃止された。その後また死刑が再現し、3世紀にわたる死刑廃止の時代、平安時代があった。1156年まで、日本は死刑のない国だった。その時代、ヨーロッパでは全ての国で死刑が実施されていた。その後、武士の時代が始まり、7世紀続いた。徳川時代の終わりまで続いたが、その間に毎年1000人以上の処刑があった。その時期には、30万人の日本人がフランシスコ・ザビエルの教えに従って改宗し、殺された」

その上で、「絶対にえん罪がないとは言えない。自供があったとしてもえん罪は起こりうる」と主張。「私たちは自供がある時、また証人の証言がある時、それさえあればえん罪の可能性は減ると思うが、そういうことはない。あまりにも多くのケースのえん罪が自供と証人の証言に基づいている」と指摘した。「疑いを持つということは大切なことだ。なぜなら、自分の完璧さについて疑いを持つことは、一歩踏みとどまり、モラトリアム、死刑の一時的中止をして、もう一度考察をする機会を自らに課すことができるからだ」と語った。

死刑に代わる法制度については、「裁判の過程でも透明度を増すことや、控訴した場合、初審において受けた判決よりもっと重い判決ができないようにすること、終身刑を受けた者が死刑判決を受けないこと、などの法律が必要だ」と付け加えた。

最後にマラッツィーティー氏は、「一人の著名な智者が言った。いのちと人間性は与えること、女性に花を差し上げることから始まると言っている。命と人間性は与えること、無償で差し出すことと深く結ばれている。代償を求めるのは、そうではないようには見えても、実は人間性の乏しい世界のものだ。友情とか愛情はあまりにも大切だ。なぜなら愛情というものは無償で、買うこともできない。代償、罰則、刑罰、そういうものは希望のないものであってはならない。より良い人間的な社会を作るためにそういうことが求められている。いのちとは、一人の男性が一人の女性に花を差し出すことから始まると、私たちは思っている」と結んだ。

「死刑廃止を国に認めてもらいたい」袴田巌さん、聖エジディオ共同体などの国際会議後に語る

また、もう一人の基調講演者である衆議院議員の亀井静香氏(死刑廃止を推進する議員連盟会長)は、「議連としては、一挙に死刑廃止の法案を通すことが難しいのであれば、廃止への一里塚として、重無期刑(仮釈放のない無期刑)を死刑と無期(懲役)の間に入れ、衆参に死刑制度是か非かの調査会を設置し、3年で一応結論を出して、その結論が出るまでは死刑の執行を停止する。また、裁判員制度を含め、今の死刑判決がなされている中で、全員一致でなければ死刑判決は下せないという法案を昨年の始めには作っていた」と述べた。

その上で、「できれば来年の通常国会にはこれを法案として出して成立をさせたい。私は甘い見通しでいるわけではないが、これは成立することが間違いないだろうと確信している」と語った。

主催の聖エジディオ共同体は1968年、当時高校生だったアンドレア・リッカルディとその仲間たちによってローマで始められた。この高校生たちのグループがまず最初に中心にすえたのは、聖書の使徒言行録とアッシジの聖フランチェスコの生き方だったという。当初は、ローマ周辺に広がっていた貧しい地区で子どもたちのための補習教室を開いていた。その後、活動は四大陸73カ国以上に広がり、ボランティア数は約65000人に上る。平和のための祈りや宗教間対話、死刑廃止に向けた活動などを行っている。

創立者はローマのラ・テルツァ大学教授(現代史)のアンドレア・リッカルディ氏。宗教協力を通じて世界平和の推進に顕著な功績をあげた人物に与えられる庭野平和賞を1999年に受賞している。著書に『対話が世界を変える―聖エジディオ共同体』がある。

国際シンポジウムの第1回は2012年に、第2回は13年にそれぞれ開かれた。

■ 共に死刑を考える国際シンポジウム:1日目、2日目(第1部・第2部・第3部・宣言)

関連タグ:死刑聖エジディオ共同体袴田巖
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