9日、ボリビア政府高官は世界教会協議会(WCC)によって作成された新グローバル経済システムのための倫理基準声明文を受理した。
ボリビア大統領執務室高官のユアン・ラモン・チンタナ氏は「私たちは将来の人類のための働きを共に共有します。共に共通の課題のためい取り組んでいかなければなりません」と述べた。
WCC声明文は「いのちの経済のための国際的な金融の転換」と題された文書にまとめられている。
昨年秋にブラジルグアルーリョスで同文書はWCC中央委員会、改革派教会世界共同体(WCRC)と世界宣教会(CWM)が合同で開いた会議によって、世界各国からの神学者、経済学者の意見を取り入れ作成されていた。
ボリビア政府は同文書に関して、「異なるグローバル・アクターが協働していくことが大切であり、世界の諸教会はそのようなすべての人類の益となることを促進していくことにとても効果的な役割を果たしている。人類の尊厳を守ることはボリビア政府としても重要な課題であり、共に働いていきたい」と述べた。
経済活性化に奮闘するボリビアは、国連によってイニシアチブが発揮されている経済開発の議論に参加する主要な参加国となっている。現在のボリビア大統領は、同国史上初の現地土着民族出身のエヴォ・モラレス氏であり、同国の権力構造のバランスを修正しながら、天然資源が公正に分配されるよう取り組んでいる。
WCC代表団は同日ボリビア大使のフェルナンド・フアナクニ氏とも会合した。フアナクニ氏は同声明文に対し、「この文書は私たちの社会における異なるセグメント間の対話を行うに重要なものとなるでしょう」と述べ、南米諸国連合の傘下に各地域で協力した経済提携を行うための機関を設立するための提言書のコピーも受理した。
「いのちの経済」促進する政府の役割
同文書の草案を作成した一人である地域エキュメニカルセンター所長で、アクト・アライアンスメンバーのフンバルト・マルティン・シキヤ氏は「ボリビア政府は南米およびカリブ海、さらには欧州連合の間で行われる議論で決定的な役割を果たします」と述べている。
マルティン氏は「エキュメニカル運動の中にあって、私たちは良き生を生きる概念に啓発された幅広い経済開発の概念を提唱してきました。これまでの開発経済の基本概念より、よりホリスティック(総体的)な概念となりました」と述べた。
WCC中央委員会モデレーターのオルトマン氏は諸教会と諸政府が協力する可能性について「現在の南米で権限ある指導者のほとんどは市民社会運動に一度は関わってこられました。このようなプロセスの中には、世界社会フォーラムや、ピープルズ・サミットが含まれ、これらの市民社会運動には私たちも肩を並べて取り組んできました」と述べた。
オルトマン氏はWCCとアクト・アライアンスの協働について、「これらの二つのキリスト教団体が協働することは、霊的にも、実践的にも大きな相乗効果を生み出す具体的な例を示しています」と述べた。
会合では人権や環境問題についても議論された。オルトマン氏はWCCのエキュメニカル・ウォーター・ネットワークの取り組みについても触れた。
クリスチャントゥデイからのお願い
皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。
人気記事ランキング
-
福音派増えるベネズエラ、大統領が「マーチ・フォー・ジーザスの日」制定 全国で行進
-
N・T・ライト著『わたしの聖書物語』が大賞 キリスト教書店大賞2025
-
世界福音同盟、新総主事にアラブ系イスラエル人弁護士を選出
-
米韓政府の政策で対北朝鮮ラジオ放送が80%減少、キリスト教迫害監視団体が懸念
-
新約聖書学者の田川建三氏死去、89歳 新約聖書の個人全訳を出版
-
いのちの書に名を記される幸い 万代栄嗣
-
嫌いと無関心 菅野直基
-
シリア語の世界(30)シリア語新約聖書の和訳(1)マタイ福音書からテサロニケ人への手紙第二まで 川口一彦
-
主は生きておられる(240)黒い雨 平林けい子
-
ドイツで神学生が大幅に減少、5年前の3分の2に
-
新約聖書学者の田川建三氏死去、89歳 新約聖書の個人全訳を出版
-
根田祥一氏の敗訴確定、最高裁が上告棄却 本紙に対する名誉毀損で賠償命令
-
キリスト教徒が人口の過半数を占める国・地域、この10年で減少 米ピュー研究所
-
「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展
-
N・T・ライト著『わたしの聖書物語』が大賞 キリスト教書店大賞2025
-
「苦しみ」と「苦しみ」の解決(10)「苦しみ」から「苦しみ」へ 三谷和司
-
日本キリスト教協議会、戦後80年の平和メッセージ キリスト者の戦争加担にも言及
-
日本基督教団、戦後80年で「平和を求める祈り」 在日大韓基督教会と平和メッセージも
-
コンゴで教会襲撃、子ども含む43人死亡 徹夜の祈祷会中に
-
ドイツで神学生が大幅に減少、5年前の3分の2に